WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

フレンチ・バラッドあるいは酔っ払いの歌心

2006年11月04日 | 今日の一枚(A-B)

●今日の一枚 81●

Archie Shepp     Deja Vu

5550007  アーチー・チェップの2001年録音盤だ。素晴らしいの一言だ。何度聴いても音楽に酔っ払いそうだ。アーチー・チェップは、このアルバムを吹き込むために音楽活動をしてきたのだと断言してもいいほどである。若い頃のフリー路線も晩年のヴィーナス三部作もすべては、このアルバムの前提としてあるといっても過言ではない、というのが私の感想だ。

 歌心溢れる奔放なブローだ。酔っ払いが人生を振り返りながら演歌を口ずさむように、チェップは切々と、一音一音に意味を込めて演奏しているようだ。。

 最近、スピーカー・ケーブルを替えたのだが、チェップのサックスがより前に出て深みを増したように感じるのは、気のせいだろうか。ハロルド・メイバーンのピアノも瑞々しい。ジョージ・ムラ-ツのベースは深く重く内臓に響くような音だ。

 ① What are you doing the rest of your life (これからの人生) は、特に素晴らしい。何もいうことはない。ただただ、スピーカーの前に座って、音を感じていたい。


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