トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  901

2016-10-31 09:28:44 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 建造の場では、明後日に新艇二艇を引き渡しするということで作業が進んでいる。新艇の出来上がりは申し分のない状態で仕上がっていっている。作業者らは、活き活きと作業に取り組んでいる、イリオネスが、その光景を注意深く見つめている。
 建造の場の資材置き場では、堅パンのケース箱の部材造りに大わらわで取り組んでいる。彼らは彼らの知恵の及ぶ限りの知恵を働かせて、作業を合理化して進めている。彼らは課された結果を出せる人数の動員力を発揮して作業を進めている。
 浜に戻ったパリヌルスは、戦闘艇の構想を練った。彼は準備した木板に構想を図として描いていく、海上における戦闘を想像している、戦術として負けることのない船、そのための戦略を実現できる船を構想した。彼は頭の中に描いた船を造ることができるかを懸命に思い浮かべ、海上における戦闘をイメージした。彼が苦しんでいる構想は、負けない船が、必ず勝てる船ではないということであった。このことの解決に構想思考をつづけた。彼は船の有する能力を勝ち能力を『5』と評価し、負けるを『5』として合算『10』とはせずに、その枠を超えた数値を設定して考えをまとめようとしている。負けないを『6』勝てるを『7』として船に能力の付加を考えて戦闘艇の構想をまとめた。それを姿形図に、船仕様として大雑把に描き書いた。構想した船の実現の可否を別として、会議にかける構想とした。建造の工程を考え、船の基本構造を造り、付加構造については、建造途上において細工を施していく、それらを図面として描き、書き上げようと考えた。
 パリヌルスは、戦闘艇の設計に真剣に取り組んでいる。今夕の会議にそなえて未完成でもいい、その骨子だけでも伝えられるようにと心配りをして考えた。
 姿形図のほかに工程表1枚、仕様書き1枚の作成に取り組んだ。なかなか思ったものに仕上がらない。彼は内心、焦っていた。出来上がったのは大雑把に描いた船体の平面図と一同と話し合う数値を書き込んだ戦闘艇の仕様諸元であった。
 彼は、腰をあげる、波打ち際へと足を運ぶ、ヘルメスの帰港を確かめる、建造の場へと歩を向けた。
ジャンル:
小説
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『トロイからの落人』  FUG... | トップ | 『トロイからの落人』  FUG... »
最近の画像もっと見る

使命は建国。見える未来、消える恐怖。」カテゴリの最新記事