ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

太りたくなければ、フランス式食事。

2010-09-24 19:52:49 | 社会
痩せたい、もっと痩せた~い! と願う女性は多いですが、実際に肥満人口が多いのは欧米。特にアメリカ。「肥満人口が3分の1以上を占める米国で、肥満は健康に悪いだけでなく、家計にも重くのしかかるという調査結果が発表された。」(9月22日:CNN)という記事も出ていました。

フランスでも肥満はメディアなどでしばしば取り上げられていますが、肥満の問題はまだアメリカほど深刻ではないようです。Crédoc(le centre de recherches pour l’étude et l’observation des conditions de vie:生活環境調査観察研究所)が20日に発表した研究成果によると、肥満人口の総人口に占める割合は、アメリカで26.9%。それに対し、フランスでは14.5%。フランスの方がはるかに肥満率が小さいことが分かりますね。

Crédocはフランスの肥満がアメリカほどに深刻ではない理由として、フランス式の食事を挙げています。フランス料理の大好きな方には残念ですが、あくまで食事スタイルで、料理のメニューやレシピではありません、念のため。肥満にならないその食事スタイルとは・・・20日のル・モンド(電子版)が次のように伝えています。

1日3食を、毎日ほぼ決まった時間に、しかも家族や友人・知人と時間をかけて楽しみながら摂ること。このフランスの伝統的な食事スタイルが肥満を防ぐために大きな役割を果たしている!

フランス人はエネルギー摂取の90.2%を3度の食事で賄い、3度の食事以外、つまり間食で摂取しているエネルギーはわずか9.8%。それがアメリカ人の場合は、間食の割合が21.6%に上るそうです。炭酸飲料か、ビールの入った大きな紙コップを片手に、スナック類を頬張り続ける肥満したアメリカ人・・・さまざまな映像でよく見かけますね。

社会の変化、ライフ・スタイルの変化が激しくなっても、フランス人は規則正しい食事を守っているそうです。毎日きちんと昼食を摂る人の割合は、1999年に84.7%、2003年で91.2%、2007年に87.1%とあまり変化をしていません。同じように、夕食を毎日摂る人の割合も、90%前後で大きな変動を見せてはいません。しかし、朝食はどうなのでしょうか。この記事が紹介しないのか、Crédocが出さないのかは分かりませんが、毎日朝食を摂るかどうかに関しては、さすがのフランスでも、変化があるような気がしますが・・・

ただし、若い人ほど冷凍食品など調理済みの料理で済ませることが多く、年配の人ほど材料を買ってきて手作りの料理を楽しんでいる割合が高いという世代によるスタイルの変化は見て取れるそうです。

また、Crédoc曰くは、食事を摂るということは、フランスではたんに栄養を摂る、空腹を満たすという以上の意味を持っている。社会が変化し、仕事の必要上、食事のテーブルに就く時間は短くなってきてはいるが、それでも食事の時間にはそれ自体に今でも価値があり、社会生活に欠かせないものになっている。一方のアメリカでは、他の事をやりながら、あるいは短い時間で、しかも何度かに分けて何かを食べるという傾向にある。これでは太るのも無理はない!

そして、フランス式食事で大切なもう一つの要素、それが複数の人たちと一緒に食事を摂るということだそうです。日本では「個食」がかなり以前から問題になってきましたが、フランスでは、食事は家族や友人などとおしゃべりを楽しみながらするもので、社会生活の一部になっています。従って、みんなの食事の時間が大体同じになり、毎日ほぼ決まった時間に食事を摂ることにもつながっている。おしゃべりをしながらですから、最低でも1時間。夕食はいいですが、昼食でも1時間以上。確かに、パリの舗道にせり出したカフェのテーブルで、いつ終わるともしれぬ様子で、食事を楽しんでいるサラリーマンやOLを見かけますものね。一方、我ら日本のサラリーマンの昼食時間、何分で終わってしまうのでしょうか・・・

ほぼ決まった時間におしゃべりを楽しみながらきちんと食事をする。こうしたフランス人の傾向はヨーロッパの中でも顕著だそうです。別の調査をル・モンドが紹介しているのですが、そのデータによると、12時30分に昼食を摂っているフランス人の割合は57%、他方ベルギーでは38%、ドイツでは20%、イギリスに至っては14%だそうです・・・ただし、国によっては昼食時間が12:30から、あるいは13:00からのところがありますから、このデータだけではフランス人が他のヨーロッパ人よりしっかり昼食を摂っていると言いきるにはちょっと無理がありますね、残念。

ということで、毎日規則正しく、家族や友人と楽しくゆっくりと食事をする。そのことで肥満がある程度防げそうだ、ということのようですね。確かにそうかもしれませんが、しかし、言うまでもなくそれだけで肥満が防げるとは限りませんね。なにしろ、フランスの食事スタイルとは全くかけ離れていながらも、長寿を誇っている国がある・・・

長寿国・日本ということで、高齢者の割合の高い沖縄を中心に、食事やライフ・スタイルがフランスでも時々紹介されますが、一度、日本のサラリーマンの食事を紹介してもらうといいのではないかと思ってしまいます。最近では、お弁当とか内食が増えてきてはいますが、それでも、朝食抜き、昼は定食を15分、夜は同僚と上司の悪口を肴に居酒屋で一杯、というのが伝統的スタイル・・・これでも長寿大国です。

それぞれの国民性に合った食事のスタイルで、健康と長寿を実現していけばいいのではないか、ということなのでしょうね。フランス人はフランス式で、日本人は日本式で・・・もちろん、他国の参考にすべきところは取り入れながら、ということですね。ただし、アメリカ式にいいところがあるのかどうかは、肥満度を見せつけらた後では「?」ですが。
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1 コメント

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なるほど (兵庫県住民)
2013-07-22 22:12:36
この記事を読んで、とても勉強になりました
確かに、日本人は不規則な生活を、していると思います
それに対してフランス人は、規則正しい生活をしていると思いました

自分もこれから、規則正しい生活を、心がけていきます

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