
『銀魂』(ぎんたま)は「週刊少年ジャンプ」に2004年02号から連載中の空知英秋の少年漫画だ。
坂田銀時は10月10日生まれ、身長177cm、体重65kg、甘党でこの漫画の主人公。あおいちゃんはこの「銀さん」にぞっこん。
あおいちゃんによれば、くぼ先生は「エリザベス」。9月7日生まれで、身長180cm、体重123kg。白いペンギンのような風貌。
私は「定春」。2月25日生まれのうお座。座高170cm、体重300kgの犬。万事屋の前の段ボールの中に捨てられていた。
「あおいちゃん、銀さんとありま先生とどっちが好き?」、くぼ先生が尋ねた。
「銀さん」
「・・・だけど、結婚するのはありま先生とだよ。中学校を卒業したら、先生、結婚してあげるね!」
あおいちゃんはこちらを向いて真顔でサラリといった。
「えっ、ちょっとそれは早すぎるな。せめて、高校を卒業してからにして」
「先生、その時は今の奥さんと別れてくださいね!」
そう言ってくぼ先生はニヤッと笑った。

ニューヨークからフロリダに向かう長距離バスの若者たちにまじって、初老の男が乗っていた。ほこりっぽい服装にぎゅっと口をつぐみ身動きひとつせずに席に座っている。
若者の中の一人の女性が、そんな様子に興味を示し、男のそばに腰をおろし話しかける。男は物静かにに返答しすすめられた酒をひと口飲むと、礼を言いふたたび黙り込んで居眠りをしはじめた。
翌朝、バスの停車駅のカフェで朝食をすませた後、彼女はまたその男のとなりに座ると、初老の男はゆっくりと自分のことを話し始めた。
彼は、ニューヨークの刑務所で刑期を終え、我が家に帰るためにバスに乗っていたのだ。
「結婚してらっしゃるの?」
「それが、わからないんでね」
男は刑務所から「子どものことで困ったり、出所するまで待てなかったら自分のことは忘れて、再婚してくれ」と、妻に手紙を書いた。
「それなのに、あなたは家に帰ろうとしているの、どうなっているかわからないのに?」
「ああ」
先週、半年早く仮釈放が決まって彼は妻に手紙を出した。彼の家族が住む町の入口に大きな樫の木がある。戻ってもいいならその木に黄色いハンカチを結んでいてほしい。もし、ハンカチが木に結んでいなければ、その時はバスを降りないでそのまま去るつもりだと。
やがて、故郷の町まで30キロほどになった。彼は失われた歳月の重みを感じながら擦り切れて折り目がついた妻と子どもの写真をながめた。町まで15キロになり、10キロになった。
車窓から、遠くの樫の木が見えた。何十枚もの黄色いハンカチが枝に結ばれ、風にはためいていた。
これは、ピート・ハミルの "A New York Sketchbook" の35話の中の最後の6ページほどの短編「黄色いハンカチ」で、後に第20回ブルーリボン賞を獲得した山田洋次監督の「幸せの黄色いハンカチ」の映画の原作である。

朝、5時半に起きた。顔を洗い、身支度をして朝食を食べる。電車を乗り継いで、1時間半。やっと、正門が見えてきた。
「せんせ〜!」
あおいちゃんの赤い手袋がゆらゆらと門のところで揺れている。きょうも、手を振りながら待っている。いつものようにいっしょに下足場に向かって、ほんのひと時、他愛もない話をしながら歩いていく。
そんな明日はもうこない。
きのう、あおいちゃんは卒業していった。

