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ひでぼんのシンガポール社長日記

東亜百年戦争

2017年08月05日 | 読書

えっ!過激なタイトル…こんな本出していいの?戦後教育どっぷりの団塊ジュニア世代としては、半分怖いもの見たさで購入してしまいました。ところが、実際に読み進めていくと、著者・林房雄さんは、歴史の事実・資料に基づきながら、各時代のさまざまな論説・異論も織り交ぜつつ、極めて真っ当な考察を、思想的背景も踏まえて丹念に展開していきます。つまり、先の大東亜戦争は、幕末から昭和20年8月15日の終戦まで綿々と連なっている「東亜百年戦争」であったと…。

幕末のペリー来航よりも少し前の弘化2年頃(1845年頃)から日本近海には外国艦船が頻繁に出没するようになり日本各地で「攘夷論」が興ってきます。ところが、雄藩であった薩・長は、薩英戦争・馬関戦争をとおして外国(イギリス・フランス・アメリカ・オランダ)の力を知り、まずは強くならなければ何もできないことを学びます。それが「開国即攘夷論」すなはち明治維新へとつながり、さらには、征韓論、日清戦争と三国干渉、日露戦争、朝鮮併合、不平等条約改正、昭和動乱(五・一五、二・二六)、満州事変、日中戦争、大東亜戦争開戦、終戦(1945年)…へと綿々とつながっていきます。これまでは複雑で一つ一つ区切られていた感のある日本近現代史のこれらのイベントが、著者の一貫した真っすぐな史観をもって語られていきます。最後の方では、後の世代に「熱く」語りかけるように。

本書は1963~65年に「中央公論」に連載されたものを50年以上経って改めて文庫本として出版したとのこと。全部で500ページ(19章)とボリュームたっぷりで中身も濃厚ですが、これ一冊で、これまでモヤモヤしていた日本の近現代史を一つの大きな骨格のもと、しっかりと繋がりをもって捉えることができます。少し時間と馬力がいりますが、きっと読み始めたら止められないかと。
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