毒と薬

💀毒と薬💊


薬と毒だどといえば、全く反対のもののように思われる。

だが実はそうではなく、

一般に薬は毒にもなり、また逆に毒は薬にもなるのである。

それは一にかかって、

量と用い方の問題である。

しかも面白いことには、

良薬ほど、その量や用い方が難しかしく、それを誤ると良薬はそのまま劇毒ともなるのである。

たとえばモルヒネ一つを例にとっても、

適量では注射1本で、
どんな激痛でもすぐとまるほどの良薬だが、

多量に用いれば命取りにもなるし、

また繰返し用いれば、恐ろしい中毒を起こすことにもなる。

この薬と毒との微妙な関係は、

誠に面白く、

人生などについても、ある程度あてはまるようである。

同一の人間が、甲の下では素晴らしい働きをするが、

乙の所でさっぱり働けず、

むしろ邪魔になるなどということは、

われわれがしばしば経験することだが、

それは、全く、人の使い方によるのである。