トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  897

2016-10-25 09:11:25 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『統領、スダヌスに会われますか?』
 『いや、いい。パン売り場に戻る』
 二人はスダヌスの売り場を遠目で見て踵を返した。
 戻ったオキテスに売り場のスタッフが声をかけてくる。
 『あっ!オキテス隊長、いま、オロンテス隊長が集散所からの呼び出しで詰め所の方へ向かいました。オキテス隊長が戻ってきたら詰め所の方に来てくれとのことです』
 『おう、解った』
 オキテスは詰め所の方へ急ぎ足で向かった。
 詰め所ではハニタスとトミタスがオロンテスと話し合っている。オキテスがオロンテスの傍らに立った。
 『おう、オキテス、早かったな。今、集散所とテカリオン交易人と新艇二艇の売買の約束が成立した旨の話が合った。三日後の午後に新艇二艇を引き渡すようにとの指示を受けた』
 『おっ!それはそれは、ありがとうございます。解りました。新艇を完成整備の上、テカリオン方に二艇を間違いなく引渡しいたします』
 詰め所での打ち合わせを終わった。二人がパン売り場に戻ってくる。
 『統領、お待たせいたしました。用件は、テカリオン方への新艇引き渡しの件でした。キドニス浜頭方への新艇引き渡しに加えてテカリオン方への二艇の引き渡しと二件三艇の売買成立について、集散所はとても喜んでいました。集散所にとって思いもよらない成果であると喜んでいます』
 『そうか、集散所は想定外の成果を収めたということか。実はだな、正直に言う。俺もこの上なくうれしい!俺は新艇の販売には、思いもよらない苦労が強いられるのではないかと懸念していた。しかしだ、あとの二艇の販売に苦労するかもしれない。オキテスにオロンテス、心を引き締めて対処していこう』
 『解りました』
 『オロンテス、今日のパンの売れ行きはどんな調子かな?』
 『はい、もう売り切り一歩手前です』
 『そうか、調子はいいのかどうなのだ?』
 『売りの状況は、いい方です』
 『そうか、ならいい。オキテスと俺は、一足先に船だまりに方へ行く』
 二人は、パン売り場をあとにした。
 彼らが去ったあとオロンテスと売り場のスタッフは、新艇五艇のうち三艇が売れたことを喜び合った。
 パンの売れ行きもいつもより早い頃合いに売りさばけた。オロンテスとスタッフらはパン売り場をひきあげた。
ジャンル:
小説
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