トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  891

2016-10-18 08:48:20 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 ギアスは、納入第一号艇の曳航に気を配っての航走をしていく、キドニアへの中間地点を過ぎたころからヘルメスは、ほどいい西風に押されて波を割って進んだ。艇の飾りつけが風にはためく、キドニアの船だまりが見えてくる、ギアスは、昨夜、イメージした操船を思い出しながら、操船する、大声をあげて曳航している納入艇上の者達に指示をする、係留作業にうつる、ヘルメスの左舷横に納入艇を横づけして係留を無事に終えた。
 岸壁の上には、担当のトミタスの姿がある、船だまりに着いたヘルメスを見て声をかけてくる、オキテスがその声を受けた。
 『おう、トミタス、ご苦労、着いたぞ!道中何事の変事もなく無事についた。少し早かったかな』
 『丁度いいくらいのタイミングです。まもなく、所長とハニタス、キドニス浜頭が乗り組みの一同を連れてここに来ることになっています。しかし、このように納入艇を飾り付けて曳航で来られるとは思っていませんでした。キドニス浜頭が驚きます

 スダヌスが姿を見せる、彼は、右手に化粧飾りをほどこした白い子羊を引いてきている。
 『お~お、オキテス殿、遅くなって、ごめんごめん!子羊の化粧飾りに時間がかかってな、許せ』
 『いや、大丈夫だ、どおって事もない』
 『あ~っ!統領、おはようございます。ようこそ、おいでくださいました。今日はとてもとてもいい日です。今朝もね、キドニス浜頭と話していたのですが、彼は首を長くして今日の日を待っていたのです』
 『そうか、それは俺としてうれしい限りだな。どのようにして期待に応えようか』
 『それは、新艇引き渡しに統領が立ち会われるのです、それだけで充分です。浜頭が感動します。あとは、集散所のハニタス、オキテス、オロンテス殿にお任せあれば充分と考えます』
 アヱネアスは、オロンテスと二言三言言葉を交わしている。
 『よし、了解した。特別の気遣いはしないでいいな』
 オロンテスは、パン売り場のスタッフ連を連れて集散所に向かう、買い主のキドニス浜頭らの出迎えに歩を運んだ。
 集散所に着く、パン売り場のスタッフに言いおいて、彼は集散所の詰め所に向かった。
 ハニタスが買い主のキドニス浜頭と声高に話し合っている、オロンテスが声をかける。
 『皆さん!おはようございます。キドニス浜頭殿、ハニタス殿、ただいま、船溜まりに到着しました。お迎えに来ました』
ジャンル:
小説
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