Will, Vision, Innovation

大企業を飛び出して起業した元経営コンサルタントの独り言

日本メーカーがiPhoneを生み出すためにすべきこと

2011年09月26日 | 考察

一昔前ならiPod、今ならiPhone、iPadとコンテンツ・サービスと連携した素晴らしい商品をアップルは連続して生み出し続けています。結果、アップルは一時的とはいえ世界で一番株式時価総額高い会社となりました。この株価が持続可能な物かどうかは別として、世界一の価値を持つ会社にアップルがなったこと自体はその生み出してきた価値を思えば納得がいく方も多いのではないでしょうか?

一方で、モノ作り世界一であったはずの日本メーカーはどうでしょうか?

私は仕事の関係上、多数の素晴らしい商品に出会うことが出来る立場にいます。そのため、日本メーカーが今でも単発的、単体で素晴らしい商品を出し続けていることを良く知っています。それはもうお勧めの商品も沢山あります。

しかし、アップルのようにトータルのユーザー体験を提供できている企業・商品は?というと自信を持って「これなら」と言えるものはなかなかありません。何故こうした体験を日本メーカーは提供できないのでしょうか?その議論は各所でされていて、

・日本人は改良が得意なだけで新しいものを作るのは苦手
・日本のメーカーは消費者を向いていない
・日本の開発者・企画者はアップルの商品を使ったことが無い、又はその良さが分からない

等々色々な指摘がされています。私は元モノ作りの現場にいた経験から、これら全てがある程度は正解であるものの、本質的には間違いであると感じています。

実際にメーカーに勤務されている方や、その経営陣や担当者に取材されている方であれば良くご存じだと思いますが、日本のメーカー関係者の中には、アップルの商品をこよなく愛す方が多く、実際に個人として使い込み、その良さを痛感している人が沢山います。

更に、必死でお客様に価値を提供することを考えている人も大量にいます。(そうでない方がゼロとは言いませんが)そして、個々に話せば目指すべき世界は理解されているし、其々に新しい総合的な提案を持っている方も多数います。

しかし、現在の状況…。この最大の問題は、以前当ブログ「終わったのはモノ作りではなく商品企画」で書いた通り、今求められている付加価値、顧客体験を生み出すためには、ビジネス企画が必要で、「何ミリハードを薄くする。何グラム軽くする」といったことに向いている従来の商品企画では太刀打ちできなくなったことです。

この状態は奇跡でも起きない限り、事業・意思決定単位であり、企画体制を変えない限り解決しません。具体的には、商品単体だけでなく、それに繋がるハード、ソフト、サービス、コンテンツ全ての予算を持ち、マーケティング全般(4P全て)に権限を世界で持つ人が必要なのです。そして一貫した操作性を保つために、その人が(少なくとも立ち上げ当初は)独裁者と言われようが、各担当者に任せるのではなく実際に個別の決定に関与・決定していくことが不可欠です。コンセンサスを重視する日本メーカーにおいてこれは本当にハードル高いですが…。

更に刺激的な物言いとなりますが、本気でコンテンツを活用した新しい付加価値を提供したいのであれば、企画開発するターゲット、ひいては企画・開発する場所として(少なくとも初期は)日本を除外すべきだと思います。

この日本を除外すべきという点。とても大切であり、我々に影響が大きい話ですので、その理由については次回書きたいと思います。

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コメント

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博士を2000人雇っていても...。 (canbrio)
2011-09-26 15:52:38
おっしゃる事は分かりますが,既存の日本企業から”スティーブ・ジョブス”が出ると思いますか?何かを作りたい人ではなく,この会社に入りたい人が集まっても「それ以上」はないのではないでしょうか。

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