トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIES FROM TROY           

2012-02-09 09:37:24 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 会場の一角で昼食会の余韻を楽しんでいるグループもいるが、一部の者たちは、最後の荷役についた。
 焼きあがったパンが浜の波打ち際に積まれていく、更に、そのパンが小舟に積まれて船に運ばれていく、作業は順調であった。
 日没までには、まだ少し間がある。オロンテスは、パンを焼いている広場に戻り、リュウクスの作業場所に来た。
 『お〜っ!リュウクス、浜に運んだパンの総個数はどれだけだ』
 『はいっ、棟梁。ここにあるのを運べば総個数は8000個になります』
 『よし、判った。あと500個余りだな』
 彼は、浜に運ばれたパンの総個数を確かめた。尚、思案しながら、西の空を見上げた、更に広場を眺めパンの焼きあがり具合を推し計った。
 『パン焼き作業は、俺が考えていたより、順調にいったな、いいだろう』
 彼は、パン焼き作業を続けている者たちに叱咤励ましの言葉をかけた。
 『さあ〜、あと少しだ、焼きあげに努めてくれ』
 次にパン生地の練り場に足を運んだ。
 『おい、どんな具合だ。麦の粉はあとどれだけある?ぶどう酒は足りているか』
 彼は慎重にチエックした。
 そこへトリタスが二人の浜衆を連れて姿をあらわした。
ジャンル:
小説
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