
いちにち風ふいて何事もなし
草咲きみだれ何事もなく
何事もない枯木雪ふる
何事もなくて今夜も雪ふるか
髯ひつぱつても何事もなく
降つたり照つたり何事もなくて暮れ
朝の山路で何やら咲いてゐる
せゝらぎ、何やら咲いてゐる
何が何やらみんな咲いてゐる
何やら咲いてゐる春のかたすみに
店さき何やら咲いてゐる風が秋
やけあと何やら咲いてゐる
何やら来て何やら食べる夜のながいこと
何やらきて冬夜の音をさせてゐる
何やらきて水飲む音も秋ふかき夜や
雪あかり何やら来てはさびしがらする
おべんとうをひらく雀も何やら食べてゐる
枯葦の見えがくれ何やらあるく
つい夜蜘蛛を殺したが何やらさびしい
なにやらかなしく水のんで去る
なにやらさみしく雀どものおしやべり
何やらたたく音の暮れがてに
何やら鳴いて今日が暮れる
何やら花ざかりなり河鹿鳴くなり
青すゝきどうやら風がかはつた
赤字つづきのどうやらかうやら蕗のとう
てすりにタオルを、どうやら霽れさうな雑木紅葉の
どうしようもないわたしが歩いてゐる
ひとりぼつちとなりどうしようもない雨となり
虫の音ふけゆくどうしようもない体よこたへて