トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1076

2017-07-18 07:03:12 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスがパン売り場に戻ってくる、スタッフら一同に今日の段取りを話す。
 『一同、解ったな。そのようなわけであるから、今日は通常より早く業務を終了すること。本日の持ち込みのパンの総量は少なめになっている。俺は、スダヌス浜頭の招待の件がある。そのようなわけでアレテスの昼便の帰り船で帰る。一同よろしく頼む。以上だ』
 『解りました』
 時の進むのが速い、たちまち昼となり、アレテスの帰り便の時となる。オロンテスは、スダヌスを呼びに向かう。
 『浜頭、行きましょう』
 『おう!行こうか。オロンテス、そこにある荷物をアレテスの手押し車に積んでくれ』
 『手ぶらで来てくれればいいのに、気を使ってーーー』
 『今日な、いい羊肉が入荷した、それと祝い酒ひと樽だ。お~、積んでくれたか、よっしゃ、行こう』
 スダヌスが売り場の者らに声をかける。
 『おう、行ってくるぞ!』
 スダヌスを送る声が返る。
 三人は船だまりに向かう、彼らはアレテスの帰り船でニューキドニアの浜に向かう、めずらしく東寄りの風が彼らの船を押した。
 船が浜に着く、波うち際に統領と軍団長が立っている、二人がスダヌス浜頭を迎える。
 『おう、スダヌス浜頭、このたびの新艇納入航海の祝勝の宴に、ようこそ来てくれた。ありがとう!』
 『このたびは、招待いただき誠にうれしく、ありがとうございます。これ、ほんの気持ちです、お受け取り下さい』
 『浜頭、気を使わせたようだな。軽い気持ちで手ぶらで来てくれればいいのに、喜んで頂戴する、ありがとう!』
 『航海の件で礼を言わねばならんのは、我々の方であるのに。浜頭、ありがとう』
 三人はうなずき合い、話に花を咲かせた。
 浜では、セレストスの指示で祝宴の場ができていく、浜焼きスタイルの場づくりである。みるみる場が整っていく、酒樽が、食材が各島に配されている。
 オロンテスが見て回る、パリヌルスとオキテスが同行している、
 『おう、いい具合だ!』
 三人はうなずき合う。
 キドニアから売り場のスタッフらが帰ってくる、小島の一同も来る、リナウスが作り上げた月桂樹の冠を作り手連中に持たせて姿を見せる、オキテスが新艇納入航海の参加者一同を会場につれてくる。総勢750人余りの一族が浜に集った。
 パリヌルス、オキテス、オロンテスの三人が打ち合わせる。
 『おう、いい頃合いだ、一同を場につかせよう』
 『おう!』
 三人は、一同を場に案内する。
 案内役として役務を遂行したスダヌスを加えて、新艇納入航海に参加した連中を祝宴の場の中央につかせた。
ジャンル:
小説
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