晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 「ヒトラーの娘たち」-(3) 2/5

2017-02-05 | 雨読

2017.2.5(日)雨

 1月末、トランプ大統領の入国制限規制に抗議するニュース写真に「REMEMBER ANNE FRANK 1929-1945」と大書きし、アンネの写真を掲げているのがトップに載せられていた。大統領令とアンネは直接の脈絡はないと思うのだが、トランプ大統領にナチスの影を見ているカメラマンの手になる写真なのだろう。事ほど左様に翌日の新聞に「米大統領令に黒幕 影響力増すバノン氏」「反移民の新興右翼に勢い」(ドイツ)の記事が掲載されていた。前者は白人至上主義、差別的論調の「オルト・ライト」に関連する人物、ニュースでナチス式の敬礼をしていたのはこの団体ではなかったか。後者はドイツのための選択肢(AfD)で実に第3党に躍進している。代表は女性のペトリ代表ということだが、「ヒトラーの娘たち」に登場するエルナ・キュルプス・ペトリとは無関係であって欲しい。
  トランプ大統領に関する記事には事欠かない。
 さて、話を相模原殺傷事件に戻して、検証相模原殺傷事件という京都新聞の記事(2017.1.26)に東大准教授の熊谷晋一郎さんが書いておられることがある。
 動機とされる「障害者を排除する」という優生思想は、有用性を規準とする能力主義と分かち難く結び付いている、というものだ。中間層といわれる多くの人々が、企業の中では「役に立たない奴、能力の無い奴」と差別を受け排除されているのだ。これは一つのヒントかもしれない。
 五木寛之氏の「嫌老社会」も老人は生産性が無いと云うことで排除されるかもしれないという主旨である。これらが実に戦前のドイツに似かよっているということだ。もちろん大なり小なり日本の戦争前夜だって似たような情況があったわけだ。
 相模原殺傷事件、その動機、その動機に共鳴する若者が増えることはこれも一種のポピュリズムなのかも知れない。つづく

 ※相模原殺傷事件に関するシンポジウムが3月18日(土)11:00~京都テルサ(南区)で行われる。
  東大准教授の熊谷晋一郎さんも来られるので是非参加いただきたい。参加費500円

【今日のじょん】なんとか無事に節分を迎えられた。豆の数も8個となった。6年前の節分の写真をみると、あまり顔変わっていない。よーするに老け顔やったわけネ。
 

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