深愛

思い出が光にかわる…

告白~回想~

2017-05-19 22:33:00 | 深愛

彼は言っていた。

「僕は山屋だから、大事な友達を
作らないようにしているんです。
だから、友達少ないんですよ。

山に行って、
帰れなかったときに悲しませたくないし、
だから山に行くときは仕事を全部終わらせて
遺書を書いて行くんです。

もう身体がボロボロだから
登れるかわからないけど、
やっぱり今でも
達成できなかった山にもう一度挑みたい」



「そんな彼」だからこそ好きになった。



初めこそ一目惚れで、
でもそれは、今みたいな好きとは違う。

色んなことを話たり聞いたり、
時には仕事で彼を注意したり褒めたり、

何気ない毎日を
積み重ねていくうちに、
どんどん好きになっていった。


契約終了となる縁で終わりたくはない。
ずっと繋がっていたい。


「60になったら劇団作る」
と話した時、バカにするでもなく、
「じゃ、僕が脚本書きますよ」

劇団を作ることを共感してくれる人に初めて出会った。

脚本を書いてくれる人を探していた私には
こんなラッキーなことはなかった。

「えっ!?ホントに?」
「書きますよ」
「脚本書いてくれる人、探してたのー(涙)」


ずっと繋がる手段は「演劇」という夢。



彼の仕事とは違う分野、
挑戦してみたいって夢を共有してくれた。


それだけで良かった。


けれど、
そのあともたくさん約束を作った。 

そして、
契約終了のときに、
自分の気持ちを伝えようと思っていた。


でもその前に、
私にとっては終了と同じような

「異動」

という現実が突然目の前に現れた。

もう一緒に仕事が出来ない。

フロアが違うだけだから、会う機会もあるとは思う。

言っちゃおうか、
それとも、やっぱり終了時期まで待とうか・・・


異動最後の日の朝。

「私に30分でもいいから時間をちょうだい」
「いいですよ。いつですか?」
「なるべく早く。明日でも明後日でも」
「あー、日勤終わりの方が時間とりやすいかも」
「じゃあ月曜は?」
「月曜…」
「月曜」
「…うん、大丈夫です」
「じゃあ、月曜ね」
「はい」

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 告白~プロローグ~ | トップ | 告白~接近~ »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。