三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

SP。

2017年04月12日 | 三味線のはなし
ジャンルは違えど
師匠や先輩方が異口同音に仰るのは

昔の名人はもっと上手かった。

師匠もまた先輩からそう言われてきた、というのだから
もう私などが今リアルタイムで聴くよりも
昔のレアな音源を聴いた方がいいのかもしれない。
もちろん、生の舞台は捨てられない魅力もあるけれど。

大正から昭和初期頃の
長唄のSPレコードを聴いた。
合方の部分で三味線が二挺の演奏なんだけど、
上手すぎる。
勘所も間もぴたっと決まるし
めちゃくちゃ早弾きだし
それでも余裕の演奏に聞こえる。
なんだこれ。
カッコよすぎる。
惚れ惚れする。
と同時に悔しくもある。
私もこんな演奏したいと思わされる。

このマニアックな興奮、
なかなか分かってもらえないのが残念なり。

今こんな演奏できる人おらんもんなぁ…と
異口同音に語られるのも残念。
何が違うのか
なぜ違ってきてしまったのか。
どうしたら取り戻せるのか。

三味線はもうこのままずっと
下り坂をゆっくり進んでいくだけなのか。
どこかでもう一度這い上がるのか。

三味線が本当にかっこいいのは
現代曲じゃなく古典だと思う。



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