トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  983

2017-03-08 08:31:32 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パリヌルスは、計画立案業務の遂行に脳漿を絞っている、肝に銘じているやり方を満足のいくカタチで実行できていないことにいら立ちを覚えていた。
 それが『日付』を知ることにより、木板に書きつけた新艇納入航海日程の日付を書き込む空白個所に書き入れた。
 『よし!これでいい。始計第一、確実、一歩前進が実現できる』と自信を得た。
 彼は新艇の納入計画案を仕あげて立ちあがる、茜色に暮れなずむ浜の最終巡回をして今日を終えた。
  
 仰ぎ見る空に雲が見当たらない、いい朝である、浜が息づいてくる。
 今日はオロンテスに代わってセレストスがキドニアにおもむく、あいかわらずオロンテスの檄が飛んでいる。
 『おう、オロンテス、今日のキドニア行きは、セレストスか。昨日はありがとう、あれを聞いて、俺の作業がうまく決着した。会議で会おう』
 『おう、それはよかった。礼には及ばん』
 そのあと彼は、オキテス、ドックスに試作艇の作業の状況を聞き、試作艇の完成予定を確かめた。
 会議開始の時間が訪れる、一同がイリオネスの宿舎に会した。
 会議が始まる、イリオネスが議事の進行役を務める。彼は、一同と目を合わせ、意思の疎通を確かめる、口を開いた。
 『おう、おはよう、いい朝だ!打ち合わせ会議を始める。まずは、オキテス、戦闘艇の建造の状況を説明してくれ』
 オキテスが建造の場の動向について話す、試作艇の完成時期、建造用材の到着、製材担当者らの再着任、戦闘艇の建造開始時期について説明を終える。
 『おう、一同、解ったな。質問は?』と問いかけ、一同を見まわし、声をあげる。
 『では、次だ』
 パリヌルスと目を合わせる。
 『おう、パリヌルス、新艇納入航海計画はできたかな?』
 『はい、できています』
 『よし説明だ、説明してくれ』
 パリヌルスは、一案ごとに納入航海計画案を書き記した木板を提示して説明に及んだ。
 『レテムノンへの納入航海計画は一案ですが、テムパキオへの納入航海計画案は三案作成しています。レテムノンへの納入航海は相手先の港までには1日で到着しますが、テムパキオの相手先の港に到着するのに2日の航海行程です。そのうえ航海途上における危険性も考慮しなければなりません。帰路が陸路の行程は、海路および陸路における危険性についても考えなければならず、そのうえ、レテムノンに彼らの迎えの船を派遣しなければなりません。納入に関する日程は書き記した通りです。また、決定ではありませんが、実行する日付も記入しています。考え、検討して決定してください』
 『おう、日付がこのために必要であったのか。この日付けで実行を考えてもいいわけだな』
 『はい、そうです。私の考えとしては、おお事になるかもしれませんが、軍船派遣の計画が実行者らの身の安全上、最適の実行計画と考えています。以上です』
ジャンル:
小説
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『トロイからの落人』  FUG... | トップ | 『トロイからの落人』  FUG... »
最近の画像もっと見る

使命は建国。見える未来、消える恐怖。」カテゴリの最新記事