トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  893

2016-10-20 04:23:33 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オキテスがハニタスに声をかける。
 『ハニタス殿、どうでしょう?乗り組みの皆さんに乗船いただいて展帆、操船についての説明をと考えていますが』
 『オキテス殿、それはいいですね。キドニス浜頭に話してくる。少々待っていてくれ』
 間をおかずにハニタスがキドニス浜頭を伴ってオキテスのところにくる。
 『おう、オキテス殿、ハニタスから聞いた。展帆、操船の説明をやってくれるのか、それはありがたい、よろしく頼む』
 オキテスはギアスに展帆、操船の説明をするよう指示をする。
 『おう、ギアス、キドニス浜頭方の乗り組みの皆さんに新艇に乗船してもらい、沖に出て展帆と操船の実際を説明してくれ。助手に三人ほど連れていけ』
 『解りました』
 ギアスは乗り組みの一同に乗船をうながし、一同に櫂座に就くように指示をする。
 『乗り組みの皆さん!こんにちは。私は私どものヘルメス艇の艇長役をしているギアスです。これから、この新艇の展帆、操船の実際を皆さんに説明いたします。まず、船だまりを出る前に展帆について説明いたします』
 ギアスは、助手に手伝わせて、二段帆の展帆のやり方を手際よく説明した。
 『皆さん、解っていただけましたかな。質問はありませんか』
 一同は拍手で答えてくる。
 『では、これより、船だまりより沖に出て、操船の実際をやります。櫂座の皆さん、櫂を握ってください。操舵を担当される方は?』
 『操舵は私がやります』
 『操舵の座について、櫂舵を握ってください』
 ギアスは全体を見渡す、係留のもやい綱を解く、ギアスが櫂操作を指示して、新艇は岸壁を離れる。
 『ではこれより、沖へ出ます』
 ギアスは、言い終わって、艇上を見渡し、指示号令を発した。
 『一同!漕ぎかた始め!』
 櫂が海面を泡立てる、新艇が波を割り始めた。
 操舵担当の横にいる助手が櫂舵の水切り部の大きさについて説明し、その水切り効果を実感させた。
 新艇は、風上に向かって沖へと進む、ギアスが風の状態を読んでいる、進む新艇の方向転換点を決めた。
 ギアスが艇尾の助手に合図を送る、了解を手振りで答えてくる。
 『方向を転換!』
 新艇は、進行方向を右に向けて、艇をかしげて、進行方向を転換した。
 方向の転換を確かめたギアスは、帆柱についている助手に合図を送る。矢継ぎ早に指示を出す。
 『漕ぎかた止め!櫂をあげ!総帆展帆!帆をあげ!』
 乗り組みの者たちは、要領よく総帆展帆作業をやってのけた。
 二段帆が風をはらんだ。
ジャンル:
小説
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