「百家争迷」

歴史に照らし現代を見る。

英国総選挙で大敗 メイ首相の誤算は「死に馬」の一蹴り※政界は一寸先は闇。

2017-06-19 08:52:46 | 歴史は語る
英国総選挙で大敗 メイ首相の誤算は「死に馬」の一蹴り
沈痛な面持ちのメイ首相 ©共同通信社
8日に投票が行われた英国総選挙は、当初予想の与党・保守党の地滑り的勝利どころか、過半数割れに終わった。
早期解散のギャンブルが裏目に出たテリーザ・メイ首相は「確実さをもたらす政府を樹立する」と北アイルランドの地域政党と協力して少数政権を発足させるが、EU離脱交渉の迷走は避けられない。
メイの誤算は最大野党・労働党の「死に馬」党首ジェレミー・コービンが、富裕層批判で、米大統領選における民主党のバーニー・サンダース張りの活躍を見せたこと。
若者の間に熱狂的なコービン人気が沸き起こり、EU離脱を党是とする英国独立党(UKIP)に流れていた失業者、単純労働者の票が労働党に戻ってきたのだ。与野党の議席差は100を超えるという楽観的な見通しは、「死に馬」の一蹴りで吹き飛んだ。
昨年のEU離脱をめぐる国民投票をきっかけに二極化している英国の現状が、改めてあぶり出された。すなわち〈EU残留派、若者、外向きのコスモポリタン〉対〈離脱派、高齢者、内向きのナショナリスト〉。保守党と労働党の合計得票率が80%を超えたのは1979年以来。折り合う余地のない対立が二大政党への回帰をもたらした。
英国では投票前にメディアが支持政党を表明するのが慣例だが、今回はエコノミスト誌が、EU残留を選択肢とする国民投票の再実施を主張する自由民主党を支持したのが目を引いた程度。EU離脱に向け英国は、シロかクロか、だけでグレー(現実路線)がない、思考停止に陥っている。
それにしてもメイの選挙戦略はひどすぎた。「離脱交渉を任せられるのは誰?」とコービンの個人攻撃に終始した。閣僚にも相談せず、側近と書き上げたマニフェスト(政権公約)をまともに選挙区で説明できる候補者は1人もいなかった。
「メイは相手にせず」と憎悪を燃やすEUは、英国は2年という交渉期間を空費したとほくそ笑む。ドイツやフランスにもメイを助ける考えは一切ない。英国のEU離脱は、保守党強硬派が主導してきたハード・ブレグジット(単一市場や関税同盟からも離脱)ではなく、単一市場へのアクセスをできる限り残すソフト・ブレグジットへと転換せざるを得ない。
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