どうしようもないわたしが歩いてゐる

    ひなたしみじみ石ころのやうに

薮 椿(ヤブツバキ) 6

2012年03月31日 | 花・葉・実・樹・草


 

薮 椿(ヤブツバキ) 5

2012年03月31日 | 花・葉・実・樹・草


 

種田山頭火 「夜や」 「夜ぞ」 「夜に 夜へ」

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



秋の夜や犬から貰つたり猫に与へたり

落ちたは柿か寝苦しい夜や

何やらきて水飲む音も秋ふかき夜や

春の夜やボタ山の夢を見た


釣瓶漏りの音断続す夜ぞ長き

未整理の簿書裡に没す夜ぞ長き


石に水を、春の夜にする

夜へ咳入る

 

 

種田山頭火 「夜も」 「夜で」

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



夜もなく昼もなく地下室の人々

夜も働らく支那の子供よしぐれるな

夜もふけた松があつて蘭の花


歩いて東京へ行く夢も長い夜で

ぎやあとなけばほうとなくふくらうの夜で

冴えかえる夜でようほえる犬で

 

 

種田山頭火 「夜と」

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



(おとな)へば君ありてしめやかな雨の夜となりし

風の日ねもす春孕む雨の夜となりぬ

ふるさとの夜となれば蛙の合唱

水音しだいにねむれない夜となり

雪かなしく一人の夜となりけり


燈油尽けば心食む夜と五月雨るゝ

似たる夜と妓の懺悔など明け易き

 

 

種田山頭火 「夜は」

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



旅の或る夜はお彼岸団子のうまいこと

旅の或る夜はこんなにあつい湯にひたり

誰も来ない夜は遠く転轍の音も
             (転轍=車両の向きを変える切り換え装置)

寝られない夜は狐なく

昼はみそさゞい、夜はふくらうの月が出た

ふるさとの夜は蛙の合唱

病む児いだけば夜はしんしんとして恋猫も鳴かず

雪の夜は酒はおだやかに身ぬちをめぐり

夜はしぼむ花いけてひとりぐらし

 

 

薮 椿(ヤブツバキ) 4

2012年03月31日 | 花・葉・実・樹・草


 

種田山頭火 「夜を」2

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



雨の音も春らしい夜を何か鳴きつづける

風の夜を来て餅くれて風の夜をまた

岐路に堕して激論も夜を長うせり

大地したしう夜を明かしたり波の音

月がまろい夜を逢うて別れた

みほとけのかげ私のかげの夜をまもる

 

 

種田山頭火 「夜を」1

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



夜をこめておちつけない葦の葉ずれの

夜をこめて落ちる葉は音たてゝ

夜をこめて水が流れる秋の宿


春の夜を落ちたる音の虫

春の夜を夜もすがら音させて虫

 

 

種田山頭火 「夜が」2

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



音たてて食べる夜が深い

去る音の夜がふかい

ふるさとの夜がふかいふるさとの夢


秋雨の夜がふける犬に話しかける

這うてきて殺された虫の夜がふける


をなごやは夜がまだ明けない葉柳並木

かなかな、かなかな、おまつりの夜があける

日が暮れて夜が明けてそして乞ひはじめる

 

 

種田山頭火 「夜が」1

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



仲がよくないぢいさんばあさん夜が長く

鳴くかよ山羊もひとりの夜が長いらしく

寝ても覚めても夜が長い瀬の音

ねむれない私とはいれない虫と夜がながいかな

ほんまに夜が長い風が吹く

夜がながい木かげ月かげゆれてばかり

夜が長い谷の瀬音のとほくもちかくも

 

 

薮 椿(ヤブツバキ) 3

2012年03月31日 | 花・葉・実・樹・草


 

種田山頭火 「夜○○」

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



鍋や茶碗や夜つぴて雨が洗つてくれた

放たれし蛍かや夜すがらともす

松虫鈴虫水の音夜もすがらたえず


あれこれとねむれない夜まはりのとほくちかく

叫ぶ男あり夜潮ゆらめくのみの暗さ

夜汽車の、山鳴りの、竹の葉のそよぎ

夜雨しみしみ熱い茶をすゝる

夜店の金魚すくはるゝときのかゞやき

 

 

種田山頭火 「夜通し」 「夜なべ」 「夜道」

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



稲妻する夜どほし温泉(ゆ)を掘つてゐる

しくしく腹のいたみに堪へて風の夜どおし

夜どほしで働らく声の冴えかえる空

夜どほし燃やす火の燃えてさかる音
                   (製鉄所遠望)

夜どほし浴泉(ゆ)があるのうせんかつら


月がまうへでまんまるい夜なべしまうてゐる

夜なべの音の月かげうつる

夜なべしまへば月がまうへでまんまるい


重いもの負うて夜道を戻つて来た

白うつづいてどこかに月のある夜みち

 

 

種田山頭火 「夜空」 「夜露」 「夜寒」

2012年03月31日 | 詩・短歌・俳句



旅の夜空がはつきりといなびかりする

夜空濃くゆるがぬ青葉しづくしてけり


夜露しつとりねむつてゐた

夜露もしつとり春であります


朝寒夜寒物みななつかし

風鈴も朝寒夜寒のひとり鳴る