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幸せはすでに目の前にある

2016-12-05 14:09:55 | お話
🍀幸せはすでに目の前にある🍀


この女性には、生まれつき知的障がいのあるお子さんがいます。

その子が生まれたばかりの頃、親戚から

「家にはそのような血統は無いのだから、あなたの家系にあるんでしょ」

とか、

「妊娠中のあなたの生活が悪かったのよ」

とか、多くの辛い言葉を浴びせられたようです。

この女性の唯一の願いは、男の子が少しでも一人前に近づき、

税金を納められるだけの力をつけて自立してくれることにありました。

周囲の冷ややかな視線や言葉に押しつぶされそうになりながらも、

彼女は息子さんの成長のために力を尽くしました。

いい医者がいると聞けば、どんなに遠くても連れて行き、勉強も教えました。

しかし、いくら頑張ってみても、目に見えるだけの効果はなかなか現れませんでした。


山のあなたの空遠く

「幸(さいわい)」住むと人のいう

噫(ああ)、われひとと尋(と)めゆて、

涙さしぐみ、かえりきぬ。

山のあなたになほ遠く

「幸」住むと人のいう

の言葉のように、

努力して治療や教育を続ければ必ず幸せへの道は開けてくる、

そのためには何としてもこの子を変えなくては、という一念だったそうです。


息子さんが14、5歳になった頃のことです。

その日も、彼女は息子さんを病院に連れて行っていました。

名医がいるとの噂を聞き、遠くまで足を運んだのです。

しかし、一縷の望みを託して診療を受けてみたものの、

やはり結果は同じでした。

治療費ばかりが膨らむ一方で、

全く効果が見えない現実に落胆し、

精神的、肉体的にもどん底の状態でした。

重い足取りてま家路につき、玄関のドアを開け、畳の上にヘタヘタと座りこんだときのことです。

息子さんが

「お母さん」

と声をかけ、

にこっと笑いながら、コップ一杯の水を差し出してくれたのです。


彼女が目を覚まされたのは、この瞬間でした。

「自分は、今まで、何をやってきたのだろう。

この子さえ変わってくれたら幸せになれると思っていたのに、

幸せは、今ここに、既にあったとは…」

息子さんの純粋な笑顔と行為を通してそう強く気づかされたといいます。

落ち込んでいた自分にコップ一杯の水で優しく勇気づけてくれる息子がいつもそばにいてくれる。

それまで全く気がつかなかった幸せを初めてしみじみと味わったというのです。

この気づきは、彼女を大きく変えました。

それまで気になって仕方がなかった親戚や周囲の言葉や目線も、

冷静に受け止められるようになり、

息子さんを通して自分自身が大きく成長してきた喜びも実感できるようになりました。

それにも増して、息子さんが生きてくれることをへの深い感謝の思いがこみ上げてきたそうです。

「遠くにある幸せを求めては挫折して落ち込み、

また追い求めては悲しみに涙する。

そのことを何度繰り返してきたことでしょう。

しかし、誰もが考えられないほどの多くの涙を流さなかったら、

我が子のありのままの生き方を受け入れる事は出来ませんでした。

今の私があるのは、あの子のおかげです。

あの子の親であることに心からの幸せを感じます」

息子さんは養護学校を出た後、親元離れて遠くにある国の施設で生活しています。

安心しつつも寂しさを抱えて毎日を過ごす彼女は、そのように自らの正直な思いを語ってくれました。


(「致知」1月号 鈴木秀子さんより)

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