トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1075

2017-07-14 07:45:38 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 リナウスと打ち合わせを終えたパリヌルスが浜に戻る。彼は、明日の祝宴催行を全員に伝える手配をする。
 オロンテスは、祝宴の催行を伝達と祝宴に使用する食材の打ち合わせに小島に出向いた。
 オキテスは、新艇納入航海に携わった一同に祝宴の催行を伝える。彼らは照れながらも心の底から歓んだ。
 通達を終えた彼ら三人が集まる。
 『ところでだが、オキテス、スダヌス浜頭をどうする?招待すべきか、引き出物ですますか?』
 オキテスが答える。
 『声をかける、参加の意向を確かめる。オロンテス、おまえの考えは?』
 『俺の考えか、招待するだ。いやだと言っても連れてくる。首に縄をかけてもだ!明日の俺の段取りは、アレテスの便で早く帰る。また、パン売り場のほうも早めに終わろうと考えている。祝宴の会場設営のことだが、整備要員に50人くらい、手配してほしい』
 『おう、解った!なお、スダヌスの件はオロンテス、君に任せる。出席としておくからな』
 パリヌルスが空を見回す、一本の木に目を止める、手で指し示す。
 『頃合いの目安だが、祝宴の開始の頃合いは、陽の高さがあの木の先くらいの頃にしようと考えている。それでいいな』
 『おう、それくらいがいい!』
 彼らの打ち合わせが終わる、日は暮れかけている、各人がそれぞれの宿舎へと引き上げてていく、浜に夜のとばりがおりた。

 祝宴催行の日の朝である。
 パリヌルスは、月桂樹の冠を作らせる要員30名を引き連れて撃剣訓練の場に向かう。
 リナウスは月桂樹の木葉を採集する用具を準備して待っていた。
 『おう、リナウス、おはよう!いい朝だ!頼みだ、聞いてくれ。昨日、言った個数のほかにチョッピリ豪勢なつくりの冠を2個作ってほしい』
 『おう、解った!他に言いたいことはないな。では出かける』
 彼は、彼らを連れて月桂樹の群生地へと向かった。
 オロンテスは、キドニアに着いて、アサイチにスダヌスの売り場に足を運んだ。
 『おう、スダヌス浜頭、いい朝です!元気ハツラツの浜頭の顔を見るのが、何よりうれしい!』
 『おう、おはよう!オロンテス殿。どうされました、アサイチに俺のところへとは?』
 『あのですな、浜頭!新艇納入航海の海戦の勝利の祝宴を今日の夕刻にやります。浜頭の招待の連絡に来ました』
 『ええっ!海戦勝利の祝宴に招待とは、なんとうれしいことを、何をおいても出席いたします』
 『私は、今日はアレテスの昼便で帰ります。浜頭も同道のほどを』
 『おう、それはそれは、解りました。オロンテス殿と一緒させていただきます』
 『時間になりましたら、呼びに来ます』
 『解りました。世話掛けます』
ジャンル:
小説
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