髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「スーパーマン」 レビュー (ファミコン)

2015-01-23 21:00:22 | ファミコンレビュー
サイドビュー横スクロールアクションゲーム
1987年12月22日発売
ケムコから発売

特徴…
電話ボックスやトイレ(?)に入ることで
「クラーク・ケント」と「スーパーマン」の切り替えが可能。

「クラーク」:特にメリットはなく冴えない男
「スーパーマン」:クラーク時よりジャンプ力、歩行速度増、
 「飛行移動」「ビーム」「ドリル」など特技使用可
 但し、瀕死になると「クラーク」に強制的に戻る。

後、特徴というよりは仕様を説明しておこう。

操作方法

左右キー移動
上キー:ジャンプ
下キー:ドアや電話ボックスに入る。

Aボタン:パンチ
Bボタン:スーパーマン時、指定した特技を使用。

スタートボタン:能力変更画面呼び出し
セレクトボタン:地図の呼び出し、飛行能力での行き先指定



スーパーマンの特殊能力。
敵を倒した時にマークが出る。
能力のエネルギーは個別にあり、それぞれ回復させないと使えない。

『目』マーク(X-RAY VISION):透視能力(見えない敵を見るようにする)
『↑』マーク:(SUPER FLIGHT):飛行能力(指定した場所に移動)
『↓』マーク:(SUPER SPIN):高速スピン(特定の地面を潜れる)
『V』マーク:(HEAT VISION):熱光線(ビーム)
『I』マーク:(SUPER BREATH-1):ブレス1(火炎に使える)
「Ⅱ」マーク:(SUPER BREATH-2):ブレス2(ゾンビを停止させる)

このゲーム
Aボタンを押すとパンチを放つのだがと硬直するのだ。

「パンチを放てば硬直。
 硬直もないゲームもあるがそんな事如きで何を言っているんだ?お前は」

と、思う方もいるだろう。
だが、今作のパンチは空中でも硬直するのである。
具体的に言うなれば、

放物線を描くかのようにジャンプし、パンチを放つと空中で一瞬、静止する。
重力を無視してだ!!

初見の人は

「何、コレ」

と戸惑う事間違いなしである。
しかも、パンチの動作は非常に短いうえに
二頭身手が短いのでもがいているようにしか見えない。

上キーを押す長さによってのジャンプ力の高さの調整は不可
ジャンプ力は一定で軌道の調整は左右で可能ではあるが…。
で、敵は発砲する奴がいるので、ジャンプ力が一定という事になると
着地時にダメージ不可避なんて状況にもなりかねないが
この硬直パンチを駆使することで着地を遅らせ、銃弾を回避する事が可能である。


スーパーマン時に特にデメリットはない。
聖闘士星矢 ~黄金伝説~」ではクロスを身に着けていると体力が減り続けるというのがあったが
今作にはない。
そしてクラーク時とスーパーマン時では待ちゆく人々との台詞に差異はない。
せいぜい、クラークが新聞記者として働く「デイリープラネッツ」に帰った時のみ
強制的に「クラーク」に戻るというぐらいである。
だから、「クラーク」でいる事のメリットはない。
常時、「スーパーマン」で問題ない。

最初に名前と血液型を入力する。

「クラーク・〇〇〇〇〇」

何故に名字?
「ワルキューレの冒険」みたいに血液型を入力する事によって
色々と能力に差が出るんだろか?(未検証)
入力が完了すると

「スーパーマンは、
 地球における 正義と
 真実を 守る為 日夜闘い
 続けることを誓う!

N A M E : クラーク・〇〇〇〇〇
BLOOD
  TYPE  : RH+ 〇」

と出てゲームが始まる。
(RH-の人は?)



あらすじ
タイトル画面を放っておくとデモ画面になる。
すると『自由の女神』が語り掛けて来る。
(漢字変換してあります)

女神「スーパーマン…。
 良く 聞きなさい!

 今 ニューヨークは
 ゾッド将軍の 手により
 悪の基地に
 されようと しています。

 あなたは クラークと 名乗り
 新聞記者の 姿を借りて
 地球の 正義と 真実を
 守る為に 戦うのです。

 私は あなたを ここから
 見守っています…。
 行きなさい スーパーマン!」


『自由の女神』はこう言うがゾッド達を戦う事になるのは最後である。
まずニューヨークで起こる様々な事件に立ち向かう事になる。

にしても『自由の女神』さん。
何でこんなに偉そうなんだろ…
名前を勝手に決めて、新聞記者になり、正体隠して戦えって…
その名の通り、自由なやなぁ~。
(ただ、『自由の女神』自体はカワイイ、全身緑だけど…)

点数は25点

良い点
・スーパーマンのゲーム
・イベントクリア時の演出
・「いしかわじゅん」氏がキャラデザイン

悪い点
・スッパマン
・ステージが単調
・階段上がった時

良い点の解説
・スーパーマンのゲーム
まぁ、当然ですわな。スーパーマンの熱狂的ファンはプレイしてみるのはどうでしょう?
しかし、その容姿がなぁ…デザインは「いしかわじゅん」氏とのこと

・演出
ステージクリア時

「鳥だ!飛行機だ!いやスーパーマンだ」

という演出と、新聞が出てくるというのはファミコンながら面白いと思う。
後、飛行能力使った時のビル群を飛ぶリアル頭身の『スーパーマン』
カッコイイ!!

コレらがあるからこそこのゲームが
「スーパーマン」だと認識できるという感じだろうか?
このゲームの良さは全てがそこだけに集約されているといえよう。


・「いしかわじゅん」氏がキャラデザイン
「いしかわじゅん」氏がキャラデザインを行っているという。
しかも本人が方眼紙を用いてドット絵を描いたという経緯があるようだ。

悪い点
・スッパマン
「Dr.スランプ」を知っている人ならば
ゲーム画面を見た瞬間に誰もが思う感想だろう。
二頭身キャラでスーパーマンだもんなぁ…
「いしかわじゅん」氏はゲーム作りについて素人だものな。
頑張った結果かもしれん。
ちなみに何故二頭身なのか?
それは本作ゲームの箱裏で明らかになる。
その一部が下画像。




リアル頭身からみるみるうちに二頭身キャラに変わっていく姿が出されている。
これを見て

「なるほど~
 スーパーマンがこの絵のようにどんどん縮んでいったわけか~。
 違和感が無くなったわ」

なんて人は皆無だろう。
仮面ライダー倶楽部」のように敵が作ったSD光線を
ライダーに使おうとしたら暴走してしまって
敵味方すべてがSDキャラになってしまったみたいな話もない。
(というか本作はところどころでリアル頭身になるしな…)

しかし最初、普通の頭身だったのにどんどん頭身が小さくなるというのは、
「アラレちゃん」もそうだよな…(笑)
但しこっちの場合は箱絵のみなので急にもほどがあるが


・ステージが単調
イベントが多く出されるがそれをこなすだけの作業ゲーである。
敵の種類は乏しく、ジャンプの高さが一定という事もあり、
複雑なこともできない為、熱い戦いはない。

・階段上がった時
階段を上がったところで敵が待機している所が多々あるんだよな。
それで敵に当たりノックバックして下階に押し出され、
また上ると敵がいてまた落とされ…
なんて繰り返しが非常に苛立たしい。
ただ、このゲームノックバックした瞬間に無敵時間が1秒ぐらいあるので、
ダメージを食らい、落とされて即座にもう一度、上の階に上がり
無敵時間中に敵を処理するというのが対処法と言える。






マッピング推奨ゲーである。
各ビルには名称があり

「○○で待つ」
「××で騒ぎが起きている」

と、場所を指定されることが多い。
このゲームに地図はあるものの大まかなの場所ぐらいしか表示されない。
それなのにビルが多いので
一度ニューヨーク中を歩き回りビルの名称と場所をマッピングしていくと
ゲームをスムーズに進められる。
ただ、ノーヒントのイベントもあるが…


それにしてもこのゲームはカオスだと思うわ。
タイトル画面、リアル頭身のスーパーマンがお馴染みのテーマと共に飛んでいる。

髭人「お、いいじゃん!
 リアル頭身のスーパーマンカッコイイ!」

と、期待感を胸にスタートボタンを押して始める。
すると名前入力画面になって入力すると「デイリープラネッツ」から始まる。
が、もうここで違和感。

髭人「な、何だ…
 この二頭身のメガネのチビは?」

どうやらこれが主人公の「クラーク・ケント」のようだ。
で、他に人がいるので話を聞く。

「セントラルパークが大騒ぎになっている」

という話を聞いたので

髭人「よし。
 じゃぁ、セントラルパークに行ってみるか?」

という事で新聞社を出て数秒、現れたギャングらしき容姿の敵が現れ
「クラーク」に向けて発砲。
当然、この時「スーパーマン」ではない。

髭人「は?
 ここってもうセントラルパークなのか?」

そういう印象に駆られる。(違います)
髭人は原作を見たことはないが、
外に出た途端に一般人に対して発砲してくるというのが大騒ぎではないのなら
銃撃戦が日常の風景なのが「スーパーマン」の世界観なんだろうか?

髭人『一応、クラークは新聞記者という設定だから
 ギャングのボスのスキャンダル記事でも挙げたのか?』

あれこれ考えたりもする。

髭人「まぁでも、ここらセントラルパークでないというのなら…
 うん!
 このゲーム、もうダメだな」

ゲームを開始して1分も経たないうちにアカン認定されてしまうゲームである。
その後も特にそれを覆すようなイベント、熱くなる戦闘などはない。
ただ、言われたことをこなし、エンディングまで続けるという作業ゲーに近い。

後、イベントをこなすと
地下鉄のフリーパスをもらえるのだが
「スーパーマン」時でも使える。
地下鉄に乗る「スーパーマン」…
シュ…シュールすぎる。

飛べよ。
(一応、飛べるけど条件あり)

しかもそこで背景として
真っ黒の客らしい人が出てくるのだが
客の頭身はちゃんとしている。
二頭身の「スーパーマン」と普通頭身の客…
ミスマッチ過ぎる…
というか地下鉄のフリーパスなら本人でなければ使用不可だろう。
「クラーク」時のみ使用可能なら分かるけど「スーパーマン」でも使えるって事は
もうこの世界において

「クラーク・ケント」=「スーパーマン」

ってのは周知の事実なんだろうな。
電話ボックスでわざわざ着替えるクラーク。

クラーク「良し!
 俺がスーパーマンって事、バレてないな!」

って気にしているだけで…
寧ろクラーク以外が

A「『クラーク・ケント』が『スーパーマン』って事を気づいているって
 クラークに思わせないようにしようぜ」
B「ああ。一応、悪役を倒したりして平和を守ってくれるもんな」
C「『正体がばれた!』つって『鶴の恩返し』みたいにいなくなられても困るしな」
3人「めんどくさいけど(笑)」

って気を遣っているのかもしれない。
ニューヨーク市民の気遣いの高さは異常だな(笑)



ここからがネタバレ






















さて、本ゲームで登場するよくわからんキャラが出て来るので紹介する。

「我々はFBIだっ」
「FBIの調査によると○○は××にいるらしい」

大抵、どのイベントもFBIから
ヒントもらって(フラグを立てて?)それをこなすのが主となる。
自分から名乗るってすげぇな…
しかも上記の通り、「クラーク」と「スーパーマン」のどちらの形態でも言うので

髭人「『クラーク』時でもFBIと友達か?
 なら、外、出たら即撃たれるのも納得がいくかな?」

他に、町ゆく人のセリフをいくつか紹介しよう。()内が髭人の感想。

「スーパーマンごじっしゅうねんばんざい(敢えて平仮名)」
 (「ごじゅっしゅうねん」ではないのね。
  確かに読み方としてはそっちのほうが正しい!!)

「まぁ逞しい体ね。でも、エイズ 大丈夫?」
 (男同士の肉体関係の方がエイズ感染率が高いというが…)

「ケガしたくなければハーレムに近づくな」
 (このゲームにはハーレムはない。
  製作者がアメリカのハーレムで怪我した経験でもあるんじゃないかねぇ)

「電話ボックス以外でもスーパーマンになれる場所があるんだ」
 (電話ボックスで着替えているってバレバレじゃねーか)

「最近、このあたりでヒロミとリーをよく見られるよ」
 (ニューヨークにそんなひといるの?)

「邪魔です急いでいるんです」
 (とかいう割に、コイツ自身は立ち止まっている)

「鳥だ!飛行機だっ!は、スーパーマンの特許だぜ」
 (取得してんの?)

「私…はっ初めてなの。男の人と話しするの」
 (父親にも?にしても偏った生き方してんなぁ~)

「……」
 (無言の奴って、「タッチ」のセイントを思い出すな…いらないものでも押し付けたれ)

しかし、イベントで「敵を警視庁まで連れて行け」ってのがあるんだけど…
ニューヨークに警視庁ってねぇだろ。ニューヨーク市警じゃねぇのか?

イベントがない時の建物内は全て敵が徘徊している。
上記のニューヨークの警視庁(?)もだ。
乗っ取られとるじゃん…


さてゲームのエンディングはというと…
ラスト、自由に女神にラスボスがいるって事で
自由の女神の内部に行ってゾッドがいるので倒す。

いきなり宇宙の鏡みたいのにボス達が集められる。
全てが終わり自由の女神が声をかけて来る。

女神「ありがとう スーパーマン!

 ゾッドたちは
 クリプトミラーに 封じられ
 宇宙に 葬られました

 あなたの 活躍により
 地球の 平和は
 守られたのです。

 スーパーマン…。

 正義と 自由を 守るため
 これからの 活躍を
 期待していますよ…。」


スタッフロールが流れる。




このゲームの製作の逸話がなかなか興味深いので紹介しよう。

「アメコミ調は日本では受けないのでは」という理由でキャラデザインを
「いしかわじゅん」氏にしたらしいが…

う~む…

個人的には

「日本で受けない:×」
「アメコミ調で作る技術がない:○」

って気がするがな…
なんせ、「いしかわじゅん」氏にコミカライズからドット絵の製作も頼んだとのこと
「いしかわ」氏もドット専門の人じゃないだろう。

で、「いしかわ」氏はこのゲームの製作後、ケムコ側から

「またやりましょう」

と言われたのを

「もう勘弁してください」

断ったとのことだ。
まぁ、そりゃそうだわな。
不慣れな事をやって頑張ったってのに

「これ、スッパマンだ!」

などと言われる始末だし、しかもその肝心のゲーム自体がすぐにワゴンゲーと化す。
アメコミ調では日本では受けないから
「いしかわじゅん」氏に任せたのにその判断も完全にハズレ
心折れるよな。

にしても、このゲーム
魁!!男塾 ~疾風一号生~」や「ドラゴンボール ~大魔王復活~」のように
エンディングのスタッフロール時、主たるスタッフに似顔絵が出てくるのだが
(「そんな似顔絵入れる容量があるのなら中身をもっと充実させんかい!」
 ってのが髭人の感想)
そこで「いしかわ」氏に送られてきたスタッフ写真は変顔だったとの事

「フツーの顔を見ないと似顔絵は描けないんだけどなー」

という『いしかわ』氏が思ったとのこと、当然の感想だ。
(素顔バレるのが嫌だから変顔にしたのだろうか?
 だったらそんな似顔絵企画なんざやめちまえ!!)

エンディングってのはゲームの余韻の浸る時間である。
しかもこのゲームは版権をスーパーマン側から借りているという立場だ。
そんな所でしょーもないギャグを行ってしまう。
『ギャグ』というより『中高生レベルの悪ふざけ』の方が適切だろう。
当時の『ケムコ』側の版権ゲーに対しての姿勢が伺えるエピソードと言えよう。

まぁ、「ケムコUSA」って建物があるのだが
特にイベントなどはなく化け物などの敵が徘徊しているだもんな。
自虐ネタだろうか?



頭脳と勇気があればハッピーエンドを迎えられるねぇ…
これを発売する勇気だけは認めるが製作する上で
頭脳がもうちっと必要だったのではないだろうかな…

「いしかわじゅん」氏がまた仕事しようと言われてお断りするのも当然である。
「ケムコ」側の悪ふざけに乗って
エンディングに変顔をしなかったのは賢明だったと言えよう。
(乗っていたら同じ扱いされてたもんな…)


え?お前のレビューも悪ふざけみたいもんだろって?

失敬な!
き、きちんと真摯に取り組んでおりますよ!(震え声)
面白くさせようと必死、こ、こいて考えているのですよ。よ、よ、よ。


『クリプトミラー』さ~ん!!
この髭人もその中に入れてくださ~~い!!





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