どうしようもないわたしが歩いてゐる

    ひなたしみじみ石ころのやうに

百 合(ユ リ) 

2012年02月14日 | 花・葉・実・樹・草

種田山頭火 「訪ねてくれる」

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



いつもたづねてくれるころの夕風がでた

たづねてくれるみちの草だけは刈つておく

風鈴のしきりに鳴るよ訪ねてくれる日の


炎天訪ねてくれて豆腐を貰ふ

たまたまたづねてくれて、なんにもないけどちしやなます

 

 

種田山頭火 「訪ねて」 「訪ねて歩く」

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



雲かげもない日のあなたを訪ねて来た

訪ねて逢へて赤ん坊生れてゐた

誰もたづねて来ない若葉が虫に喰はれてゐるぞ

ひさしぶりたづねてきて桜落葉する

水音をたづねて落葉のなかへ


暮れて雪あかりの、寝床をたづねてあるく

夕立晴の花をたづねてあるく

 

 

種田山頭火 「訪ね当てる」

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



うらうらやうやうたづねあてた

柿若葉その家をたづねあてた

しぐるゝやあんたの家をたづねあてた

たづねあてたがやつぱりお留守で桐の花

日向草の赤いの白いのたづねあてた

放送塔を目じるしにたづねあてた風のなか

やうやくたづねあてた家で牡丹の芽

やうやくたづねあててかなかな

 

 

種田山頭火 「訪ねる」 「訪ね来て」

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



そこら音ある水をたづねる

訪ねる人もゐない街のぬかるみ


裏門、訪ね来て山羊に鳴かれる

たまたまたづね来てその泰山木が咲いてゐて

はるばるたづね来て岩鼻一人

 

 

万 作(マンサク)

2012年02月14日 | 花・葉・実・樹・草

種田山頭火 「湛へた」 「湛へたれば」

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



たゝへた水のをりをりは魚がはねて

たゝへた水のさみしうない

伐り残されて芽ぶく木でたゝへた水へ

木かげたゝへた水もほのかに緋鯉のいろ


水たゝへたればいちはやく櫨はもみづりて

水たゝへたればおよぐ蟇

水たゝへたればその枝もみづりたれば

水たゝへたれば林ことごとくもみづれば

 

 

種田山頭火 「湛へてゐる」

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



つきあたれば秋めく海でたゝへてゐる

初夏の水たゝへてゐる

道がなくなればたゝへてゐる水

水底の月のたゝへてゐる

ゆんべの雨がたゝへてゐる、春

 

 

種田山頭火 「湛へて」2

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



雨をたゝへてあふるるにういて柿の花

岩ばしる水がたゝへて青き禊ぎする

海は湛へて暮れ残る蝉がいらだゝし

五月の海は満ちて湛へて大きな船

霽れて元日の水がたゝへていつぱい

水田たゝへてつるみとんぼがゆふ日かげ

山の青さをたゝへて水は澄みきつて

ゆう潮がこゝまでたゝへてはぶ草の花

わいてたゝへてあふれる湯の惜しむところなく

 

 

種田山頭火 「湛へて」1

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



たゝへて凍つてゐる雲かげ

たゝへて春の水としあふれる

たゝへて冬の水のすこし濁り


水はたゝへて秋の雲うつりゆく

水はたゝへて山山の倒影がまさに秋

水はたゝへてわが影うつる

 

 

種田山頭火 「湛へ」 

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



草苺ほのかに朝の水がたゝへ

白みゆく空風もなく海は湛へたり

水田たゝへようとするかきつばたのかげ

水たゝへれば伸びきつた枝のもみづりて

もののこゑほのぼのと海はたゝへけり

 

 

木 瓜(ボ ケ)

2012年02月14日 | 花・葉・実・樹・草

種田山頭火 「叩き」

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



大地へおのれをたたきつけたる夜のふかさだ

たゝきころされて秋蠅に声なし

たたきだされて雨はれる百合の芽である

ついてきた蠅でたゝき殺された

 

 

種田山頭火 「叩かれ」

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



秋の蚊のないてきてはたゝかれる

雨に茶の木のたゝかれてにぶい芽

けふは霰にたたかれて

とまればたたかれる蠅のとびまはり

はだかではだかの子にたたかれてゐる

 

 

種田山頭火 「叩いて」2

2012年02月14日 | 詩・短歌・俳句



太鼓たたいてさくらちるばかり

春のおとづれ太鼓たたいて何を売る


鉄鉢たたいて年をおくる

山の中鉄鉢たゝいて見たりして