チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

チコの小説連載中!完結作は「でじたる書房」より電子出版!本館「ポエムの庭」へはリンクでどうぞ!

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その15

2016-04-04 20:08:17 | 時は管理教育「この時代を」
 あいつら、一晩正座させられたって!わー。きついな、それ。・・・翌朝の朝食の席。懲罰を受けた男子生徒はここにいず。
「いただきまーす!」
皆、先生におびえてしーんとしている。違反したんだから、当然でしょ。それでもやりすぎじゃないの?徹夜で正座ってさ。これも、内申書に描かれるのかな?そうじゃないの?内申書、内申書、内申書。こんな時ぐらい、解放されたいのに。
 そうだよ。中学三年生。受験生だけど、今は楽しい修学旅行のはず。楽しみたいのに。そりゃ、家族旅行みたいに、気ままにってわけにはいかないのはわかってる。だけど、いつも監視されているこの体制。内申書を振りかざして、先生たちが、ううん、皆も。子どもも大人も、
『皆、同じであれ!』
タカクラさん、お風呂入るの?何それ?変なもの巻いて。やめてよ!無理やり引っ張られる。スルスル解けるサラシ。わー!大きい!男みたいな顔して、そんな大きいの?やらしー!
「ユウちゃん、大丈夫?」
帰りの新幹線の中ずっと、うつむいたままのユウ。
 学校に戻って、解散。今日も、キョウコちゃんのお母さんのお迎えで。
「お帰り、ユウちゃん、キョウコ。無事に帰ってきてくれて何より。どうだった?」
後部座席からキョウコが、
「うん、天気がずっと良くてよかった。建物がすごく大きくてね。」
明るく話してくれて、自分に話を振られないことに救われているユウ。
 ただいま。ユウを迎える母親。
「お帰り。どうだった?お母さんたち、毎日電話で修学旅行便りを聞いていたのよ。・・・あら、どうしたの?元気ないわね。」
「何でもないよ!」
ドカッと旅行鞄を置いて、中身を片付ける。胸のことを、冷やかされた。いやらしいって言われた。やっぱりやらしいんだ、私・・・気にしてるのに。こうなりゃ、絶対に変えてやる!今すぐには無理でも、手術ができるようになったら、絶対にこんなもの切ってやる!

 
 
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その14

2016-02-27 19:39:30 | 時は管理教育「この時代を」
 第一中学校職員室。いつも以上に早い朝。
「三年生の担任の先生方、同伴の先生方、おはようございます。」
今日から修学旅行。
「二泊三日の間、よろしくお願いします。事前に打ち合わせていましたように、生徒の持ち物検査は厳密に。」
 三年二組の教室。皆、大きい旅行鞄を机に置いて。はしゃぎまわってる子とか。キョウコちゃんと雑談しながらも、どこか憂鬱なユウ。持ち物検査もだけどね、もっと嫌なのは、今年のクラスメイト!かなり腹立つ子がいて・・・タカクラさん、修学旅行もジャージで来るの?何でスカート嫌なの?頭おかしいんじゃない?だいたい、あんた、本当に女なの?部屋、一緒になるの?嫌だね!ベルが鳴って、担任のオオカワ先生が入ってきた。
「皆さん、おはようございます。今日からお楽しみの修学旅行です。その前に、持ち物検査をします。皆さん、旅行鞄を開けて。」
担任一人がやるんだ。去年までは毎週、先生二人でチェックしてたけど。
「あ!タオルが四枚!三枚までって言っていたはずですよ。一枚没収します。」
へぇ。違反してもその程度か。
 タオルは一人三枚まで、色柄の少ない物。下着、持ち物には全て名前を入れる。お小遣いは三千円まで、お土産は指定の店で買う。パジャマではなくジャージで、昼間の時間は制服で・・・まあ、私はずっとジャージで行くけど。ルールとしては、随分まともなルールだと思う。今までのうちの学校の管理主義から思ったら。
「はい、皆さん、バスへ行きますよ!」
荷物を持ってぞろぞろと。男子女子三人ずつの班別行動だけど、大体が仲良しが一緒。ユウはキョウコと並んでバスの座席に掛けた。ブロロロロ・・・行先は、トウキョウ。観光バスから新幹線へ。
「あ、富士山が見える!」
そんな感じではしゃぎながら、大都会を観光する。夜は、旅館に戻って、夕食、お風呂・・・
 枕投げで大騒ぎの男子の部屋。
「お前!そんな大金持ってきたのか!」
下着の中に忍ばせて。
「って。五千円追加で持ってきただけさ。ばれっこないって。」
消灯の時間、先生の巡回。
「おい!何やっている!」
 深夜の廊下、正座させられている男子生徒三人。その前を腕を後ろに組んでうろうろしながら、男性教諭、
「お小遣いは三千円までだったよな?かくして持ってくるってどういうことだ?」
「・・・・。」
「そこで一晩、正座しておけ!」
 

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その13

2016-02-01 19:20:12 | 時は管理教育「この時代を」
 もうすぐ黄金週間、それを前に、
「来週木曜日から土曜日まで、修学旅行です。」
学校生活で一番楽しいはずの行事だと思うけど。忙しい受験勉強の合間を縫って、日曜日、キョウコちゃんの家を訪ねてきたユウ。いつもの和室で、
「何か、あまりうれしくないよね。」
お菓子と紅茶を食べながら、キョウコ、
「そう?・・・まあ、小学校の時ほどはうれしくないかもね。マコトちゃんが来ないし。」
「マコトちゃんが来れないのは仕方ないよ。ずっと学校来てないのに、修学旅行だけ来ましたってなったら、いい顔されないじゃない?マコトちゃんもそれを心配してるんだよ。」
ユウの意見にキョウコ、
「それはわかる。」
 もっと憂鬱なのは、修学旅行のために、
「持ち物検査あるんだよね。普段はやめたくせに。」
ぶっきらぼうに言うユウをなだめるように、キョウコ、
「仕方ないよ、ユウちゃん。皆で二泊三日の旅行するんだもん。誰かが変なものを持ち込んだらさ・・・私、薬が多いから、お医者さんに診断書もらったよ。ちょっとでも疑われないようにしないと。」
 キョウコちゃん、心臓が悪いから。準備ももっと大変だろうな。制服とジャージ以外はダメ。寒かったりしたらどうするんだろう?・・・前日の夜、荷物の最終確認をしているユウ。
「完了!・・・お母さん、明日のお茶だけお願い。」
「はい。わかったわ。」
ユウ、水筒を出しに、母親と一緒に台所へ。
「ねえ、お母さん。どうして修学旅行に持ち物検査するのかな?」
「何言ってるの!普段からやらないほうがおかしいわよ!もし、誰かがシンナーとか持ち込んだらどうするの!もう!生徒さんが亡くなったせいだけど、学校が緩くなって!親は不安にさせられる一方だわ!」
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その12

2016-01-10 18:57:37 | 時は管理教育「この時代を」
 第一中学校職員室を訪ねてきているのは、アヤセマコトの母親。
「来られないんですね、修学旅行。・・・残念です。」
今年の担任のオオカワ先生。若い女性だけど、思いやりや愛情は深い方だわ。子どもたちに慕われてそう。
「はい。私も主人と説得しましたけど、どうしても行かないっていうんです。一年生の二学期から学校に来ていませんから、皆と会うのが辛いのかもしれません。修学旅行となると、一日中一緒に過ごすことになりますし・・・」
「そうですね。わかりました。そちらは返金の手続きなどの対応しますので・・・」
もう一つ、今日はもっと大事な相談。
「あの、マコトの進路のことなんですけど。」
「あ、はい。その件ですね。ご本人さんはどう言われていますか?」
「・・・・。はっきり言わないんです。たぶん、親とそう意見は変わらないと思うですけど。高校は私学に入れるっていうのは、小学校の時から決めていましたし。」
 変化に弱いマコトの性格を考えて、中学受験はあえてさせず、高校で大学進学に強い学校に入れる。
「あの子のことを思って進路を考えてきました。それがこんなことになるなんて・・・」
目頭をハンカチで抑えるマコトの母親。その様子を見ながら担任、
「はい。お母さんの思いはとても分かります。これからも一緒に考えていきましょう。」
ありがとうございました。
 職員室を出ると、今、授業で。グラウンドで体育をやってる。男の子も丸刈りでない子がいる。先生も注意しなくなったってユウちゃんから聞いてる。この様子なら、マコトもまた学校に行ける気がするけど、無理かしらね・・・
『学校が厳しいのが嫌なんじゃない!』
マコト、そう言ってたもの。学校は嫌じゃなかったんだ。校則が厳しかった時でも。高校、本当にどうするべきなのかしら?また不登校にならないために。なるべく自由な学校に行かせるべきのような気がしたりするのよ。また、誰かが死んでしまうような学校で、もし、その誰かがマコトになってしまったら・・・
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その11

2015-10-18 20:00:53 | 時は管理教育「この時代を」
 そうだよ。そんなことより、もっと気になるのは進路。つまり、高校受験のこと。桜が散る前から、それで頭を悩ませている私たち三年生。休憩時間だって。ユウはキョウコの席で。

私は公立に絞る。
第二志望はどうするの?
私学もいろんな受け方があって・・・

「皆、いろいろだね。」
腕組みしながら教室を眺めているユウ。その横からキョウコが、
「そうだよね。ユウちゃんは、そろそろ決めてるんだよね。」
「決めてるっていうか、決まってる。」

高校は、自由な学校へ行く。

「ユウちゃん、中学入ってからずっとそう言ってたもんね。」
「そりゃそうだよ!校則厳しい学校なんて、こりごり!」
 一年生の時からの出来事を思い出しながら、怒りに震えてくるユウ。私、絶対に嫌だよ。人が死んでしまう学校なんて。感情が噴出さないようにしたくて、キョウコに話題を振る。
「キョウコちゃんはどうするの?」
「私は体のことがあるから、近い公立高校に行きたいんだけど、どうかな・・・」
内申書のことだ。キョウコちゃん、かなり不利なんだよ。
 学科よりも実技、勉強よりも部活。そういう風に評価されるのが内申書。
「ユウちゃん、受け入れられないのはわかってるけど、制服着てきた方がいいと思うよ。」
「わかってる。」
内申書のためだよ。校則を守っているか、も、書かれるから。
「自分から減点要素、増やさないほうがいいよ。」
「・・・・。」


コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その10

2015-09-28 20:28:41 | 時は管理教育「この時代を」
 ユウ!本当にあの子は!心配する母親は父親に。
「いつまでもいつまでも、あの子は!本当に病気なのかしら!」
「・・・・。」
「あなた!何とか言ってよ!十四歳よ、もうあの子も!いつまでもあんなの可笑しすぎるわよ!」
「俺がユウにか?・・・言ってどうなるんだ?あいつ、親が言ったら変わるのか?」
主人の言葉にはっとした。確かに、話して変わるものなら、とっくに変わってるのかもしれない。二年前、学校の先生に勧められて病院に相談に行った時も、見守るしかないって。
 深夜、寝付けなくてベッドで漫画雑誌を読みふけっているユウ。アイタタ。うつぶせていると、胸がベッドに押されて。そのまま仰向けになる。枕から外した漫画のほうに首を向け。体を変える方法、いろいろありそうだな。もちろん、もっとちゃんと調べなくちゃだけど、
『十八歳になったら手術やホルモン治療ができる。』
いろんな本に書いてあったな。増大する嫌悪感・・・体が変わる、要するに、次の世代を作る準備。三年生になって、男の子と女の子、皆、すっかり変わった。私、いつまでも本当の体にならない。
『先に体のほうが変わっていくんですよ。』
そんなこと言われたって。やっぱり納得できないよ。一人で生きていけないのに、体だけ変わるなんて。
 同じ頃、アヤセマコトのマンション。テレビの音量を下げ、一人、リビングで過ごすマコトの母親。今日は、気まずいことになったわ。
『修学旅行は行かない!』
ユウちゃんがプリントを届けてくれて、夜に話し合ったら、マコトが怒りだして。悲しいなって思う。修学旅行に行けないなんて。そうだ、主人に・・・ううん、相談しても無駄よね。中学三年生になってもうすぐ一か月。フリースクールには休まず行ってるんだけど。もっと心配なのは、進路よ。
『出席点は認められますが、実技科目が全て一になりますからね。受験する高校によっては、不利になると言わざるを得ないです。』
マコト・・・どうするのかしら。中学でこんなことになって、普通の高校でいいのかしら?また同じことにならないかしら? 
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その9

2015-09-22 20:25:53 | 時は管理教育「この時代を」
 夜、居間で下着やタオルを取り分けているユウ。修学旅行の準備だ。ちょっとずつやっている。
「このタオルは、旅行に便利よね。使わないように分けておかないとね。」
基本、自分で全部するんだけど、お母さんも結構、手出しする。
「はい、これ。ユウ、修学旅行もジャージで行くの?」
この間、学校の説明で、修学旅行は制服で、寝る時はジャージでって言われた。
「うん。私はジャージで行くよ!」
「・・・・。ユウも、よくそこまで自分を貫けるわね。学校はこの頃、厳しく言わなくなったみたいだけど。」
 何も返事せず、黙々と用事を進めるユウ。ついこの間まで大人が、何としても皆同じになれ、だったのに。でも、今は・・・・
『ちょっと、ヘアゴムの色が茶色!何してるの!』
『お前!シャツのボタン、学校のやつじゃないだろ!』
『仕方ないだろ!ボタンが飛んで、どこかになくなったんだ!』
子ども同士で、ちょっとでも違うところを見つけて、ひたすら突きあっている。要するに、皆のほうなんだよ、厳しい規則を望んでいたのは。
「ちょっと、ユウ?」
「え?」
「何回読んでも返事しないし、どうしたの?」
「あ、そうだった?」
「そうよ!・・・あの、ユウ。このブラジャー、もう小さくない?買いなおさないと。」
「いらない!」
嫌だ、そんなの!ユウ、怒り心頭で、
「私、何でそんな所ばっかり大きくなるの!」
「ユウ!何言ってるの!この間の健康診断、身長も伸びてたんでしょ!」
 走り出すユウ・・・わかってない!お母さんわかってない!私がどれだけ傷ついてるか!バスタオルをもぎ取り、そのまま脱衣所へ。目を閉じて浴室に飛び込み、シャワーを頭から浴びる・・・どうして?どうして嫌なところばっかり大きくなるの?他の子はもっと理想の体になってるんだよ!・・・二月に私、十四歳になったのに。
 
コメント (3)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その8

2015-09-10 20:41:41 | 時は管理教育「この時代を」
 そうだよ、内申書!三年生になってから、これが気にならない日はなく。マコトちゃんの家を訪ねているユウ。
「一応、服装検査とかはなくなってさ。でも、制服とか髪型とか、部活の強制は相変わらず。」
「そうなんだ・・・」
真剣に聞き入ってるマコト。
「そろそろ戻るべきなのかな・・・」
「え?」
「フリースクールを辞めて、第一中学に、よ。来年の春、高校入試よ?やっぱり、本来の中学に通っておかないと、内申書が。」
「なるほど・・・そうだよね。私もいろいろ心配してるから。」
天井を仰ぐユウ。そうだよ、内申書。何で減点されるかわからない。
 肝心の、学校のほうは。
「何してるの!内申書に書きます!」
おい、減点だぜ。かわいそうに・・・一日中、どこかで、こんなどよめきが起きている。遅刻したら減点、宿題忘れたら減点、部活を休んだら減点、制服のボタンが外れてたら減点。

何か、もう!

放課後、キョウコちゃんのお迎えに来る、キョウコちゃんのお母さんの車を一緒に待つ。ユウ、かなり腹を立てながら、
「殴らなくなっただけで、内申書に書くって脅すようになっただけだよね!」
キョウコ、慰めるように、
「先生としたら、何だかの方法で管理しなくちゃいけないってことじゃない?それこそ、何もかも自由になったら、皆、荒れ狂うよ。」
「キョウコちゃんは、今のほうがましだって思う?」
「まあ、そうかな・・・」
 おかえり!キョウコちゃんのお母さんが、車でやってきた。一緒に乗せてもらう。ブロロロロ・・・キョウコちゃんがお母さんと会話を弾ませている横で、ユウはずっとうなだれていた。内申書、私、どう書かれるのかな?ジャージ登校なんて絶対いい風に書かれないよね?
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新しい秩序 その7

2015-09-02 19:13:48 | 時は管理教育「この時代を」
 何も変わってない!教室で休憩時間。
「去年のまま!生徒手帳の内容!」
怒り心頭のユウに、キョウコが、
「ユウちゃん、書いてあることがすべてじゃないからさ。」
「確かに、そうだけどさ・・・」
学校、変わったかな?服装頭髪検査は少なくとも、なくなってる。そうそう、生徒手帳の中身だけどね、厳密にいうと、下着の項目だけは変わってる。
『パンツの色は自由とする。』
たったこれだけなんて。
 教室を見渡すと、皆、すっかり変わったなって思う。男の子と女の子・・・
「来週の金曜日、健康診断があります。」
嫌だな・・・憂鬱な気持ちが膨らんでいくユウ。先生の話を聞きながら、自分の胸のふくらみに物凄い吐き気がして。私、やっぱり違う。この体は違う。
あの子もこの子も、もっと背が伸びていたり。
 ユウ、帰宅。ジャージから着替えているところにお母さんが、
「お帰り。ユウ。どうだった?新しいクラス。それより、その格好で行って大丈夫だったの?」
「え?・・・別に。大丈夫だったよ。」
去年までこれのせいで、散々殴られてきたから。
「担任の先生も変わったでしょ?何も言われなかったの?」
「言われなかったよ。学校、ちょっと様子が変わった。」
服装や頭髪の規定は残ったけど、その検査はなくなった。だけどお母さん、不満ではないみたいで、
「そうなのね・・・でも、ユウ。本当にジャージでいいの?もう三年生よ?内申書に影響あるんじゃないの?」
「そんなことないって!」
その確信はないんだけど。




 
 
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その6

2015-08-23 20:36:31 | 時は管理教育「この時代を」
 桜は満開に・・・道には新入生の姿。平成三年度が始まった。朝の支度中の、ユウの自宅。朝食を食べているユウの父親が。
「ユウ!またジャージで行くつもりか?」
「行くつもりって・・・私は今まで通りの格好してるだけだよ?」
横で聞いていた母親、
「そうかもしれないけど、ユウ。もう三年生よ?少々嫌でも、制服にしたらどうなの?今年は受験があるのよ。」
「わかってる!」
荷物を持ち、飛び出していくユウ。お父さんもお母さんも!あんな校則間違いだったって、わかってるはずなのに!・・・この間、家のポストに学校のお知らせが入っていた。
『制服は今まで通り着てくること。』
校則について詳細は、新学期が始まってからって。
 学校に着くと、部活の風景は相変わらず。髪形も・・・
「おはよう。遅刻するなよ。」
一応、先生は立ってはいるけど、ここで検査はなしか。三年二組の教室。私たち仲良し三人組は、今年も同じクラスで。
「おはよう!キョウコちゃん!」
最終学年だから仕方ないんだけど、今年は教室が三階。キョウコちゃん、きついだろうな。マコトちゃんは今年もフリースクールに行くんだって。
「ユウちゃん、やっぱりジャージにしたの?」
「まあね。あ、ベルが鳴った!・・・じゃ、あとで。」
今年の担任は家庭科の女の先生、
「始めまして。オオカワです。この一年間で中学校も最後、受験があって大変ですが、修学旅行とか楽しい行事もたくさんあります。皆、仲良くいきましょう。」
 この先生、まあ優しそうか?去年のより何倍もいいよ。鬼みたいだったよな?うんうん、クビになってよかったよ。
「こら!静かにする!」
わ、怒ると怖いよ、この人も!教科書をもらって、生徒手帳も配られる。
「では、校則について確認します。」
一緒に生徒手帳を開くんだけど・・・なにこれ?
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加