田舎の開店まもないインド料理店、お爺さん一人客に、カタコト日本語のネパール青年の店員が立っている。
客 「あのー、なんですが・・」
店員 「はー???」
客 「あの、なんですが・・」
店員がテーブルに近づく。
店員 「はっ、なんでしょう?」
客 「あの、これって、なんですか?」
店員 「はい、そうです、それはなんです」
客 「いやなんですじゃなくて、これってなんですか、と聞いているの!」
店員 「はい、だから、それはなんです」
客 「だから、そうじゃなくて、ワシが聞いているんじゃ、日本語で」
店員 「そうなんです、だから私も答えてなんと言ってます」
客 「それそれ、自分でなんと言ってますなんて、オカシイでしょ?」
店員 「ああ、分からない、ちょっとマスターに来てもらいます」
マスター 「あの、お客さん、なんでしょうか?なんかソソウでもありましたか?」
客 「そうそう、そのなんなんじゃ。さすが店長、ふつうの日本語じゃ、ワシは、これはなんですか?と聞いてたんじゃ」
マスター 「あの・・お客さん、なんですが・・・」
客 「んんーッ?なんじゃ?」
マスター 「あの、お客さん、日本語で物を尋ねる時は、正しくナニって言ってくださいませんか」
客「ナニー!、日本人のワシに向かって!・・」
マスター 「あっ、それそれ!その言い方ですよ、ちゃんと言えるじゃないですか」
客 「ナッナッナニーッ!」
マスター 「それって、シュッケツ大サービスですか?」
(つづく)