物心ついた時からずっと、繰り返し繰り返し、見続けている夢があります。
わたしは、遥かな丘を、見上げている。
わたしは、遥かな丘の、下の方にいる。
わたしは、その丘の向こうへと、行きたい。
強く強く、願っている。
わたしは、その丘のむこうから、やってきたから。
でも、あまりに遥かで、壮大で、美しくて、
ただ、ただ、丘を見上げているばかり。
そこで、夢は終わるのです。
昨日、ちょうど夢の丘のようなところを、歩いてきました。
懐かしく、恋しく。
わたしが憧れる、わたしが帰りたい丘の、その向こうには、なにがあるのでしょう。
わたしは、どうして、その向こうの世界から、こちらへやって来たのでしょう。
少女の頃から、ずっと考えていますが、今も、わかりません。
だからなのかもしれません。
わたしは、何やら不思議な感じのする所に惹かれます。
それは入り口。
不思議の世界への。
絵本や物語も、不思議の世界で満ちていますね。
主人公たちは、いとも簡単に、向こうの世界へと行ってしまう。
そして、かならず、帰ってくる。
いいな、いいな。
わたしも、いつか、あの丘の向こうへと、行くことができるでしょうか。
あの空を、高く、高く。