ヒロシカ

日々のことを。

クローン病で家を建てる-3

2015年10月29日 23時13分36秒 | 住宅

民間銀行の住宅ローンはあきらめて、フラット35に絞って申込を行うことになり、事前審査も通って数日後に、本審査の書類をもらいました。

前回も書きましたが、勤務先が2年前に赤字だったこと、それと自分の年収も普通の銀行では申込すらできないぐらい低いこともあり、フラット35でも本審査が通るのか不安がありました。

代理店の担当者さんの話では、借入希望額は自分だけの収入でも十分可能とのことでしたが、妻との収入合算で申し込むことにしました。

収入合算にすることで借入に対する返済比率は余裕が出ますが、所得の証明書を取りに行ったりする手間や申込書の記入などは倍の作業が必要になりますし、団信には入らないので、そのための生命保険証券のコピーをとったり、子供が起きている時間は落ち着いて記入することもできないので、子供が寝てから申込書の記入と必要書類の確認を二人で行いました。

フラット35はモーゲージバンクで申し込むのですが、近くに支店がないため、遠方の代理店に郵送することになっていました。自分としてはできるだけ早く審査が終わるようにしたかったので、申込書の記入と書類の確認を終えた23時ごろに郵便局の夜間窓口に車で走りました。

郵便局には24時前にはついて、簡易書留で送ることができたのですが、翌日からは連休だったので、結局代理店が受け取ったのは、4日後、それからモーゲージバンクに送られたのは2日後。なので、実際に本審査が始まったのは、申込書を送ってから6日後でした。

申込書を送ってからも、モーゲージバンクの事前審査は返済比率を確認する程度なので本審査でNGになることはよくある、といったサイトの情報や、自分があまり使っていなかったクレジットカードの年会費の口座引き落とし(この口座も古い口座でほとんど使ってない)などが延滞になっていなかったか、など、不安なことが頭をよぎりながら、半分うわのそらで仕事をするという状態でした。

フラットがだめなときは、「親戚から借金してでも建てることにするか、それともあきらめるか」、といった悪いことや、「審査は必ず通る、これまでの行いで悪いことは何もないから心配はいらない」といった自分で自分を励ますことなど、頭の中でいろいろと考えがめぐり、朝起きると今日は「審査通ったって連絡来るかな」と不安と期待を持ちながらの毎日でした。

そして、申込から20日後に融資承認の連絡をもらいました。このときは本当に安堵しました。

今回のローンでは建築費用の約3割を頭金として用意していたので、「頭金が1割以上あれば通りやすい」ということを聞いていたので、少々勤務先が問題でも大丈夫かな、とは思っていたのですが、それでも不安はありました。

頭金のほとんどは妻がこれまで貯金してきたものです。この頭金があったから審査が通った可能性が非常に高くなったと思いました。本当に妻に感謝です。

ローンの支払いは長いですが、クローン病の治療を続けながら、しっかり仕事して、家族が新しい家で笑って過ごせるように頑張ります。


クローン病で家を建てる-2

2015年10月28日 07時01分21秒 | 住宅

今回契約した工務店さんとは2014年の秋ごろには、家の建築をお願いするということで話を進めていました。
この工務店さんは少人数で運営されているので、早くても2015年の9月以降の着工になるということで、こちらも了解していました。

ですので、住宅ローンの審査とかを進めていくのは9月ごろでいいのかな、という感じでいました。

そして、6月に直腸周囲膿瘍で入院、手術を受け、7月下旬に退院。会社はその間欠勤となり、6月、7月の給与はほぼ0。
社会保険がひかれるので実質マイナスでした。

ただ、健康保険から標準報酬月額の3分の2が支給されたことと、入っていた医療保険から保険金が支給されたことで、無収入分はカバーできたので、ひと安心でした。

退院後は、もう8月。盆休みを過ぎると、工務店さんとキッチン、バス・トイレ、床材などの細かい部分の打合せが毎週入るようになり、いよいよ住宅ローンも事前審査は受けておかないとね、という段階になりました。

前回書いたように、自分はフラット35でしか借りられないのですが、クローン病であることを隠しておけば、他の銀行でも大丈夫だろうということで、モーゲージバンクと手数料の安いネット銀行にも事前審査を出しました。

事前審査の段階では、団信告知の必要はないので、どちらも1週間以内にすんなりOKの回答。ネット銀行から本審査に必要な書類一覧と申込用紙が入った封書が数日後に届きました。

必要書類には源泉徴収票、住民票などが書かれていましたが、ひとつだけ、ドキッとしたものがありました。

「直近6か月以上の給与明細のコピーと給与が振り込まれている口座の通帳のコピー」

転職して3年以上たっているのに・・・これがなぜ必要になるのか?

おそらく、勤務先の会社が2年前に赤字だったため、ボーナスが出なかったこともあり、源泉徴収票で確認できる昨年分の年収だけでなく、今年の収入も安定していることを確認するために必要だったのだと思います。

しかし!
自分は2カ月近く入院していたので、給与明細には0円としか記載されていない。そのうえ、保険金が生命保険会社から振り込まれている!

これをそのまま出したら、団信はうその告知でOKが出ても、普通の人なら「何これ、おかしい!」と気づくでしょう。

しかも、後から調べてみると、保険金の給付を受けた情報は、保険金詐欺などを防ぐために保険会社間で共有されるということが書かれたサイトまでありました。

ということは、自分が民間銀行の住宅ローンを借りられる可能性は0、になります。

やはり、よくないことを思いついても、うまくいかないもんです。

こういう悪いことを思いついても実行させないように、神様が入院させたのかもしれませんね。

そんなわけで、当初の予定通りフラット35一本でローンを組むことになりました。

次回はフラット35の審査について書きます。


クローン病で家を建てる

2015年10月27日 07時06分26秒 | 住宅

クローン病になった人は薬で症状がおさえられているときは、普通の健常者と変わらない生活ができます。

しかし、自分が健常者とはちがうというのを実感するのは、生命保険に入るときや家を買うために住宅ローンを組もうとするときではないでしょうか。

自分は結婚する半年前に潰瘍性大腸炎と診断され、結婚後に生命保険にはいったほうがいいかなと思い、いろいろと情報収集しました。

普通の生命保険を選べる状況ではないことはすぐにわかりましたが、三井生命がIBDの人でも入れる保険を販売しているということを知り、
少し条件がつきましたが、生命保険と医療保険に入ることができました。

そして次のライフイベントとして、家を建てるという話が夫婦の間で出てきました。

最初に話が出たのは3年ほど前で、それからいろいろとハウスメーカーの展示場や、地元工務店の展示見学会などを見て回り、
その中から信頼できる工務店さんにお願いすることにして、今年の10月に正式に契約し、工事に入ることになりました。

頭金はそれなりにありますが、全額用意できるわけもないので、住宅ローンを借りることにしました。

クローン病の人が住宅ローンを借りるときは、団体信用生命保険が一番のネックになります。

民間金融機関であれば、ほぼ団信加入が必須となっており、団信なしでも借りられるのはフラット35しかありません。

しかし、フラット35がNGとなると、金利が高い(3%ほど?)の銀行で借りることになるのか、それとも親族の誰かを連帯保証人として
借りるのか(この場合返済期間が15年までなど条件が厳しい)ということになってしまうので、不安がありました。

そこで、団信は告知義務があるが、正直に告知しなければ問題ないのではないか、ということが頭に浮かびました。

実際、糖尿病や高血圧などを隠して住宅ローンを借りている人もいるみたいなので、「クローン病も隠しておいて、その後に
なにもなければ問題ないだろう、自分に何かあっても既存の生命保険でなんとかなるしな」、と考えてました。

しかし、今年に入って猛威をふるったクローン病が問題になったのです。

このつづきはまた次回。


入院までの経緯

2015年10月02日 15時27分40秒 | IBD/クローン病/潰瘍性大腸炎

涼しくなってくると汗をかかなくなってエレンタールを飲むペースが落ちてしまいますね。
暑いときは1日5本は余裕だったんですが、今は4本飲むのが限界のペースになってます。

入院までの経過を書いていきたいと思います。
2014年9月ごろから炎症が強くなった感じがありました。
トイレ回数が多くなって、粘液便も増えたという感じでした。
薬としては、漢方を飲んでいましたが、プレドニンも15mgほど飲んでました。
プレドニンは自己判断で量を30mgまで増やして落ち着いたら、徐々に減らす
ということをやってました。今思うと、医者の指示通りでなく、危険でしたね。
指示通りにしなかった理由としては、副作用がいやだったからです。
このころには総量がとっくに10000mgを超えていて、骨密度が低くなって、
大腿骨頭壊死などになってしまう、と恐ろしい想像をしていました。

11月を過ぎたころになると、就寝中にガスとともに粘液が漏れるようになり、
寝ているときは、お尻にトイレットペーパーをたたんで置いておくように
なりました。
毎朝起きると粘液で下着が汚れてしまっていることが多くなり、少し落ち込むと
同時に、面倒な状態になっていやだなと、朝から不機嫌なことがありました。
1月になると、排便後にしばらくしてから便が漏れてくるという症状に変わりました。
ことのきも、まだ直腸の炎症が強くなっているのだと考えて、広島漢方の先生にも相談し、
漢方を増量してみましたが、あまり効果はありませんでした。

そのうち、2月、3月と時間が経つにつれて、排便後すぐには痛みがないが、3時間を
過ぎるころまで粘液と少量の便が意識せずに漏れてしまうというようになりました。
このころには、いつ漏れてくるかわからないため、常にお尻にトイレットペーパーを置いた
状態になっていました。

主治医にこのような症状を伝えても、ボステリザン軟膏が渡されるだけで、あまり効果的な
対処がされなかったので、肛門科の他の先生に診てもらったところ、直腸が狭くなっていて、
早急に入院することを勧められました。また、その先生から主治医に症状について伝えてもらった
ところ、緊急で内視鏡で状態を確認することになりました。
検査中は鎮静剤で痛みはなかったのですが、肛門近くの直腸が5mmほどに狭くなっていたので、
バルーンで1.5cmほどに拡げたとのことでした。確かに検査後は結構出血がありました。

直腸狭窄と炎症が内視鏡によって確認されたのですが、入院して対処しましょうという
ことしか言ってもらえず、すぐには入院できないということを伝えると、エレンタールを
1日4本しっかり飲んでください、ということでひとまず経過をみることにしました。

それからもあまり状態は良くなりませんでした。排便するまでは直腸の痛みなどはないのですが、
排便から4~5時間の間は、痛み・便意があり、粘液のようなものが漏れるという状態でした。
漢方も注腸で入れるようにしましたが、あまり変化はありませんでした。

そして、5月下旬に温泉に旅行に行ったときに、大浴場の椅子に座ると、なにか肛門付近が
盛り上がっているような感覚がありました。肛門が炎症によって腫れあがっているのだろうと
考えて、またボステリザン軟膏を注入しましたが、今考えれば、直腸の奥のほうの問題だったので
まったく効果はありませんでした。

6月上旬のある朝、目が覚めると体全体が熱いという感じがしました。計ってみると38度5分もありました。
これは何かおかしいと思い、病院に行くと、血液検査を受けました。その結果、白血球が20000を
超えていて、感染症が起こっている可能性が高いと言われました。
その日は抗生剤の点滴を受けて、熱は下がりましたが、ここはしっかり治さないとどうにもならない
と考えて、ようやく入院を決めました。
入院して、CTの検査をしてみると、直腸の右側に5㎝ほどの膿瘍がたまっているのが確認されました。
肛門近くの直腸狭窄によって直腸上部に圧力がかかり、ろう孔ができ、そこに便が入って、膿が徐々に
たまっていったのだと思います。

便漏れや排便後の痛みはろう孔に入った便が炎症を起こし、その穴から膿が出てくるため、便や粘液
(実際には膿)が漏れる状態になっていたわけです。

ろう孔はふさがってからは、便が漏れるということもなくなり、お尻にトイレットペーパーをあてること
もなくなりました。クローン病の炎症は潰瘍性大腸炎よりも深い部分にまで及ぶと聞いたことがありますが、
今回の症状も、深い部分まで炎症が起こったからでしょうね。

とりとめもなく書きましたが、入院した時に便漏れの症状の原因がはっきりして良かったと思います。