トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  999

2017-03-30 07:31:31 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パリヌルスは、レテムノンへの新艇納入航海について、統領と軍団長にその旨をこの場において通達することを伝え、場の一同に説明した。
 『では、一同に説明する。新艇の納入は、注文主の要望を受けてレテムノン港において、新艇の引き渡しを行う。新艇納入航海の出航日時は、アエネアス統領暦、7月14日、陽の出に出航する。目指す行先は、半島岬の南東に位置するレテムノン港である。新艇は自走、伴走艇には試作艇を使用する。この業務の遂行に就く人員は38名を予定している。航海途中において、スダヌス浜頭が案内役として合流する。この業務の責任担当はオキテス隊長である。試作艇の艇長はギアス艇長が担当する。なお、新艇および試作艇の漕ぎかたの人選はギアス艇長に一任する。以上である。質問があれば聞いてくれ』
 ギアスが質問に立ちあがる。
 『パリヌルス隊長、質問です。7月14日に出航して、新艇の納入を終えて帰着予定は?』
 『納入航海の日程は、3日間である。航海途上に天候等の異変がないものとしての日程である。天候の異変、風待ち等、そのような事態発生の折には、その限りでない』
 『了解しました』
 パリヌルスはオロンテスに話しかけた。
 『オロンテス隊長、この航海日程3日間の食糧計画と食糧の準備をオキテス隊長と話し合って、よろしく願います』
 『了解。航海する人員は、大体40人ということで、いいのかな?』
 『それでいいと考えているが、オキテス隊長と打ち合わせていただきたい』
 パリヌルスは、軍団長のほうへ体を向ける。
 『軍団長、ギアス艇長に下命のほどよろしく願います』
 『おう、解った』
 命令伝達の準備が整う。
 『軍団長、お願いします』
 イリオネスが立ちあがる、パリヌルスの声が飛ぶ。
 『ギアス艇長、前へ!これより命令の伝達を行う』
 イリオネスの前に間をおいてギアスが立つ、二人は目を合わせる。
 『ギアス艇長、このたび、オキテス隊長に従って遂行する新艇納入航海の伴走艇の艇長の任務を命じる』
 『はい!了解しました。オキテス隊長に従って業務の遂行に努めます』
 『ギアス、頼むぞ!』
 イリオネスがギアスの手を握る、オキテスがギアスと握手を交わす、場に拍手が沸いた。
 パリヌルスが一同に声をかける。
 『今、一度、一同に聞く!質問はないな?』
 場の者たちと目を合わせるパリヌルス。
 『おう、俺にはない』と答えるオキテス。
 『はい!ありません』とギアス。
 『では、これにて会議を終える。一同、ご苦労であった』
 パリヌルスがオロンテスに声をかける。
 『オロンテス、もうそろそろかな。アレテスの昼便は?』
 『おう、そうだな。今日、集散所と新艇納入に関して詳しいことを打ち合わせてくる』
 オキテスが二人の傍らに立つ。
 『オロンテス、集散所との打ち合わせよろしく頼む。また、航海中の食糧の件よろしく頼む』
 『おう、心得た。頼み事はそれだけだな、任せておけ!』
 『その件、よろしく頼む』
ジャンル:
小説
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