トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1015

2017-04-21 07:38:55 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オキテスが率いる二艇は、朝の光を浴びて航走している、浜をあとにして今様時間にして約3時間弱を経て、アクロリテイの半島岬の北に差し掛かっている。
 二艇は、沿岸航法で沿岸の風景を見て航走している。
 ゴッカスは、空を仰ぎ、日射の暑さをを体で測り、海を見渡し、風具合の読みに集中している。
 北西からの微風のそよぎを感じはするが、艇を押す風ではない。岸から離れている距離は、おおよそ15スタジオン(約3キロ)沖を航走している。
 ゴッカスがオキテスに声をかける。
 『隊長、海上状況を報告します。程よい風はまだ来ません。現在地点より艇は海岸線に沿って東へと進路を進めます』
 操舵のグッダスに指示が飛ばす。
 『グッダス、進路を東へだ。陸地との距離は、15スタジオンを維持!』
 『了解!』
 艇は東へと方向を転じて進む、波は穏やかにうねっている、航走すること1時間、半島岬の東端に到る。
 オキテスは、南への転進地点を探り始めた。彼は半島岬の風景を見ながら思案する、ゴッカスに声をかけた。
 『ゴッカス、10スタジオン東進して南へ転進だ。いいな』
 『解りました』
 艇が転進地点に到達する、ゴッカスがグッダスに指示を出す。
 『グッダス、進行方向、南へ!この方向だ』と手を差し出して方向を示す。
 艇首を90度、南方向へと向ける。艇が受ける風向きが変わる、凪が終わろうとしているこのとき、いい風を期待する、風向きは北東からの風に変わる、風の力を感じる、ゴッカスは決断した。
 『隊長、帆張りします』
 オキテスがゴッカスの声がけを耳にして、状況をみて瞬時に断を下した。
 『了解!』
 帆張りの指示が飛ぶ、新艇の真新しい帆を帆張りする、風をはらむ、漕ぎが少々軽くなる、航走速度がかすかではあるが加速する、順調といえる、艇は海洋を南に向かって波を割った。
 オキテスは、航走状態をみて考える。『この航走で行けば、レテムノンの港に着くのは昼過ぎくらいとなる。着港時間が大幅に早くなる。遅れるよりはよい』とした。
 オキテスハ次の到達目標地点について考える、スダヌス浜頭との合流地点である。
 スオダの浜への入り江口の南の岬の近辺である。彼はスダヌスから預かっている木板を眺めた。『俺が、この合流地点に早く着けば洋上にての待機か。まあ~、いいか』とひとりごちてゴッカスを傍らに呼び寄せた。
 『おう、ゴッカス、次の目標地点は、このあたりだ。スダヌス浜頭との合流地点だ。この地点でスダヌス浜頭がこの艇に乗る。いいな。ただしだ、我々が早着の時には、洋上で待機しなければならない。ということだ』
 『解りました』
 ゴッカスは、オキテスからの指示を理解した。
ジャンル:
小説
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