あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

神の国の旅 1

2015-11-04 | 
日本を旅してから数ヶ月経つが、その感動は衰えることなく僕の心に刻まれている。
今回は神のことについて少し書いてみようと思う。
旅は東京から始まったのだが、最初にお参りしたのが芝大神宮。
この存在を僕は全く知らなかったのだが、知り合いのお勧めで連れて行ってもらった。
浜松町の駅から少し歩き、旧東海道の通りから神社の方向へ曲がるとすでにそこには何かしらの気があった。
鳥居の外からでも感じる気。
具体的にどうなるかと言うと、手や指先がピリピリと痺れるのだ。
これは決して嫌な感覚ではなく、山歩きや森林浴をしていてもエネルギーの高い所だとよく起こる。
最近では僕はこの気を感じることを楽しんでもいる。
大都会の中でそこだけは凛と静まった空間があった。
そこの神社には気位の高い神様がいると言う。
なるほどね、僕が鳥居の外からでも感じた気はその神様のものだったのだな。
すぐ近くにはオフィス街があり高層ビルが並ぶのだが、近代的な空間とバランスを保つようにその神社は存在する。
ああ、この国はこうやって護られているんだろうなあ、となんとなく思った。
そうやって僕の旅が始まった。

9年ぶりの日本に全てが珍しく懐かしく、そして今まで見えなかった所も見えた。
友達のにしやんに会うために東京の中心で指定された駅を降りた。
溜池山王という聞いたことも無い駅で降りてウロウロしているとなにやら偉そうな建物があり警備の人がいて、偉そうな車が出入りしていた。
何だろうなここは、と軽く考えてその後西やんと会ったのだが、そこがどうやら首相官邸だったようだ。
西やン曰く「何かドス黒い気がただよう」首相官邸のそばに日枝神社があり、そこはこれまたドス黒い中でも異空間のごとく違う気があった。
なるほど、都会のパワースポットとはこういうようなもので、周りと上手くバランスを取っているのだな。
僕がここに行った数日後に、首相官邸でドローンが見つかり大騒ぎになっていたがきっとその時はあの辺りも報道陣やヤジ馬や警備の人で大変な事になっていただろう。
そして日枝神社の神様も呆れながら人間の様子を見物していただろうな。



もうかれこれ十数年前の話だが、当時つるんでいた相方JCと一緒に戸隠へ行った。
何故そういう流れになったのか全く覚えていないが、なにか不思議な場所という想い出がある。
その時には奥社の奥、登山道入り口まで行き、修行僧が登った山道を眺め、いつかまたここに戻って来るだろうなという想いを持ちつつ引き返してきた。
ニュージーランドに住むようになっても、何故か心が惹かれる場所が戸隠だった。
新潟へ行き友達に話をすると、奥社までの参道は最近のパワースポットブームの影響ですごいことになっていると。
観光シーズンにもなれば原宿の竹下通りのごとく、人で埋め尽くされるそうな。
友人曰く、確かに戸隠のパワーはすごいのだがそのパワーが薄まってしまっている、それぐらいの人らしい。
今回はゴールデンウィークも始まる前だったので人も少なく、パワーも薄れることなく戸隠を歩いた。
例によって行き当たりばったり、流れに身を任せる旅である。
戸隠山に登るか、と考えたのだが雪も残っていて登るには準備不足。
代わりにといってはなんだが、本来の参拝順路でもある5つある神社を巡ってきた。
友人に案内されて神社を巡ったのだが、ここでも行くとこ行くとこですさまじいばかりの気があり手はしびれっぱなしだ。
ああ、今回はきっちりと全ての神社を参拝することが目的だったんだな、と後になってから気がついた。
同時に次回はこの山に登りに来るだろう、とも感じた。
それがいつになるか分からないが、そのタイミングはいつか自然にやってくるだろう。



トークライブの旅をしながらも行く先々で鎮守の杜、名も無い神社、小さな祠などもお参りした。
神様が降りてくるのがお祭りなのだが、日野祭りに遭遇したのは忘れられない思い出だ。
その後、松本で講演をした後、ちょっとだけ時間ができたので松本城へ行った。
ゴールデンウィーク明けで平日の朝ということで人も少い。
ちょうど開館の時間だったので、しばらく待って一番乗りに入った。
聞くとゴールデンウィークの時には入場に2時間待ちだったとか。
うーむ、自分だったら2時間も並ばないだろうな。
開場一番、僕はお城に入った。
係の人と挨拶を交わす。
「おはようございます。今日は人も少ないですから、ゆっくり見られますよ」
係の人もゴールデンウィークの混雑から開放されたのか、のんびりモードである。
天守閣に登り、1人。
誰も居ない天守閣で殿様気分で景色を楽しんだ。
町並みが一望でき、朝のラッシュ時の喧騒が聞こえてくるが、この空間は異次元の如く静かなたたずまいだ。
ふと気がつくと、ここでも手がピリピリ痺れる。神社で感じるアレだ。
天守閣と言っても景色はいいが今は何も置いていない小部屋だ。
何だろうな、と思ってふと上を見上げれば、あったあった立派な神棚が梁の上に居座っていた。
ああ、これなんだな。ここに神様がいるんだ。
僕はその場で手を合わせ拝んだ。
ここも人でごった返していればそんなものにも気付かなかっただろう。
朝の早い時間に1人でこの空間にいたからこそ気付いたものだ。
とことん、そういう流れなんだろうな、良い良い。
充分に1人の時間と空間を堪能した頃、他の観光客が上がって来る気配がして僕は天守閣を後にした。

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