雨の日の話 " アルバータはもう帰ってこない!"

2017年05月25日 | かわら版

 

"Alberta"   Eric Clapton

Alberta, Alberta,
Where you been so long?
Alberta, Alberta,
Where you been so long?
Ain't had no loving
Since you've been gone.
 
    アルバータ アルバータ
    どこへ 行ってしまったんだ?
    アルバータ アルバータ
    どこへ 行ってしまったんだ?
    おまえを 抱きしめたいけれど
    おまえは 逃げてしまった

Alberta, Alberta,
Where'd you stay last night?
Alberta, Alberta
Where'd you stay last night?
Come home this morning,
Clothes don't fit you right
 
    アルバータ アルバータ
    昨日の夜 誰と一緒だったんだ?
    アルバータ アルバータ
    昨日の夜 誰と一緒だったんだ?
    朝には 帰って来いよ
    高望みなんかしないで

Alberta, Alberta,
Girl, you're on my mind.
Alberta, Alberta,
Girl, you're on my mind.
Ain't had no loving
Such a great long time.
 
    アルバータ アルバータ
    お前に 首っ丈なんだ
    アルバータ アルバータ
    お前に 首っ丈なんだ
    おまえを 抱きしめたのは
    もうずいぶん 前のこと

Alberta, Alberta,
Where you been so long?
Alberta, Alberta,
Where you been so long?
Ain't had no loving
Since you've been gone.
 
    アルバータ アルバータ
    どこへ 行ってしまったんだ?
    アルバータ アルバータ
    どこへ 行ってしまったんだ?
    おまえを 抱きしめたいけれど
    おまえは 逃げてしまった
 
translated by T. Arima
 
 
 はっきり言って情けない。アルバータに愛想を着かされたのに、未練タラタラだからだ。好き合って、お互い夢中の間はいいが、しばらく一緒にいると、くだらない事でけんかをしたりもめたりする。そのうち、少しずつ歯車がずれてくるのだ。生まれも育ちも、考え方も、生きてきた環境も違う二人が生活を共にするのは、思うほど簡単なことではない。
 
 アルバータも些細なことには目をつぶり、いやな事も我慢をしようとし、変な性癖にも我慢しようとしたのだろう。それでも、相手のことを許せないし我慢ならないのだ。モノレールのような二人一緒の生き方が、平行な二本のレールの上を走る電車になり、気がつくと遥か彼方は平行なはずのレールが逆八の字型に広がり始めているではないか。このまま行くと脱線するしかない。
 
 この歌を聴いたら、全てではないと思うが、世のほとんどの女性は嫌悪感を持つのではないか。別れて清々したいのに、鳥もちのようなこのねばねば感はなんだ。きっと、気持ちが悪いだろう。こうやって、失恋のエネルギーを天に向かって解き放っていればいいが、方向を間違えるとストーカー的一方通行になりかねない。
 
 だが、しかしだ。何度もこの歌を聴いていると、夢もない、希望もない、明るい未来というもが一切ないこの負の力が、胸に刺さり、心地よい痛みにさえなってくる。しかもだ、不覚にも、涙さえ流れてくるのだ。ストーカーの偏狭な感情と対極にある、このうじうじとした、うろたえた情けない姿は、ひょっとして、かろうじて雨上がりの雲間から見える、あの青い小さな空につながるかも知れない、と思うのは考えすぎだろうか。
 
 言っておく。アルバータはもう帰ってこない!
 
 
※1992年に発表されたアコースティック中心のアルバム "Unplugged" の中の "Alberta"のほうがよく知られていますが、1977年のライブ版をリンクしています。こちらのほうが、より情けない気がします。ただ、3番の歌詞はアドリブ?のようですが。
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