雨の記号

エッセイと小説のページです。
諫早日出緒

韓国ドラマ「大丈夫 、愛だ(5話)」と三十数年の闇

2016-09-19 18:19:33 | 韓国ドラマ他
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休みの朝もふだんと同じ時刻にだいたい目が覚める。
 昨夜は遅く食事をしたせいか、お腹がもたれたまま寝床にはいってしまった。少し食べ過ぎたせいもあったか眠りが浅くなった。
 眠ろうとして何度も寝返りを打ち、寝苦しかった影響で夢をたくさん見た。いろいろ見たようだが、珍しくも他界した両親、縁戚の人間、有名人などは登場しなかった。その代わり、甥っ子や姪っ子が登場した。姪っ子の一人が近く結婚を控えているというのもあっただろうか。
 最後に見た夢は甥っ子みたいのが出てきた夢だった。自分がその子の父親みたいになってて、秀才ぞろいのクラスにいるその子は試験でいつも最低の点数を取ってくる。
 それで答案用紙をもって担任らしき男のもとに押しかけ、しきりに文句をつけている自分がいた。何に文句をつけているのか内容はわからなかった。ただ、相手から何か反論され、家かよそかはわからないが、ものすごく重い辞書みたいなやつを引っ張り出し、答案用紙の答え合わせを一生懸命やってるのだ。こんなところに答えなんか載ってないのに、と首をかしげながら延々とやり続けている。
 何で自分がこんなことを? 
 そしてそのまま尻切れトンボで夢は終わった…。

 目が覚めて枕もとの目覚まし時計を見たら5時半だった。いつもよりちょっと遅いくらいの目覚めだ。
 そのまま一時間ほどうつらうつらしていることもある。妙な夢を見たせいで身体を横にしておく気分ではなくて起床した。

 トイレをすませ、水を飲んで机の前に座った。
 ブログのアクセス状況を確かめた後、いつもならユーチューブの音楽を聴くことから始まる。今朝はその気分でなかった。
 久しぶりにGyaOへいって韓国ドラマを検索していたら「大丈夫 、愛だ」が目に留まった。パッと目についたのがそのドラマだったからである。
 クリックしたら5話が始まった。一度も見たことのないドラマで、チョ・インソンとコン・ヒョジンが主演している。
 チョ・インソンとコン・ヒョジンを含む四人が店で飲んでて、どうやら恋愛行為についてやりとりが交わされている。チョ・インソン演じてるのは名の売れた作家らしい。そしてコン・ヒョジンは心療内科医のようだ。
 時間が経過し、メンバーの一人(イ・グァンス)が保護者付きでいる女に声をかけてひと悶着起きる。誰かの言葉に刺激を受け、酒が入ってることもあってポジティブになり過ぎたらしい。
 女の連れがやってきてテーブルをひっくり返された。口論から乱闘になり、連中やおまわりから逃げる事態になり二手に分かれて逃げ出す。チョ・インソンとコン・ヒョジンはいつしか手を握り合って走っている。
 その流れでコン・ヒョジン演じる心療医はチョ・インソン演じる作家の部屋で休息を取る羽目になる。
 彼女は心療医でありながら、自身も恋愛恐怖症みたいなトラウマを持っているようだ。で、彼に対し警戒心を抱きながらも一方にある好奇心に背中を押されて部屋に入っていく。
 ドラマだから(いい男と女だし)ここで何か起きなきゃいけないし、実際起きるわけだが、それはほぼ彼の立場や考え方にそって進行する。
 彼は何がしかで彼女や周囲の者に誤解を与えている人物らしい。つまり、彼女の誤解をほぐすための場面として用意された設定というわけだ。
 店での恋愛論みたいなやりとりを蒸し返した後、彼はいきなり彼女にキスをする。
 彼女は微笑んでいる彼を睨みつけて訊ねる。
「叩かれたことは?」
「ちょくちょく」
 彼女は彼のほっぺたを叩いて部屋を飛び出そうとする。彼はそんな彼女を強引に引っ張り戻す。
 たまたまこのドラマのテーマに直結する大事な場面にめぐり合えたようだ。タイトルにそった言葉もここの場面で出てくる。
 彼は抗う彼女を腕に抱き入れ動けなくする。
 部屋の明かりを消し、暗闇を演出する。
「何をそんなに意固地になってる。千年の闇もほぐす努力がなければそのまま闇は続くだろう。恋をしなかった30年の闇があろうと300日で終わった恋があろうとそんな闇が何だというのだ。そんなもの一瞬でほぐせる」
「…」
 彼はライターを点した。
 彼は彼女に顔を寄せていた。二人の唇は触れ合わんばかりの位置にあった。
「こんな風にな」

 ”30年の闇”という言葉にひどく刺激を受けた。長いドラマの途中の一話を見てこの言葉にぶつかるとは思わなかった。
 一人の女とのあっけない別れのせいで、自分もそのような闇が続いているのか、と考えさせられた。
 その女は自分にとって初めての女だった。大学を出て東京に住んでいた彼女と幾度か東京を歩き回り、部屋で食事をつくってもらって食べた。休日の朝、彼女が遅い朝食を作っている時、新聞の購読料を取りに来た男がいてそれを自分が払ったりした。彼女は結婚の話もした。自分はその話を避けていた。彼女がいいところのお嬢さんなのは知っていた。いい大学も出ていたし大きな会社に勤めてもいた。
 自分ができるのはトラックの運転手をやるのがせいぜいだ。
彼女が望んでいるであろう中流なみの所帯を築く自信が自分にはなかった。そのくせ他の女と二俣かける一面も持っていた。
 そんな風になったのは彼女を通じて女を知ってからだ。
 ある日、彼女は自分に別れを告げた。いきなりだった。自分は日にちをおいて二度彼女の部屋を訪れた。いずれもドアは開かなかった。
 以来、女とデートはしても関係は持たなかった。そうして去った女は何人かいる。デートの途中に付き合っている彼に連絡し、迎えに来させた女もいる。彼女は子供が生まれた時、幸せそうなハガキを書いてよこした。数年前に伴侶を亡くしてハガキを寄こした女もいる。そういえば冬の寒い頃に自分で編んだセーターをくれた女もいる。新宿の店でチークダンスを踊った女だった。
 初めての女以来、暗闇の心にぽっと明かりを点してくれた女たちである。
 だが、女として抱くまで何日もかかった最初の女との後悔の時間(トラウマ)を引きずってる感覚は年々強まってきてるかのようだ。かれこれ三十数年に及ぶ闇がそのままなはずはないのだ。
 
 


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