ひまわりてんびんへの道
会社は変われど、一貫して企業法務に携わってきました。思いつくまま、気の向くまま、気長に書き続けます。
 



法的考察について、な〜んて、そんな大層なものじゃありませんが、法務の国のろじゃあさんから水を向けられ、こちとらの領域でもありましたので、ちょっと考えてみようとエントリーを立ててみました。

まず、本件の手ぬぐいは、吉野家の牛丼復活祭にちなんで、牛丼をお召し上がりの方にもれなく提供されるものであることから、「顧客の誘引を目的として取引に付随して提供される経済上の利益」に該当しますので、「景品」に当ると、ひまわりてんびんは、考えます。

そして、抽選ではなく、「もれなく」もらえますので、ろじゃあさんのおっしゃるとおり
「総付け景品」にあたり、取引価額の10分の1までの景品がもらえます。

総付け景品の告示は、新しいものではありませんが、現在でも適用があります。
一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限(昭和52 年3月1日公正取引委員会告示第5号)
2 次に掲げる経済上の利益については、景品類に該当する場合であっても、前項の規定を適用しない。
一 商品の販売若しくは使用のため又は役務の提供のため必要な物品又はサービスであって、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
二 見本その他宣伝用の物品又はサービスであって、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
三 自己の供給する商品又は役務の取引において用いられる割引券その他割引を約する証票であって、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
四 開店披露、創業記念等の行事に際して提供する物品又はサービスであって、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの

「見本その他の宣伝用の物品またはサービス」とは、たとえば、試供品や宣伝用のポケットティッシュやマッチなどが典型例です。

この手ぬぐいの場合、告知の態様から見て、宣伝用というよりもこの手ぬぐいを提供することが顧客誘引の手段となっているので、2号に該当する可能性は低いと考えざるを得ません。
ただ、手ぬぐいがどのような手ぬぐいかは、はっきりしませんので、なんとも言えませんが、外見を見た限りでは、「御礼」と包装に表記されていることから、吉野家もこの手ぬぐいは景品であると考えているのではないかと推測できます。
(おともだちのぽいんと尺さんのエントリーに手ぬぐいの写真がありました。)

つぎに、4号ですが、「開店披露」とは、まさに新規オープンや再開業の場合であって、また「創業記念」は、○○周年といった場合です。「等」とある場合にもこれらに類するものが妥当するのであって、牛丼復活祭がこれに当たるかどうかは、難しいところです。

ですので、このてぬぐいが上記制限告示の2号または4号に該当するか否かについては解釈が微妙なので、万全を期すためにも「景品」と考えて対応されたのではないかと考えます。

となると、今度問題になるのは、手ぬぐいの価格になるわけで、市場価格が100円(税込み)以内であれば、景表法上問題はない、ということになります。

で、果たしてこの手ぬぐいが100円以内で買えるか、一般消費者が日本手ぬぐいを100円以内で通常買うことができれば、問題はありません。
おそらく原価は、100円を切っているとは思いますが、さらに、複数の店で実際に買えるかどうか事前に裏づけを取っておられるんだろうと思います。

この総付け規制については、見直しを求める意見が多く、総付け景品とセット販売と実態に差がないこと、手法・程度が適当なものである限り、競争の観点から中立的、促進的に機能することから、公取委は、一定の規制緩和を行うことを決めたようです。

近々、この規制は見直されることでしょう。

実務では、常にこの景品の価格については結構頭を悩ませているところなので、この規制の見直しについては歓迎しています。



コメント ( 3 ) | Trackback ( 1 )



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コメント
 
 
 
やっぱりこの告示がでてくるんだなあ (ろじゃあ)
2006-09-24 23:51:23
ひまてんさん、どうもです。
ろじゃあのエントリーでも引用しておきましたが、やはりこの昭和52年告示がでてくるんですなあ・・・。
2号か4号かということですと、多分このいずれか(どっちかというと4号かなあと思ってたのですが)で対応されたのだと思いますが、商慣習の観点からすると牛丼4つに手ぬぐい4本というのが仮に対応に含まれてたとするとちょいとどうかなあというところではなかろうかと。
そりゃお客さんからするともらえたに越したことはないんですけどね(^^;)。
すき屋さんとかからするとどうなのかなあと思ってた次第です。
どうなんすかねえ、10月以降の牛丼販売日に同じ対応はされるのかどうか・・・やっちまうと4号での対応はちょいとつらいのではないかと思いますが・・・。
 
 
 
ひまてんとしては、 (ひまわりてんびん)
2006-09-25 00:32:48
そもそも、この手ぬぐいは、景品だと思います。
告示の2号でも4号でもないのではないか、と。

景品規制は、同業他社から指されることが多いんですな。
ひょっとしたら、すでに松屋さんやゼンショーさんなどが公取委に問擬しているのかもしれませんね。
 
 
 
「景品」の出し方 (ぽいんと尺)
2006-09-25 11:53:39
 いやあ、ただ喰って手ぬぐいをもらってきただけで、そこまで思い至りませんでした。いけませんねえ(笑)

 手ぬぐいの「景品」は、牛丼を注文すると牛丼と一緒にお盆に載って出てきました。店員の説明も、店内の表示も一切ありませんでした。吉野家としては、4号を意識ということなのでしょうか。リーガルチェックを経て、店舗では対応しているのかも知れませんね。
 こうと知っていたら、何軒か食べ歩いて、質問してみるんだったな……
 
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