私はお客様に「ソーシャルメディアの声を真摯に聞きましょう」と提言をしてきました。その私が自身、自社の関連でソーシャルメディアの声に耳をふさぐことは出来ません。
皆様からいただいたご意見、ご指摘全てに目を通しました。ほぼ全て匿名ではありましたが、それも含めて全てを真剣に受け止めています。そしてメールで回答できるものは出来るだけご返答をしていますし、コメントがありましたらそれに対しての対応も可能な限りしています。
その結果か、徐々にですが頂くメールなどのお声も叱責から提案、応援のものが増えてきました。しかし、まだ匿名掲示板では解消されません。(メールでの回答が適切ではないと思われるものについてはお会いしてご説明したいと思っています。)
私はここ数日この理由について皆様からの声を伺いながら考えてきました。そして、私の説明力不足や態度が一番の理由だとは思いつつも、このステルスマーケティングの定義の曖昧さ、その課題の難しさのご説明不足、そして当社の対応・説明が皆様の期待値に比べて不十分だからではないかとも考えるに至りました。
ステルスマーケティングの定義については、「ステルス」(隠されている)という事自体が、受け手側の認識、メディアの特性などの影響を受けることもあって、残念ながら固定、共有されたものがないように見えます。(私自身は今回の件があるまではWOMMA規定で全て判別できると考えていましたが、どうもそれは間違えであったと思い始めています)
例えばテレビの番組宣伝。今では普通にドラマなどが放送される直前になると主演クラスの役者さんが、放送する局の様々な他番組に出てドラマをアピールします。こうした経験を多数してきている視聴者の方から見れば、これはドラマの宣伝であることを理解をしているので、特に「ドラマの宣伝です」と明示しなくても「ステルス」ではないでしょう。
しかし、こうした宣伝方法を経験したことがない視聴者の方から見たら、その役者さんによる推薦の言葉が宣伝であるとは分からない=ステルスであるということになってしまう可能性もあります。
また、社員が「ステルスマーケティング問題を」(12/1/22追記)*1知らずに自社の商品を個人で買って試して自分のブログでレビューした場合はどうでしょうか?本人は騙そうという意識は全く悪気はありませんし、ステルスマーケティングをしているという自覚もありません。また、会社もそれを知らない訳ですが、厳しく判断する方から言えばこれも「ステルス」に分類されてしまかもしれません。
しかもこのケース、意図的ではないものの発生していると思われます。特に大企業であれば社員が自社商品のユーザーであることは多く、ブログに限らずTwitterや口頭でその使用感を語ることは十分にありえる事だからです。(正直当社も全社員や全アルバイトの方のソーシャルメディア利用を把握している訳ではありませんし、私生活全てを把握することはできていませんので漏れはあると思います。無論何かあった場合の全責任は私にあります。)
この防止のため会社と全社員間で契約を結んで社員のソーシャルメディアを全て登録する、発言に制約を加えるという手法もありますが、どこまで実効性があるか疑問もあって、これが果たして本当に良いか分かりません。
それではどうすれば良いか?その一つの解が「関係性の明示」です。どういう条件でこのレビューを書いているかを読者や受け手に対して、自分とその商品、サービスの関係性を可能性も含めて明示すれば良い訳です。
しかし、これも以下のようななかなか難しい問題があります。
1)手間の問題
いちいち会話の中で「今からあなたに話すことは私が勤務している会社が作っている商品に関することです」とか、「私の勤務先の取引先の会社が作っている…」とか、「取引先となる可能性がある…」など前提の解説を加えながら話さなければならない。
2)プライバシーの問題
友人に語るのであれば1)の問題をクリアすれば良いでしょうが、そうでない方に対しては個人情報の問題が出てきます。例えば、匿名で書いているブログに自分の勤め先情報を出したいでしょうか?また出さなければならないのでしょうか?
1)を全ての人に求めるのは無理でしょう。私などでもブログで何かレビューを書くときは「こういう仕事をしている」と出来るだけ入れるようにはしていますが、Twitterなどの文字制限があるとこれは厳しいです。気をつけているつもりですが漏れが無いとは言い切れません。
そして、2)に関しては普通の方は完全に無理だと思います。それを求めるのは相当程度の個人情報の露呈が無ければ一切商品・サービスについての評価を口にしてはいけないということになってしまいますし、守秘義務契約を締結して進めている仕事があった場合などは出せません。私は職業を公開しているものの、顧客間の情報漏えいを防止する必要があって私も社内の全案件を完全には把握していません。こうなると把握の漏れがないとは言い切れません。
また、2)については「どこまでの開示を求めるか?」が鍵になります。
これに対する当社の対応は、以前ご説明したとおり、そのレビューに関する前提条件を、モノフェローズとしての一般的な定型文である、
「このレビューで使用されている商品はWillVii株式会社が運営するレビューサイト「みんぽす」が無償で貸与しています。本レビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません。(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)レビュー商品無償貸し出しサービス「モノフェローズ」に関する詳細はこちら。」(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)
という形で開示していただくというものです。それで私は完璧であると考えていました。その前提で前回のblogでご説明をしたわけです。
しかし、ご指摘があったように純広告出稿の取引があるか、当社と何らかの仕事をしているか、したことがあるか、一緒に食事をしたことがあるか、親族を紹介されたことがあるか、FBやTwitterなどで繋がっているかなどは公開していません。直接的なバーターは排除するように気を付けていますが、これだって完璧かと言われれば人によって判断は変わるでしょう。つまり、これが問題だといわれれば当社にも問題があるのです。
当社のような仕事はソーシャルメディアへの理解が重要ですから、ブログやTwitter、FB等の利用経験(必須ではありませんが)がある方が好ましいです。また、先行してそうしたサービスに取り組もうとしてされている方の中には高い能力をお持ちの方が多いと思います。
こうしたこともあってか、当社に限らず業界内でも元々ブロガーさんとして参加していたマーケティング会社に社員、又はアルバイトとして入社された方もいますし、それらの立場、又は退職した後にイベントやモニターに参加されたり、自身で同様な事業を立ち上げて取引先として取引をしながらブロガーさんとしてイベントやモニターに参加されているケースもあるようです。
これらはどうでしょうか。厳格な基準をお持ちの方であれば、これら全てでアナリストレポートのように現在、及び過去に遡った取引関係の有無と種類。取引期間。金額等全て取引関係を開示すべきと思われるでしょう。しかし、これは上記1)2)双方の問題があります。
私は今まで「レビューへの介入が事実誤認時以外ない」「レビュー前提の条件開示(定型文)」が明確にされていれば開示については十分であると考えてきました。そのため、前回のblogエントリーでは強い論調でそれを主張しました。
しかし、今回の騒動で、多数のメール、ブログへのコメント、Twitterへのメッセージ等を介して皆様のご意見を伺う中で、当社の認識でもまだまだ甘い。書き手のプライバシーに配慮しながらも、読み手の方から見た、理屈だけではなく心の問題も含めてもっと踏み込んだ開示なり慎重な対応なりが必要だったのではないかと思い始めてます。
勿論、これを突き詰めていくと、純広告すらも厳しいことになります。マスメディアであっても広告出稿と記事掲載のバーターはないのか?記者と取材対象との関係開示はどうなのか?など行き着く先は先ほどのアナリストレポートのような開示か、取引関係が少しでもあったら取材対象としないという極端な対応です。これが良いとも思えません。正直堂々巡りで解が見つかりません。
そんなことを考えている中、先日ある方から「WOMJ(日本のクチコミマーケティングの自主規制について話し合っているグループ)への参加」のお誘いを頂いて、一人で悩むより皆さんと話をさせて頂いた方が良いのではないか?と思い始めました。現在当社は規制が最も厳格なWOMMAに加入しているため、基準がWOMMAよりは厳格でないWOMJには加入していませんが、WOMJの中には志が高く、真剣にこの問題について取り組んでいる方がいらっしゃいます。そうした方々と、WOMJに参加させていただくかどうかは別としても、あるべき姿について相談・議論をさせていただければと思い始めています。
皆様の期待値から見ると遅い歩みかもしれませんが、しっかりと考えてまいりますのでご理解を頂けると幸いです。
なお、最後にお願いです。当社にご不満を持たれている方がいらっしゃる*2ことは認識しております。上記のご説明、対応でも不十分かもしれません。しかし、当社における全責任は私にあります。どのようなご意見、ご指摘も私がしっかりと伺いますので、当社に関係する方、特に女性へのストーカー行為等で彼女たちを不安にさせることはどうか止めてください。それは皆さんの本意ではないはずです。どうぞ宜しくお願いします。
*1:初稿では括弧部分が不足していました。「知らずに」は「自社の商品であることを知らずに」ではなく、「ステルスマーケティングとみなされるおそれがあることを知らずに」という意味です。誤解を招く表現でした。お詫びして訂正します。メッセージを下さった方ありがとうございます。(12/1/22)
:2:表現修正(12/1/22)











