トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1056

2017-06-19 06:43:12 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 ペレカノスの朝が明ける、一同、一斉の朝行事で海がざわついている、オキテスが一同を招集した。
 『おう、一同、おはよう!』
 『おはようござくぃます!』
 『諸君!よく眠ったか?昨日は、よくぞ力を尽くしてくれた。ご苦労であった。テムパキオからこのペレカノスまで休むことなく、船を漕いできた。無事この浜に着いて宿営することができた。それは、君ら全員の尽力があったればこそだ。隊長として君らに礼を言う。ありがとう』
 オキテスが一同を見渡す、話を継ぐ。
 『今日がこの航海の最終日である。出航の陽の出が間近い!いい空模様、海も落ち着いている、しかしだ、船を押す風、これが期待できない、今日も漕走で進まざるを得ない。一同の奮励と尽力によって乗り切る。今日の航走の後半、東進した折にいい風が西からくると期待はしているが、この期待が裏切られた場合には一同に一層の尽力を願うことになる。最終日の航海も安全第一の航走に努め、我らが浜に無事帰着する!いいな!』
 オキテスのアサイチの言葉である。
 ギアスが一同に伝える。
 『今日の航海について伝える。これから朝めしにする、腹ごしらえを終えて出航する。このペレカノスの浜を出航して半刻くらいで船は北へ進路を変えて北上する。北へ転進して二刻半、船は東への転進地点に到達する。その頃合いは昼過ぎであろうと予想している。東へ転進したら、船は我らが浜に向かう。早ければ二刻後、おそくとも二刻半後、日没になる前に我らが浜に着く!以上だ』
 ギアスは一同を見渡す。
 『安全第一の航海に努める。目指すは無事の帰着だ!いいな。一同の尽力を期待する。頼むぞ!』
 一同から力強い返事が返る。
 『おうっ!』
 次いでテナクスが一同に告げる。
 『一同、ギアス船長の言葉を聞いてくれたな!漕ぎかたの交替は昨日の要領でいく、いいな!それから、一同に伝えておく、海上交戦で傷を負った二人だが、二人とも快方にむかっている安心してくれ。では、朝めしにする、腹ごしらえをしてくれ』
 ゴッカスが班長らを手伝わせて、朝食のパン、水、酒などを配る。日持ちさせたパンは硬めに焼いてある。
 彼らは言葉を交わしながら、胃袋に朝めしをおさめる。
 ゴッカスが操舵担当と数人連れて船の点検に座を立っていく。
 陽が昇りはじめる、出航の時となる、ギアスが浜を見回す、一同に声をかける。
 『全員!船に乗れ!漕ぎかた座につけ!』
 一同が、一斉に腰をあげる、船に向かって走る。
 船上では、テナクスと班長が漕ぎかたに着座の指示をする、ギアスが全員の乗船を確かめる。
 『ギアス船長、船の出航点検終えました。一同、乗船を終えました!』
 ゴッカスの報告を受ける、二人は船に乗る、ギアスは改めて最終の確認をした。
ジャンル:
小説
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