自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ツマグロヒョウモン,卵から孵化へ(2)

2016-05-18 | ツマグロヒョウモン

5月17日(火)。午前6時。昨夕,孵化間近と見た卵を見ると,なんとたった今幼虫が出終えたばかり! あと30分早く見ていたら,孵化の始終を見届けることができたのに。惜しい,惜しい。でも,そんな経験は度々してきたので,別の個体に期待しておきます。

とりあえず,そのときの状況をすこしばかり。

ルーペで確認すると,すでに孵化後。卵殻から出た直後で,外向きの格好でした。


見ているうちに,反転。そうして殻を食べ始めました。誕生後初めての食餌です。これまでにお世話になっていた殻をきちんと栄養にしていきます。習性とはいえ,こういう風景を目の当たりにすると律義さということばを思い浮かべます。月並みなことばですが,母への感謝といってもよさそうな風景なのです。


とにかく一心に(と思えるような勢いで)口にします。幼虫が摂り入れる動物質タンパク源としては,最初にして最後の栄養剤になります。


別の卵を見ると,孵化が近づいている模様。


これを職場に持ち込んで,スタッフと観察しました。しかし,この日は残念ながら孵化に至りませんでした。

5月18日(水)。仕事は休み。朝見ても変化なし。「おかしいな」と感じながら,畑仕事に出かけました。ところが昼前に帰ってみると,なんと孵化して卵殻の脇にちょこんとしていました。「あー,またもやられたかー!」。もうこれは完全な肩透かし!


今回の観察から学べるのは,誕生の瞬間は厳密にはいつ,どのようにやって来るかわからないという点です。「一度あることは二度ある」といいます。今回もまた,「止むを得ないか」と諦めつつ,「よーし,今度こそは!」と気持ちを新たにしています。じつのところ,取り上げている例以外に産付場面を二度確認したのです。いずれも卵が産み付けられています。タイミングのよさに感謝しつつ,これらの変化を追ってみます。

それにしても,いのちの実態は簡単には想像できないものです。

 


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