トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1013

2017-04-19 07:49:35 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『オキテス、明朝の出航だが、いつ頃と決めている?』
 『はい、陽の出の頃に出航しようと考えています。日の暮れないうちにレテムノンの港に着きたいと考えています』
 『パリヌルス、試作艇の具合は万全か?』
 『はい、万全であるといえます。また自走で行く納入新艇のほうも万端整っています。新艇および試作艇に乗艇する漕ぎかた連中のほうもギアス艇長のほうで決めています。チエックした状態では抜かりのないことを確認しています。また、航海中の食糧に関する件もオロンテス隊長のほうで準備されています。これは明朝の出航時の船積みです』
 『おう、そうか。万事、遺漏はないな』
 『はい、ありません』
 『おう、そうか了解した。!オキテス隊長、航海には、考えられないことが発生する。気を配って航海をしてくれ。道中の安全と無事を祈る』
 『ありがとうございます。肝に銘じます。無事、業務を完遂して、安全航海のうえ帰着します』
 『おう、頼むぞ!』
 一同が集まっての打ち合わせを終える。
 各自が持ち場の終礼に向かう、彼らは一同に、明朝の新艇納入に向けての出航を伝える。
 『おう、諸君!今日一日、ご苦労であった。一同に伝える、明朝、陽の出とともに新艇の納入に、この島のレテムノンの港に向けて出航する。彼らの無事を祈って送り出す。以上だ』
 一同から、『おうッ!』と返事が返る。その返事を聞いて、一同に今日の終業を伝えた。

 朝が明ける、晴れ渡っている、はるか東の水平線がかすかに明るい、満天の星が眠りにつこうとしている。
 薄明のうす明るい浜、声が飛び交う、パリヌルス配下の者らがギアスに手を貸している、出航準備が整っていく。
 オキテスが姿を見せる、納入新艇のチエックをする、ギアスに声をかける。
 『おう、ギアス艇長!新艇に乗る漕ぎかたは?』
 『はい、ただいま!』
 ギアスは、新艇に乗り組む漕ぎかた連中の17名をオキテスに託した。
 『オキテス隊長、操舵担当のグッダス、16名のまとめ役のゴッカス、以上総員17名、ゴッカスは、風読み、操船等の役務を任せられます。よろしくお願いいたします』
 『おう、了解!』
 ギアスは、漕ぎかた連中の引継ぎを終える。オキテスが彼ら一同に告げる。
 『おう、一同、ご苦労!この新艇をレテムノンの注文主に届ける。その責任担当をしているオキテスである。我々は、陽の出を待って出航する。目指すレテムノンには日の暮れまでには着く予定で航海する。航海途中において、航海の案内役を担当するスダヌス浜頭をこの艇に迎える。今日の航海予定は、いま言ったとおりだ。ゴッカス、操船を頼む。天候は晴れ、風についてはどのような風が来るか今は解っていない。君らはギアス艇長から聞いていると思うが、安全第一の航海に努めて、この任務を完遂する。いいな!』
ジャンル:
小説
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