あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

光陰矢のごとし

2016-12-10 | 高座
え、毎度のお運びで、あたくし清水亭聖笑と申します。
ああ、うれしいですね。
パソコンの向こう側、ネット回線を通じて「よっ、待ってました!」なんて声が聞こえてまいりました。
こんなろくにアップもしないようなブログにお付き合いしていただくなんて、つくづくファンの皆様は酔狂なもので、いえいえ、ありがたいものです。
実に久々の高座でありまして、最後に出てきたのはいつだったでしょうかね。
もう思い出せないぐらい昔のことでしょうか。
きっとどうでもいいんですね、そんなこと。
たま~に出てきて、毒にも薬にもならないどうでもいいことを喋って、「次の出番はいつかな」と思いつつ消えてゆく。
あたしなんてそんな存在なんです。
でもね、そんなどうでもいいようなことが大切だったりもするわけなんです。
世の中四角ばっかりじゃつまらない。
三角もあれば丸もある。
楕円もあれば星型もあり、いろいろな形と大きさがある。
その隙間を埋めるのがあたしの役目。
今回もちょいとばかしお付き合い願います。

それにしても時が経つのは速いものですな。
ついこの前、年が明けたと思ったらいつのまにやら年の瀬。
あっというまに1年が経ってしまいました。
光陰矢のごとし、などという言葉もあります。
ええ、みんな急いで帰るんですよ。
仕事を終えた工場勤めの人が、びゅーっと。
え、ちがいますか?ちがいますね。それは工員。
月日が経つのが速いことです。
忙しいとなおさらのこと。
「今年は忙しくなるぞ」と親方には言われておりましたが、始まってみるとこれが目の回るような忙しさ。
毎日毎日あちらこちらを飛び回り、あっというまに11月が過ぎ、気がついてみれば12月の半ば、もう年の瀬です。
もっとも年の瀬と申しましてもこちらはニュージーランド。
日本のように師が走ることもなく、のんびりとクリスマスを迎えようという時期なのです。
けれどもあたしたちガイド連中は今が稼ぎ時。
今忙しくなかったら、いつ忙しいんだい、という具合ですから。
それにね、毎日お客さんを案内して大変なことは大変なんですが、この仕事は基本的に人を楽しませる仕事。
いいですね、こういう仕事は。
あなたハッピー、わたしハッピー、チップが弾めばもっとハッピー、そのチップで美味い物を買えば家族もハッピー。
みんながみんなハッピーになるのって、いいと思いませんか?
世の中には人の足を引っ張る仕事とか、人のアラを探すような仕事とか、人を陥れようという仕事もあるんです。
まあその道を選ぶのもその人の責任なので、あたしはそれ以上言いませんけどね。
その点あたし達のような噺家は、あ、いつのまにか噺家になっちゃいましたけど、ガイドも噺家も似たようなものなのでいいですよね。
あたし達は人を幸せにさせて、そのおかげでおまんまを食っている。
ありがたいことじゃあありませんか。
そもそもはたらくという言葉の語源は、はた=他人 らく=楽しむ だそうなんです。
すなわち、人を楽しませる、人を楽にさせるというのがもともとの意味。
それがいつのまにか、はたらく=金を稼ぐ というようになってしまった。
うーん、なんでこうなってしまったのか。
なのでね、みなさん、働いても金が稼げない噺家をもうちょっと見習いましょう。

以前知り合いになったホテルのマネージャーの方が言ってました。
「いいなあ、ガイドさんは。1日の終わりにお客さんが『ありがとう』って言ってくれる」
その方はマネージャーという役職なので、何か事あると謝ってばかりなんだそうですね。
ああ、確かにそう言われてみればそうだなあ。
お客さんがありがとうって言ってくれる仕事っていいなあ。
考えてみてください、駐車違反やスピード違反で罰金取られた時に「ありがとう」って言えますか?
泥棒に入られた時や詐欺にあった時にありがとう、って言えないですよね。
もっとも詐欺の場合は最後まで本人が気がつかなければ、それはそれで本人が幸せでいいのかもしれません。
お客さんがありがとうと言う、これは世の中においても大切なことだと思うのです。
ですからあたしはバスに乗った時にもドライバーにありがとうと言いますし、買い物をした時や食事をした時にも言うように心がけています。
あ、でもそれは、自分が納得のいくサービスを受けた時ですよ。
レストラン行って、不味い物食ってひどいサービスを受けて、ありがとうと言うほどあたしゃ人間できていません。
それにはサービスを提供する方も、きっちりとした仕事をしなくてはなりません。
噺家は稽古をしなくてはならないし、ガイドだって勉強しなくてはならないのです。
お客の方も、こっちは金を払ってるんだという態度ではいけません。
ええ、これでは上手くいく事もまとまらなくなっちまう。それは傲慢というものです。
かと言って「お金を払わせていただきます」というのも卑屈になってこれはいけないですな。
卑屈にならず、かといって傲慢にもならず。
ほどほどのところで軽い気持ちで「おっ、ありがとうさん」という具合に、これが粋ってもんじゃあないでしょうか。
お互いにありがとうと言い合う関係は社会の理想なのだと、あたしは思うんです。

さていつものように毒にも薬にもならないようなことをダラダラ書き連ねましたが、そろそろお時間。
ええ、あたしも今日からまたツアーの日々でございます。
こうやって仕事がたくさんあることもありがたいことでして。
旅行関係の仕事なんて地震があったり、政情が不安定だったりするとすぐになくなりますから。
ツアーというものは、行く先と出発する元、この二つが安定していて成り立つものなのです。
なのでね、お金を払ってくれるお客様にもありがたや。
支えてくれる家族にもありがたや。
段取りしてくれる会社にもありがたや。
自分自身にありがたや。
最後にすべてを乗せた地球にありがたや、ありがたや。

では最後に、
ガイド稼業と掛けて、海に漕ぎ出す小船ととく、その心は

波に揺られることでしょう。

ありがとうございやした。
どどん どんどん。


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