「ハルトラノオが咲いてたよ」、「あそこのオーレン満開だよ」。道端での会話は年期の入った定形であるから、100パーセント間違いなく伝わる。言葉に合わせて、一寸目線を動かしたり、首あるいは体をほんの少し振るそぶりにも、決まり事みたいなものがあり、間違いようがないのである。それは代をまたいだ伝承の技といってもいい。≪明日行ってみよう≫。≪明後日予定しよう≫。ああ、忙しいな。
カタクリ
咲いた咲いた、ショウジョウバカマ
キブシが一本
ヤブツバキ紅く