野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

ビーツが血圧を下げる(その4)

2011-07-18 17:02:03 | Weblog
 ビーツジュースを500ml飲んだら血圧が下がり、その原因がカリウムであるとテレビ番組で放送されました。元になると思われる文献 Webb A. J. ら Hypertension 2008 51:784-790 を読んでみました。著者らは、野菜中の硝酸イオンが、体内で亜硝酸イオンに変換され、血圧を下げたと結論しています。飲用したジュース中の硝酸イオン濃度は2.79g/Lとされ、また、カリウムが血圧降下の要因ではないとしています。硝酸イオンについては、やや濃度は高めですが、国内の野菜を使ってもジュースが作れないわけではない濃度です。
 番組では著者のいるロンドンで取材していたように記憶します。実際はQueen Mary大学の著者にインタビューしたものの、血圧降下物質として、あらかじめ台本に書いていた「カリウム」ではなく、「硝酸イオン」と回答されたので、その部分は番組構成上カットしたとも思えるのですが、考えすぎでしょうか?でも、論文の結果を引用しながら、その原因物質について根拠もなくすり替えるのってありでしょうか?