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“勘違いのプロ意識”(ダイヤモンド)

2010年08月02日 01時51分10秒 | 感想&独り言!!
“勘違いのプロ意識”で取引先との信頼関係は崩壊
「魔性の美人編集者」が次にやって来る職場は?
――仕事と男女のトラブルで転職を繰り返す小林氏のケース
http://diamond.jp/articles/-/8930
職務遂行能力を高めて実績を上げることが、「プロフェッショナル」だという。しかし、会社員である以上、それ以前にもっと大切なことはないだろうか。

 会社員の場合、上司や同僚、取引先とトラブルを起こせば、質の高い仕事をしていくことは不可能になる。会社員は、決して経営者や個人事業主ではない。その分別をわきまえずに、巷に広がる「プロフェッショナル論」を真に受けて自分本位に振る舞うと、大火傷をする。

 連載25回目は、上司や取引先と摩擦を起こすものの、反省することなく転職を繰り返す美人編集者を紹介する。会社員が最も大切にしなければいけない上司や取引先とのインフラ(良好な関係)をないがしろにして暴走した結果は、みじめなものだ。

 あなたの職場にも、このような社員がいないだろうか?
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■今回の主人公――はい上がれない「負け組社員」

 小林さおり(仮名・30歳)

 都内にある出版社の関連会社に勤務する書籍編集者。様々な職場で周囲とトラブルを起こし、1年ほど前に中途採用試験を経て、現在の出版社に入社。だが、ここでも仕事を巡って取引先とトラブルになる。
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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)

「サギ!」と罵声が飛ぶ話し合いの場で
我が身を守り抜こうと必死の美人編集者

 ここは、ベストセラーの本を連発することで知られるA出版社の関連会社。1階ロビーの右側にある小さな部屋で、3人の男女が話し合いをしている。どうやら、お金のトラブルのようだ。

編集長であり執行役員の富岡(48歳)と編集者の小林さおり、そして、フリーライターの石本(41歳)が向かい合う。小林が四角いテーブルを隔てて、斜め前に座る石本に詰め寄る。

「だから、ちゃんと原稿料は支払うと言ったじゃないですか? あれほど説明したのに……。プロとしての交渉をしていただかないと……」

 こう言うと、腕を組んで困り果てているようなジェスチャーをする。そして、すぐ右に座る上司の富岡の顔を見入る。今度は、助けを求めるような弱々しい表情を見せる。

 小林は目が大きく、顔の彫りも深い。色白で容姿は整っている。容姿に魅かれて彼女に好意を持つ男性社員は、少なくない。小林は、1年ほど前に中途採用で入社した。前職は、ベストセラーのビジネス書を立て続けに出すことで知られる中堅出版社にいた。そこでは、妻子がある男性の上司と噂があった。いわゆる不倫である。

 結局、「出版界でも指折りのワンマン」と言われる社長に会社を追い出された。そんないわくつきの美人の部下にそそのかされたのか、編集長の富岡は強い口調で言い始めた。

「こちらが不当におカネを支払わないような物言いをされたら、困るんだよ!」

 石本は驚いた。

「約束の日から3ヵ月経っても原稿料を支払わないのは、小林さんです。困っているのはこちらですよ!」

 それから、3人は言いたい放題の口論になる。小林は自らの正当性を主張し続けた。ときには一人芝居までする。

「あのとき、納得してくださったんじゃないですか? 私、信じられません!」

ろくなキャリアも実績もないのに、わずか7年間に4つの出版社を渡り歩いてきた”猛者”だけのことはある。自分の立場を守ろうとする意欲は、圧倒的に強い。この女性はいずれの職場でも、上司や同僚、取引先であるライターやデザイナー、印刷会社の営業マンといった周囲の関係者たちと摩擦を起こしてきた。

いつまでも原稿料を支払えないのは、
会社に無断で仕事を依頼したから!?

 今回のトラブルの発端は、昨年の暮れに遡る。石本は小林から1冊の本を書く仕事を依頼された。そのとき、小林はこう話した。

「3月末までに200ページほどの原稿を書いて欲しい。5月末に原稿料を70万円支払う」

 石本はそれを信じ、引き受けた。そして約束どおり、締め切りを守って原稿を渡した。

 ところが、約束した期日までに原稿料が振り込まれない。支払い予定日から数日後に、小林に電話を入れた。すると、「経理部には支払うように伝えておいた」と答える。

 だが、2週間経っても振り込まれない。石本は何度か催促をした。小林からは、要領を得ない返事しか返って来ない。

 実は、小林は経理部にはもちろん直属上司にすら、石本に70万円を支払うことを伝えていなかった。つまり、無断でこの仕事を始めていたのだ。職務遂行能力が低く、大きな仕事を任せてもらえない“焦り”を感じていたためだろう。実際、石本が書き上げた原稿も、書籍化のスケジュールを詰めることができないために、放置していた。

 この会社の親会社は名門出版社であり、社内の管理はある程度行き届いている。しかし、小林が勤務する出版社はその子会社。創業5年ほどしか経っておらず、社内の体制は未熟である。編集長の富岡は金融機関から転職してきたため、本を作った経験がない。「素人集団」に近い編集部だったのだ。

そんな事情など知らない石本は、3週間目の電話で「今さら、そんないい加減なことでは困るんだ!」と興奮して怒鳴った。

 それを聞くと小林は電話を切ってしまい、後でメールを送りつけてきた。

「なぜ、冷静な話し合いをしていただけないのでしょうか? こういうのは大人気ないと思います。これでは、プロフェッショナルとは言えません」

 あくまで被害者であることを演じ続けたのだ。その後、1ヵ月半経っても、原稿料は支払われなかった。数十回は催促をしたが、小林は一向に対応しない。これまで石本は、20冊ほどの本を書いてきた。物書きの中では相当な実績である。それだけに、キャリアが浅く実績も冴えない小林から不当な扱いを受けたことに、怒りを感じた。

たいした実績もないのに上層部まで批判
ライターも呆れた美人編集者の「素顔」

 原稿料の支払い予定日から3ヵ月が過ぎた日、石本は小林の上司である富岡に電話を入れた。本来、担当者を飛び越えて上司とかけ合うことは好ましくない。しかし、「こうするしかない」と考えた。

 富岡はこの時点で、小林から何の報告も受けていないようだった。「そうだったんですか……」と言質を取られないようにして、とりあえず電話を切ろうとする。

 石本は富岡を説得し、話し合う場を求めた。富岡はその求めに渋々応じた。石本の連絡を受けた富岡と小林は、おそらく事前に何か「入念なリハーサル」をしたのだろう。当日、約2時間に及ぶ話し合いでは、決して自分たちの非を認めようとしなかった。2人はこう繰り返した。

「こちらと石本さんの双方に誤解があったため、これを機に双方が歩み寄る必要がある。双方が冷静な話し合いをしないといけない」

富岡が盛んに口にしたのは、“双方”という言葉である。「喧嘩両成敗」を落としどころにしようと企んだのだろう。しかし、依頼を受けて原稿を書いただけの石本にとっては、意味不明な言い訳だった。とても自分に非があるとは思えず、小林にこそ、全面的に問題があると感じた。2人は最後まで謝罪の言葉を口にしなかった。特に小林の一人芝居は、異様にさえ映った。

「またお仕事をお願いしようと思っていたのに……。もう少し、プロ意識がある方だと……」

「石本さんが取材された方たちに私が謝らないといけない。こんなトラブルが石本さんから取材先に伝わったら、うちは大変!」

 石本は、自己保身のパフォーマンスを必死にする小林を、気の毒にさえ思えた。半年近く前、この仕事が始まった頃、新宿駅東口近くの喫茶店で小林と話し合ったことを思い起こした。そのとき、小林は富岡やその上にいる社長のことを批判していた。

「あの人たちは、もともとは高利貸し。うちは経営基盤が弱い。彼らはその建て直しのために金融機関から来た。本を作ることは全くの素人。私は迷惑している」

 実績のない30歳の編集者がここまで上層部を批判することに、石本は疑問を感じた。

「プロフェッショナル意識」を逃げ口上に、
能力の低さを棚に上げて言い訳ばかり……。

 石本は、テーブルを隔てて右斜め前に座る小林を冷めた目で見ていた。

「上司をあれほど罵っていたのに、今はまるで命乞いをするかのように助けを求めている。俺が追い詰めたから、必死なんだな……」

 小林は、以前喫茶店でこんなことを言っていた。

「これからは、プロフェッショナルの時代」「実力主義だから、上司なんて関係ない」

石本には、これらが企業の現場を知らないコンサルタントや評論家の受け売りであることがすぐにわかった。追い詰められた今の小林には、上司を批判していたあの勇ましさは微塵もない。「上司に何とか自分の身を守ってもらいたい」という願いが全身から滲み、溢れ出ていた。

 石本は心の中で思った。

「しょせん、能力の低いやつが言うプロフェッショナルなんて、このレベルか……」

結局、富岡の判断で2ヵ月後に原稿料が振り込まれることになった。約束した日よりも、5ヵ月も後である。 

 つい先日、石本はある噂をこの出版社に出入りするデザイナーから聞いた。小林が退職したのだという。本人は周囲にこう言っていたようだ。

「上司らと価値観が合わない。プロとして仕事ができない」

 石本はその話を聞いて、笑い転げた。だが、小林は“面接の達人”である。面接試験のときは自分の過去を隠し、他人が担当した本までも自分の実績にして自らをアピールするしたたかさを持つ。経歴詐称に近いことも平気でするほど、タフネスだ。何より、容姿が整っていることは大きな武器だった。

 小林は、今度はB社に移った。しかし、転職1ヵ月目にして化けの皮が剥がれたようだ。一部の社員から、過去の不倫ネタや前職でのおカネのトラブルなどを社内で暴露され始めている。それでも本人は「常に自分が正しく、常に悪いのは上司や周囲である」という論理で滅茶苦茶な仕事をしている。

 まさに、誰も寄せ付けない“プロフェッショナル”なのである。

「プロフェッショナル意識」で転職を重ねるものの、
一向にキャリアアップできない小林氏から学ぶ教訓

 小林は、我の強い編集者である。「個性」と言えばその通りなのだが、ここまでトラブルが続くと、職場での立ち振る舞いや仕事の進め方などを軌道修正することも必要ではないか?

様々な職場で問題を起こしたとしても、それにけじめをつけて自分の職務遂行力が上がっていくなら、決して「負け組社員」とは言わないと筆者は思う。だが、この女性は問題が極端に多い。小林が抱える問題について、考えてみた。

1)「プロフェッショナル意識」の意味を履き違えている

 上司や同僚、取引先とぶつかろうとも、「自らの職務遂行能力を上げていき、それを武器に会社を渡り歩く」という生き方は、確かにある。小林は、どうやらそれを“プロフェッショナル”と思い込んでいるようだ。

 一見すると、小林は会社を転々として一応はキャリアを積んでいる。しかし、同世代と比べるとその職務遂行能力は相当に低い。だから、職場を変わっても大きな仕事を任せてもらえない。今後、管理職になれる可能性はかなり低いはずだ。

 そろそろ“プロフェッショナル意識”という信条について、考え直す時期ではないか。

 2)責任転嫁ばかりして、自分の過ちに気づかない

 小林は、現在の職場の上司や経営者、そして取引先であるライターなどに対しても攻撃を仕掛けていく。エネルギッシュではあるが、ときには自分を省みることも必要ではないだろうか。キャリアは浅く、実績もない。職務遂行能力も低い。少なくとも「三重苦」である。

 自分のことを棚上げして相手を責めても、小林の場合は状況が変わらない。30歳という年齢ならば、そろそろ大人になって冷静に自分を見つめる力を持たないと、前には進めないだろう。

 特に、「自分がなぜ職場で良好な関係(インフラ)を作れないのか」については、じっくり考えたほうがいい。その部分の思考や反省が浅いと、仮に今後キャリアを積んで実績を残したとしても、どこかのタイミングで追い出しを受けたり、排除されたりしかねない。強力なインフラを作らないと、会社員は成功しない。

3)身を守るための「味方作り」が、全くできていない

 小林は美人だ。だが、支援をする人が現れない。その理由をよく考えたほうがいい。自分の言動が周囲の人を怒らせたり、遠ざけたりしていないだろうか。

 職場では、味方や支援者がいないと、仕事や社内の情報が入って来ない。そこにつけこむ人がいないとも限らない。現在の職場で「過去の悪い噂」を吹聴されたりするのは、独りで行動し、今の会社に馴染もうとしないからではないか。

 会社で働く以上、周囲に隙を見せないように、もっと注意をしないといけない。そのためには、1人でも多くの味方を作るべきなのだ。仲良くならなくていい。「隙を与えないために群れる」のだ。

■取材を終えて

 正確に言えば、筆者がこの女性と会ったのは約2年半前。会話をするのに苦労をする人だった。一方的に話をして、こちらの質問はあまり聞かない。「これでは上司の反感を買うだろうな」と、そのとき感じた。

 この女性は転職は上手い。たしかに第一印象はよい。初対面ではなかなかの魅力を感じる。しかし、15分ほど話すと筆者は滅入った。彼女と一緒に仕事をするのは、かなり疲れるだろう。

 考えるべきは、「なぜこの女性が“プロフェッショナル”という言葉にこれほどまでに影響されているのか」ということ。その理由を探ると、現在の労働市場や雇用問題を語る有識者・メディアの問題点が見えて来る気がした。



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