髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「マハラジャ」 レビュー (ファミコン)

2018-02-09 21:00:27 | ファミコンレビュー
コマンド選択式アドベンチャーゲーム+RPG
開発と発売はサンソフト
1989年9月29日発売

あらすじ
主人公がインドへ旅行へやって来た。川を見ていると木箱が落ちているのを見つけ
近くで修行していた老人に聞くと
その箱は『マハラジャ』が探していたもので見つけた物には
褒美が与えられるという。主人公は『マハラジャ』の宮殿へと向かった。

宮殿に着くと主である『マハラジャ』が手厚くもてなしてくれ
部屋で休んでいると物音がしてそこを見ると1人のきれいな女性がいる。
その女性は『マハラジャ』の娘で箱を川に流したのは自分だという。


「ある日、『インドラジット』と名乗る予言者がやってきて
 父をそそのかし城に住み着き
 生贄を捧げ魔人『ラーヴァナ』を復活させようとしている。
 『ラーヴァナ』が蘇ったら大変なことになる。
 明日になればあなたも生贄にされてしまいます。
 これを持って行ってください。
 きっと役に立つでしょう」

そう言って彼女はかざりのついたナイフと綺麗な宝石をくれた。
主人公は生贄にされまいと外へ逃げ出そうとするが館の兵士に連れ戻されてしまい
館を捜索していると地下に祭壇がありそこで
『ラーヴァナ』の像に祈りを捧げている『インドラジット』がいる。
一度出て戻ると『インドラジット』の姿はなかった。
主人公は『ラーヴァナ』の像を取り、祭壇の扉を開けると明るい場所があり
そこには別の世界が広がっていて主人公は飛び込んだ。

主人公は『ラーヴァナ』復活を阻止する事が出来るのか?
そして元の世界に戻る事が出来るのか?



ゲーム中では
『マハラジャ』とは宮殿の主でありパッケージの女性ではない。

一応、調べてみると
実際は「大王」
または「皇帝に服属する単なる地方領主の称号」との事
1971年憲法改正で特権や金銭の支給制度が廃止となり
「マハラジャ」の称号を名乗る事も禁止になったのだそうだ。

特徴
アドベンチャーゲームであるがRPGのようなコマンド戦闘がある。
マップを1つ1つ切り替えで進んだり行動をとると敵とエンカウントする。
敵を倒すと経験値とお金が得られる。経験値は貯めるとレベルアップする。

ちなみに「HP」はヒットポイント、「MP」はマントラポイントと称する。

得点は30点

良い点
・動くキャラ

悪い点
・一行動、一キャンセルエンカウント
・一本道


良い点の解説
・動くキャラ

 キャラは小さいながらも動く。
 瞬きをしたりとか
 敵であれば立っている時もそうであるが、攻撃モーションもある。
 ただ、中盤以降敵は2~3回攻撃を繰り出してくるので
 攻撃モーションはテンポを阻害する…


悪い点の解説
・一行動、一キャンセルエンカウント

 アドベンチャーゲームでRPGの戦闘法を採用したのだから
 マップを1つ移動してとエンカウントってのは
 まぁ理解できる。

 だけどよ~。
 辺りを「見る」って一行動しただけでエンカウントするのはおろか
 見ようとしたのをキャンセルしただけでエンカウントするってどー言う事だよ。

 ゲームではこんな事が普通に起きる。

 髭人「新しいマップだから
  画面上に表示されないアイテムがあるかもしれない。
  探してみるか?」

  『見る』Aボタンで選択

 ↓

  『通路』『壁』という候補が出る。

 髭人「別に変わった場所もないか…
  ここは先を急ぐか…」

  Bボタンでキャンセル

 ↓

  敵とエンカウント

 髭人「おかしいだろッッ!!」


 ・一本道
 塔があるのだがほぼ一本道である。

 「先に進む」か「後ろに戻る」ばかりである。

 宝箱の部屋がある所だけ「入口に入る」という選択肢が追加される。
 それにアドベンチャーだぞ!
 色んな所を探し回るもんだろうに…
 それが宝箱の部屋しかねぇって寂しすぎんだろ!

 ただラストダンジョンはちゃんと3Dダンジョン風。





ええ~。
まず、このゲームをプレイして気になったのは



「パッケージの妖艶なお姉ちゃん誰なん?」
「この姉ちゃん、何時出て来るん?」

と、胸を高鳴らせるがなかなか出てこない。

「主人公なのかな?」

と、思ったけど違う様子。
ええ~。オープニングで出て来る主人公を
逃げるよう促してくれる「マハラジャ」の娘のようである。
ゲームでは不安そうな表情をしていたし普通にアニメ調のキャラだったので
パッケージの女性とは似ても似つかない。
まぁ…パッケージとゲーム中の姿が
別人レベルで異なるのはファミコンではよくある事か…
ただ、名前が最後まで明らかにされなかったのは非常に残念。

しかし、彼女がくれる飾り付きのナイフと宝石。
売ろうとするとナイフが「5G」宝石が「80G」

やっす!

ホントに王族なん?
まぁ、時代が違うから価値が違うって事にしておこう…





ゲームの舞台としては一つの町を拠点としてゲームを進めていくと
新たに行ける場所に増えるという事で結構小ぢんまりとしている印象。

戦闘面としては
常に1VS1で素早さ要素があるが攻撃はこちらが必ず先行となる。
素早さ要素は攻撃や魔法の命中や回避要素を絡むようで差がありすぎると
こちらの攻撃は当たらず、敵の攻撃は必ず命中してしまうので
このゲーム、レベル上げは必須である。


裏ワザというほどではないが
敵を一撃で倒せるようになってからAボタンを連打できるような形を取り放置する。
(連射機にAボタンをテープを貼って放置などで…)

Aボタンを押しまくる事でエンカウント



Aボタンで攻撃コマンドが押され、先行で敵を一撃で倒す



Aボタンを押しまくる事でエンカウント



エンドレス…


という流れでレベルが上げるなんて事が可能である。



さて、ゲームのストーリーとしてはやっぱりインドの神話をベースとしているので
なじみが薄く、とっつきにくい部分がある。
『シヴァ』『ラーヴァナ』『インドラジット』etcは神話に登場している。


『シヴァ』という人の顔をした神には
『ガネーシャ』という息子がいるが象の頭をしているとかね。
(「モードガ」が好きなのもその神話の話のようだ)

ちと調べたら、諸説があるようで『ガネーシャ』が何故、象の頭にしているのかという
最も有名な説は
浴室の見張りをしていた『ガネーシャ』が
父であり偉大な神である『シヴァ』の事を知らずに入室を拒んだところ
『シヴァ』自身も『ガネーシャ』が自分の子供であることを
この時点で知らなかったためにその子供の首を切り落とし遠くへ投げた。

後に『ガネーシャ』を自分の息子だと知った『シヴァ』が『ガネーシャ』の頭を探したが見つからず
旅の最初に出会った象の首を切り落として持ち帰り
『ガネーシャ』の頭として取りつけて復活させたという…


ふ~む…
異国の神話に
現代の日本人の感覚に合わせてあ~だこ~だ言うのは好ましくないわな…
日本の昔話だって全く異なるのだから…



ここからがネタバレ






















このゲーム、主人公の名前は8文字という結構長い名前を付ける事が可能である。
おかげで、このゲームを中古で買ったら明らかな本名っぽい名前が登録されていた。
ちと伏せるが

「みず〇-たかとし」

データを見てみると

Lv8
装備は軽くしてあって
所持品は『バナナ』1本

バナナ1本にちょっと笑ってしまった…
ただ、マントラが使えない状態であった。
マントラなしでLv8まで…

「ここまで頑張ったんだけど心折れたんだろうな…」

というのをしみじみと感じた。
「マントラ」という魔法コマンドはどのようにして使うのか

「みず〇-たかとし」くん

今はもう『くん』じゃなく『さん』が適切か…
そんな不幸な彼の二の舞にならないために教えておこう。


別世界に行ってからがこのゲームの本番。
それで別世界でまず行うべきは神である『シヴァ』に会う事である。
こいつに会う事で展開に合わせてゲームに必要なアイテムをもらえたり
レベルに応じたマントラを覚える事が出来るのだ。
だから『シヴァ』に会わないとただの脳筋主人公というだけではなく
攻略に必要なアイテムを得られないのでクリア不可である。

で、会うには
物を売る事が出来るオッサンがいる『町の入り口』から『シヴァ』の家に行く事が出来る。
が、門で『ガネーシャ』という二足歩行の象がいて

「とーちゃんには会わせない」

と、通せんぼしている。
特別な事が必要なのかという所だがそれほど大したことはない。
『雑貨屋』で売られている『モードガ』を買って渡すだけだ。

『モードガ』とは甘いお菓子だそうだ。
インドのお菓子で、米粉で作った生地に何らかの具を入れて
包むまんじゅうみたいなお菓子とのこと。(調べたよ)

1度渡してしまえば次行った時にも通せんぼしているが
すぐにどいてくれるので渡す必要はない。

会えばコマンド内に『マントラをならう』ってコマンドがあるので選べばOK
レベルに応じた『マントラ』を教えてくれるぞ!!

以上である。
「みず〇-たかとし」さん!
もしクリアできなかったゲームとして「マハラジャ」と検索しうちのサイトをご覧になったのなら
コメントください。ソフトをお渡ししますので
主人公に『マントラ』を習得させ、元の持ち主自らがクリアなさってください。

と、まず起こらないことを言ってみたけども(苦笑)


さて、このゲームのストーリーとしては…
主人公が別の世界に行くがそれは過去の世界であり
そこにいる『ラーヴァナ』を倒す事になるのだが…
最初の『シヴァ』の話を書いておこうか…

過去の世界では良き神々は
『アスラ』や『ラクシャーサ』と呼ばれる魔族と対立し戦いを続けていて
その中で『シヴァ』の宿敵『ラーヴァナ』が
強大で『シヴァ』ですら倒す術がなかったが
偉大なる仙人『リシ』の予言によると

「今から後カリ・ユガの時代
 ラーヴァナを倒す力を授かりしものが生まれる」

それが主人公である。

『ラーヴァナ』の生の『ターラカ』という『アスラ』が神々の武器を奪い
その『ターラカ』の3人の息子によりバラバラにされ彼らの住処に隠したという。
主人公はそのその神々の武器を取り戻すため『ターラカ』一族を倒す事から始まっていく…




しかし
『アスラ』や『ラクシャーサ』って何やねん…
教えろや…

修行により神ですら倒す事が出来ないという設定の『ラーヴァナ』であるが…
その修行の倒せないという条件の中に人間を入れ忘れた事により
人間である主人公なら『ラーヴァナ』を倒せるという話である。
なかなか面白い発想。




ゲーム終盤で『インドラジット』と戦う事になる。

『インドラジット』は『ラーヴァナ』の息子であり
現代の世界から過去の世界にやって来て主人公と戦う事になるのだが…
この野郎、即死マントラ使ってくるんだよね。「ドラクエ」で言う『ザキ』である。
このボケが――――!!
仲間いなくてタイマン勝負のゲームなのに即死攻撃は反則だろ。

ただ、レベルを上げて最強の武器で戦うと2~3発で倒せるんだけど…
運が悪いとどーにもならん。


『インドラジット』を倒し『ラーヴァナ』の元へ行くと
『ラーヴァナ』はこのように言ってくる。

ラーヴァナ「よくぞ、ここまで来れた物よ。
 人間にしておくには惜しい奴。生かしておいてやろう
 所詮人間なんぞにはこの私を倒す力などある訳がないのだからな。
 どうだ我々魔族の仲間にならぬか?
 私はお前を気に入ったぞ。お前には望むものすべてを与えよう。
 生贄のための小娘もお前にやろう。
 その代り、お前の魂を私に譲れ。そうすればお前は私の仲間だ。
 さぁ…〇〇よ。(主人公名)そこに跪いて私の仲間になると誓うのだ」

『はい』『いいえ』選択

・『いいえの』の場合

ラーヴァナ「小賢しい奴よ!この私が情けをかけてやったというのに歯向かうとは!
 あの世で後悔するが良い!」

と、戦闘に入る。



・『はい』の場合

ラーヴァナ「ふっふっふっ…人間とはなんと愚かなものよ。
 その欲望で全てを裏切り捨てるとはな…
 私の仲間にそのような愚か者はいらぬわ!このまま朽ち果ててしまえ!」

『出口のない部屋に置き去りにされてしまった〇〇は
 そのまま出られずミイラになってしまいました…』

というメッセージが出て…
ゲームオーバー…

にはならず、何事もなかったかのように城の外に戻される。
夢だったとか幻だったんだろうけども…そのような記述はない。


色んなものあげるから仲間になれ…か…
ドラゴンクエスト」を激しく思い出させたわな。
それにしても、『はい』選んでゲーム終了だと思ったんだけどなぁ…
しかし、仲間になれつっといて実際なるよ言ったら

「お前みたいな裏切り者のバカはいらん」

って酷すぎない?何を試してんの?
まぁ、確かに裏切り者を仲間にしたらいずれ自分も裏切られそうってのは分かるけどね。
さて…そして『ラーヴァナ』との激しい激闘の後、どうなるか教えよう。
エンカウント率が高く、普通に戦いながら進んで行ったらレベル29ぐらいになり
『ラーヴァナ』は防御力アップのマントラを使ったりするが
使わないと3~4発殴れば勝てる。


ラーヴァナ「ぐおおおお…何という事だ…この私が人間如きに敗れるとは…
 貴様のおかげで私はもう2度とこの世界に蘇る事は出来ぬ…
 抜かったわ。お前達人間の力という物を甘く見過ぎていたようだ。
 だが覚えておくが良い。
 私が死んでも魔族の中には私の遺志を継ぐ者がどこかにいるはずだ
 この戦いで魔族は人間の力を改めて知った…だからこそ今度は人間の醜い力を利用し
 魔族は今度こそ必ず人間を滅ぼす。最期の時が来た…」

すると主人公は最初の過去世界に飛ばされる前の祭壇で目が覚める。

『ここは確かマハラジャのお城の祭壇です。
 どうしてこんな所に倒れているのでしょうか
 ラーヴァナは?シヴァは?さらわれた王女は?
 まさか今までの事は夢の中の話だったなんてそんな事信じられません』

『慌てて寝室に戻るとさらわれたはずの王女が心配そうに立っています』

王女「ああ…〇〇様!よくぞご無事で…!
 もしあのまま過去の世界にいるのかと心配しました。
 あなたがラーヴァナを倒してくださったので
 私も生贄の人々もみんなこの世界に戻れたのです。
 そう。
 あなたが過去の世界でラーヴァナを倒したのだから
 今の世界ではラーヴァナは存在しないはずですよね。
 あなたにはご迷惑をおかけしました。本当にありがとうございました。
 出来ればあなたのような方がこの国を守るマハラジャになるべきなのでしょうね…」

『その時突然どこか懐かしい声が聞こえてきました』

シヴァ「〇〇よ。苦しい戦いを耐え抜きよくぞラーヴァナを倒してくれた」
ガネーシャ「ヤッホー!僕もいるよぅ!」
シヴァ「悪の化身は消え去りこの世は再び光に満ちた!!
 だが〇〇よ。忘れてはならぬぞ。
 ラーヴァナの最期の言葉を。
 この世に弱く醜い心がある限り、邪悪な力が滅びる事はない。
 だからそれはお前達人間に与えられた試練でもあるのだ。〇〇よ。
 これからもお前は試練に立ち向かっていかなければならない」

〇〇「でもそんな大きな試練に僕一人で立ち向かう事が出来るでしょうか?」

シヴァ「1人ではない。お前と共に歩んでくれる者がそこにいるではないか」

王女「〇〇様…ぽっ…!!」
シヴァ「〇〇よ。再び悪が蘇った時はまた剣を取り戦ってくれるか?」

『はい』『いいえ』選択

・『いいえ』を選択した場合

シヴァ「おお!正義のために戦うのはもう嫌だというのか?」

再び『はい』『いいえ』の選択肢のループ。


・『はい』を選択した場合

シヴァ「おお!それでこそ神に選ばれし真の勇者!!
 その心をその勇気を故長く記憶にとどめよう…
 ではさらばだ。〇〇よ…勇気ある人間の若者よ!」
ガネーシャ「バイバーイ!まったねーっ!!」

2人の声は消えました。

王女「…〇〇様ぽっ…!!」
〇〇「え!?…うん…ぽっ!」


スタッフロール

歩いている『ガネーシャ』現れて最終的にこちらに手を振り続けている。

続編示唆らしき感じで終わっているけど…
仮に

「マハラジャ2」

が出たとして率先してプレイしたいかっつたら『NO』だわな。
上記で言ったけどインドの神話がベースとなっているからな…
最低限知っていなければならないような固有名詞とかあるみたいだしとっつきにくいわ。

しかも「サンソフト」と言うと…
良いゲームはあるけど「いっき」や「アトランチスの謎」の
イメージが強すぎるメーカーしな…
そこから出された続編と言っても…
正直厳しいわ…

ただ、このゲームを作るにあたって開発は色々と調べたんだろう。
今でこそ、検索して文字入力すればすぐわかるが
ネットなんてものがない1980年代。
スタッフは大変だったんだろうことが伺える。

ただ、インド神話でゲーム作ろうって発想は斜め上過ぎないかって思うけどね。
そもそも神話を題材にして良かったというようなファミコンゲーはあまり聞かないな。
ギリシャ神話がベースの「ヘラクレスの栄光」とかね。
(スーファミの3は評価が高いようだが)


ってな訳で締めと行こうか…
続編はでなかった事で『ラーヴァナ』の意志を継ぐものは現れなかったって訳だ。
主人公と王女。
惹かれ合う二人。
見つめ合うそこは寝室。
夜に異世界に行き、夢だったのではないかって事だから時間的には朝。

「けさはおたのしみでしたね?」

ってなことなんだろう。


………

……………


ラーヴァナ「ふっふっふっ…髭人とはなんと愚かなものよ。
 その欲望でこのソフトを汚し語るとはな…
 私の仲間にそのような愚か者はいらぬわ!このまま朽ち果ててしまえ!」

『出口のない部屋に置き去りにされてしまった髭人は
 そのまま出られずミイラになってしまいました…』


それは正しい判断ッ!!




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