hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

本好きの親子の geeky なクリスマスの過ごし方

2024年01月02日 | 日記
 我が家は毎年4人だけの寂しいクリスマスを過ごしています。
 しかも子供たちが出て行ってからはツリーも飾らず、特にクリスマスらしいお料理も用意せず。
 24日からそろいますが、イブは焼肉、25日は唐揚げ、26日はしゃぶしゃぶといった具合。
 夏に大学院を修了して9月から会社勤めの息子と大学3年の娘と私の3人が話すことも尽きて夜中に始めたゲームは、、、、
 YouTubeで文学クイズ。
 作家名作品名のみならず、内容から有名なquotes、小説の書き出し文まで思いの外幅広く。
 3人の内の誰かはわかっている事が多く、大抵の動画は全問正解もしくは一文だけ不正解だったのですが、ある一つの動画はサッパリ。それもそのはず、ほとんどの問題が Colleen Hoover 作品についてという、、、わかるわけないのよ! 
 さすがに現役English student の娘が一番知ってはいたけれど、読書からは遠のいている息子も最近記憶力にやや問題ありの私もなかなかの健闘ぶりでした。
 今ここにその動画のいくつかのリンクを貼ろうとしましたが、やり方がわからないので諦めます。
 余談ですが私と娘は普段から一緒に外出した際は書店に寄り、それぞれが各平台に何冊読了本があるか申告して、相手が読んだのがどの作品かを当てるという非常に geekな遊びをここ数年やっております。いつまでも付き合ってくれるのでしょうか(笑)

 その後、こちらで人気?有名?な Jack Edwards というBooktuber の2023年に読んでつまらなかった本について語っている動画を3人でみたのですが、あまりにも辛辣すぎてみんなで笑っちゃいました。私のリストに入っている本もその中にありましたよ。
 ジャックはうちの子供達とも年齢がそう変わらないので、彼が高校生の時からずっと動画を見ていたのですが、まーとにかく本が大好きなのがビンビンに伝わってくる。
 そして選り好みせず、幅広く読む。「っていうか、なんでこの本を読もうと思うのかなー?」とツッコミたくなることもしばしば。
 この動画内で「僕もそろそろ他の人が捨てた本を読むのはやめた方がいいのかも」とぼやいていたので、チャリティショップとかブーツセールとか手当たり次第いってるのでしょう。
 読後感想ではないので載せる写真がなくページがさみしいので選んだ本の表紙は、ディケンズの A tale of two cities。ほとんどのクイズに登場したのですが、このイギリスを代表する作家、私の記憶違いでなければ、私の娘もジャックも「どうしても好きになれない」と大学からの課題に苦しんでいました。

 私はジャックと違って若くはないのでいよいよ読む本は厳選していこうと思っています。今年のリストについてはまた次回。
 ついでに私の2023年の worst book は一択 The tattooist of Auschwitz でした。



 
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今年最初の一冊「君たちはどう生きるか」原作漫画

2024年01月01日 | 和書
 ただいまこちらでジブリの「君たちはどう生きるか」上映中で、うちの子も観に行っていましたが、10人近い集団で行ったにもかかわらず、誰1人よく理解していなかったとのこと。日本でも「難しい」という意見が大半だったとか?
 一方、偶然にも時を同じくして原作漫画を読んでいた私は、とってもわかりやすくスラスラと読み終えてしまいました。
 子供に向けたちょっとした哲学書なので、設定的には昔懐かしい「ソフィーの世界」と似た感じです。語り調がとても似ているのです。
 ただ、やや理想論すぎるので、純粋に受け止めてしまう若い読者がいたとしたら、この先ここに書かれているような考え方をしない人間の方が大半だという現実に何度も遭遇し心を痛める事になりかねません。
 そういう意味では、映画の方は内容とメッセージがうまく噛み合っていない気がする、という意見もチラホラ聞こえるので、かえってそれで良いのかもしれませんね。

 9 out of 10

 個人的にはとても共感する考えなので好きですが、その分だけとても生きづらいんですけど?と思ってしまいます。
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大奥

2023年12月30日 | 和書
 ドラマも漫画もとっても良かった!
 
 10 out of 10
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押入れのちよ

2023年12月29日 | 和書
 ホラー短編集。
 読みやすくて、サラッと読了。
 昔好んで読んでいたタイプの作品集で、面白かったですねぇ。

 8 out of 10

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The Collector

2023年12月28日 | 洋書
 何きっかけかは全く覚えてはいないもののずっと読みたいリストに入っていた作品。
 偶然にも娘が友達からお勧めされて譲り受けたらしく、いつの間にか我が家の本棚に入っていました。(そうとはしらずKindleでも買ってしまったので、よっぽど読みたかったようです、私)
 簡単に内容を話すと、好きになった女性を監禁した陰気臭い男の物語。
 前半は一気にこの男の目線からの語り。そして後半は同じエピソードが監禁された女性の目線からの語りという構成になっています。
 テーマ的にはもちろんユニークなところはないのですが、語り手を交互にせずに、前半と後半にわけて完全に分断しているところが、私にはとても新鮮に感じました。
 新鮮?この作品が書かれたのは1965年なのですが、あまりにもここのところよくある題材ですし、文章や登場人物のあり様に特に古さを感じさせない描写のため、ずいぶん前に書かれていることを幾度と忘れてしまいました。お金の価値が違うことだけが、あー、そうそう、昔の話だった、と思い出させてくれるという風に。そして最近の作品なら、語り手を交互にするのではないかなとも思ったわけです。
 この作品は娘たちの代の高校卒業試験(A Level)の English Language という教科の試験に採用されていた作品でもあることから、クラシックとして長く読まれています。そしてその理由を私は文体の興味深さが故だろうと思いました。
 前半の主人公の語りでは、乾いていて語彙も少なく、孤独で特に何に対しても興味も持たずただただ生きていた彼の性格が表されています。後半の女性の方の語りでは、地下に監禁されて絶望的な状況にかかわらず、好奇心旺盛で社交的だからこそ身に付いたであろう生き生きとした言葉が繰り出されます。
 この圧倒的な違いが長い間文学好きを掴んできたんだろうなぁと、読んでいる最中「やっぱり文学っていいよなぁ」と胸を熱くしました。

 さて、こういうテーマだと必ずストックホルム症候群が語られるわけですが、もしこの作品にもそういういった一面があったと語る評論家がいたとしたら、その方がどんな著名人だろうと絶対的に異論を唱えたいと思う。
 手を替え品を替え最後まで戦ったのに、ストックホルム症候群だったなんて言われたら、この女の子は浮かばれない。

 8 out of 10
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