故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

米割りの仕事

2017-04-21 07:46:19 | プロジェクトエンジニアー

斜面でそばを作る人が働いています。
少しでも収量を増やしたいと熱心に取り組んでおられます。


米粉入りのパンを作ろうと一時期(今でも)騒がれました。
米粉100%では膨らまないなどとも聞きました。
この地域に来て、小麦グルテンを入れると膨らむよ。と聞きました。
なぜ、米粉パンにこだわるのか。
米の消費拡大のためです。

今日のタイトルは、「米割りの仕事」です。
日本中で米が余っているのに、くず米が不足した時期があります。
くず米とは、米が完熟粒と未熟粒とに選別(粒厚選別)され、
規格の網巾から落ちた(小さい)粒のことです。
今でも、不足しているのでしょうか。

内情は、アメリカで推進しているバイオエネルギーの影響でした。
飼料用とうもろこしがバイオエネルギー市場に流れ、
飼料用とうもろこしの国際価格が倍近くになった。
日本には、くず米があると、日本の飼料会社にくず米が優先的に回されました。
みそや糊の業者、ビール会社へ流れるくず米が不足しました。

そこで農政が考えた苦肉の策が、外国産米の緊急輸入でした。
実米(完全な粒)で、市場に流せば、米の国際価格
と国内価格が大きく開いているため、米市場が混乱する。
そこで政府は、米割の仕事を作りました。
米の粒を半分以下に割る仕事です。

半分以下に割ってしまえば、市場に自由に流せるようになります。
この仕事に関わったことがあります。
米粉を作るのに、粉砕工程があります。
米粉にも規格があり、どんな粉の大きさでも構わないと言う訳にはいきません。
一時期の米粉生産は、ハンマーミルが主流でした。
規格より小さくしてしまえと言うのが、ハンマーミルです。
ハンマーミルでやると、粉の粒度に大きくばらつきが出ます。
構造上、粉度のばらつきを抑えるわけにはいきません。
山崎パンが仕入れたい粒度があります。
ばらつきのある粉は、一定の発酵時間とならないから敬遠されたのです。
そこでロールミルが採用されました。

ロールミルで挽いた粉は、粉の粒度をコントロールできるのでした。
ビールの素、モルトの粉砕も同様です。
バイオエネルギーの基、とうもろこしの粉砕もそうです。
とうもろこしの場合は、もう少し複雑でエネルギーにならない
殻の部分が発酵プロセスに混入しないことも大事です。
結局、バイオエネルギーの収量をあげるには、ロールミルの方が良い。
ロールミルでやれば、1トンの原料からバイオエタノールが350リットル取れるが、
ハンマーミルでは、300リットルとなります。
ハンマーミルをバイオプラントで粉砕機として採用、買いたいと申し出られた
会社がありました。ロールミルを採用すべきだと、実績付きで説明しました。
予算ありきで却下されました。
勤務する会社にも素晴らしいハンマーミルがありましたが、
理解されない会社とは付き合わないと、見積もりを辞退しました。

米割りの仕事。
見た目には、区別のない粉や粒を作る仕事です。
しかし、その後の用途によって、プロセスは大きく変わります。
すべての工場にインとアウトがあります。
アウトプットは、何を求められているのか理解しないで、
既存メーカーの勧めるままのエンジニアリングは成り立ちません。
ここが腕の見せ所なのです。

盆の晩 熱に浮かされ 今おっと

2017年4月21日
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