野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

グルコシノレート、イソチオシアネート?

2008-05-03 13:37:52 | Weblog
 ホームページなどを見ていると、「グルコシノレート」や「イソチオシアネート(イソチオシアナートと記載される場合もある)」が混同して使われており、理解しづらく思えます。ここで整理してみます。
 アブラナ科野菜にはグルコシノレートと呼ばれる成分が含まれます。たとえば、ワサビやキャベツには「シニグリン」と呼ばれるグルコシノレートが含まれます。シニグリンそのものには辛味はありません。ところがワサビをおろすと、ワサビの組織に含まれていたミロシナーゼという酵素が作用して、「アリルイオチオシアネート」と呼ばれる「イソチオシアネート」を生成します。この「アリルイソチオシアネート」が辛味成分です。
 ブロッコリースプラウトのガン予防効果が有名ですが、「グリコラファニン」と呼ばれる「グルコシノレート」を生のままで噛んでいると、スプラウトに入っていたミロシナーゼが作用して、「スルフォラファン」という「イソチオシアネート」が生成します。スルフォラファンには、ガン予防効果が期待されています。
 野菜それぞれに、特徴的な「グルコシノレート」が含まれ、生のまま咀嚼するか、すりつぶす時に、「イソチオシアネート」が生成し、「イオチオシアネート」には特徴的な辛味や生理活性があります。
 どのようにしてこのような野菜を食べれば、イソチオシアネートを有効に摂取できるかですが、イソチオシアネートを体内に吸収するにはミロシナーゼを働かせる必要があります。生のまま食べる方が、加熱してミロシナーゼの活性を無くした野菜よりもイオチオシアネートの吸収がよいというデータはあるようです。
 「生野菜を食べることによって、生きた植物酵素を摂取しよう」などとよく言われます。酵素はタンパク質ですので、胃腸で消化されるため、そのままの形で体内に入ることはありえません。ただし、アブラナ科野菜を生でよく噛めば、口の中でイソチオシアネートが生成し、イソチオシアネートの吸収効率はよくなるものと考えられます。


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