東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

Kバレエ「カルメン」

2014年11月06日 21時55分18秒 | 雑記

昨日は珍しく仕事が午前中だけだったので、かねてから一度見たいと思っていた、熊川哲也が座長を務めるKバレエの「カルメン」仙台公演に行って参りました。
熊川氏と言えば、その高く精度のあるジャンプが代名詞のようになっていましたが、この公演を見た限りの印象では、恐らく今、彼より高いジャンプを跳ぶ人は珍しくないと思います。(ホセ役にそのようなものを求めなかった可能性はありますが。)勿論ダンサーとしても元ロイヤルバレエ団のプリンシパルの名に恥じない技量を示していたと思いますが、私が今回の公演で印象に残ったのは、「ダンサー熊川哲也」ではなく「プロデューサー熊川哲也」でした。
思えばバレエは、小さい頃から厳しい修練を要する、極めて高度な舞台芸術ながら、日本における環境の厳しさは、まだまだのクラシック音楽よりも更に過酷で、所謂プロと言われるバレエ団ですら、ほとんどがそれでは食べていけないと聞いています。
そんな中、男性バレエダンサー自体が脚光を浴びることがほとんどなかった日本でバレエ団を設立し、全国ツアーでも満席の観客を呼べるほどのものにした彼の功績は、やはり多大であったと思うのです。その証拠が、このバレエ団で存在感を示していたソリスト達、そしてKバレエスクールで研鑽を積む子役たちでした。
一線で活躍する大人たちと一緒に舞台を踏んだ経験は、かならず後々生きてきます。舞台狭しと駆けめぐっていった子役たちは、大人に負けず輝いていました。
恐らくは解釈もスタンダードだったためでしょうが、「魔性の女カルメン」と「その魅力に溺れていくホセ」のキャラクターには、あまり新味は感じませんでしたが、全体を高いレベルにまとめ上げた、バレエ団の組織力には感じ入るものがありました。この舞台から、また新しい才能が育っていくのを期待したいです。

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