トロイからの落人  Fugitives from Troy

トロイを脱出して7年。約400年後のローマ帝国発祥の杭を、テベレ河河口の地に打ち込んだ男がいた。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1033

2017-05-17 07:30:12 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『ほう、そうか。それはよかったな』
 『レテムノンで一夜を過ごし、朝を迎えました。私らが帰途の準備をしているときにテムノス頭領からの呼び出しがあり、私だけですが朝食に招かれました。その席でテムノス頭領が話を進め、試作艇の話になり、当方の建造計画などについて聞かれた次第です。もう、その時すでにテムノス頭領の腹が決まっていたようです』
 オキテスが一同と目を合わせ、息を整える。
 『戦闘艇一艇の受注をしたわけです。また、スダヌス浜頭も一艇買うといっています』
 『おい、オキテス、そのように注文を受けてもいいのか?まあ~、急ぐことでもないと考えられる。パリヌルスと話し合ってみろ』
 『解りました』
 イリオネスがオキテスに話しかける。
 『とにかく、全員無事に帰ってきてくれた。何よりそれがうれしい!次の納入航海の件だが、パリヌルスと話は済んでいるのか?』
 『はい、それは打ち合わせ済みです』
 オキテスがパリヌルスと目を合わせる。パリヌルスが口を開く。
 『はい、その件については、オキテス隊長と納入航海に出航する前に打ち合わせを終えています。軍船の整備点検もすでに終えています。ドックスのほうでも納入艇の整備及び納入品の整備調製を終えています。なお、納入航海の出入り四日間の食糧等の準備もオロンテスのほうで整えられています。以上、この場において報告いたします。また、スダヌス浜頭が案内役として同行予定となっています』
 『解った。オキテス、パムテキオへは海路で行くとなれば遠い、充分に気を配って航海の上、業務を遂行してくれ』
 『解りました』
 『出航日は、アエネアス暦で7月19日だな』
 『はい、そうです。7月20日には引き渡しを終えたいと考えています』
 『スダヌス浜頭はいつこちらへ来ることになっている?』
 『はい、それは7月18日午後にはこちらへ来ると考えています』
 『解った。聞いたところ、手配に抜かりがないと思われる。いかなる時も安全航海を忘れるでないぞ!』
 7月19日に出航するオキテスの納入航海に関する打ち合わせは終わった。
 『統領、昼食、馳走になりました。ありがとうございました。浜のほうへ行きます』
 パリヌルスとオキテスは、統領の宿舎をあとにした。
ジャンル:
小説
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