あけましておめでとうございます。
今年も新年を九州の母の家で迎えました。夕方にはもう横浜にもどって来て、この記事は自宅で書いています。
九州は雪も降り、たいへんな寒さでした。大晦日の夜、しっかりした防寒服を持って帰らず寒さに怯んだ私を家に残して、母はお寺に行って除夜の鐘をつかせてもらい、くじを引いたら一等賞の酒が当たったと、一升瓶を妹に持たせて大喜びで帰って来ました。母は、酒が好きなのではなく、一等になるのが好きなのです。来年には米寿を迎えるとは思えない元気さに、安心しました。
母の家の庭で迎えた初日の出です。
家の近くに海岸があり、そこから別府を望む景色は絶品です。
母の家の倉庫の隅で埃をかぶっていた絵を見つけました。
私が高校生のときはじめて描いた油絵です。誰に習ったわけでもなく、自己流に絵の具を塗りたくっただけですが、この絵を描いたときの楽しい気持が、40年近くもたっているというのに、鮮明に蘇りました。社会人になってからは、油絵は描いていません。最近試みましたが、昔のように楽しく描くことができず、途中で放り出してしまいました。今は絵はもっぱら見るだけですが、どこを旅行してもまず訪れるのは美術館です。
また、中学高校の頃に読んだ本も見つけました。当時はいろいろな本を読みあさっていましたが、最もたくさん読んだのはSFでした。その中の一冊を帰りの飛行機用に、持って帰りました。「スポンサーから一言」という短編集です。フレドリック・ブラウンをご存じでしょうか。機知に富んだショート・ショートが得意で、とくにタイムパラドックスについては数多くのアイディアを出し、しかもそれぞれがすべて秀逸であるという、とんでもない作家で、当時夢中になりましたが、今読んでも十分以上に面白いです。
結局、人間の趣味というものは、中学高校の頃にもう決まっていて、変わらないものなのかも知れません。