東京海上は、今年3月に英ロイズ保険市場の有力企業、キルンを約950億円で買収しており、日米欧の主要拠点に基盤を持つことになる。東京海上の隅修三社長は記者会見で「他の追随を許さない世界トップクラスの保険グループを目指す」と強調した。
フィラデルフィア社は07年12月期決算の正味収入保険料(一般企業の売上高に相当)が14億6000万ドル(約1547億円)で全米50位。ただ、税引後利益は3億2700万ドル(約346億円)で全米19位と利益率の高さが特徴だ。
東京海上は、買収資金を手元資金と社債発行で調達し、年内に買収完了の予定。米損保市場の規模は約50兆円と世界最大。米景気は停滞しているが、東京海上は「中長期的には成長が期待できる」と判断し、2月にフィラデルフィア社から打診があったことを機に買収交渉を進めていた。
日本の損保業界は、保険金の不払い問題に加え、新車販売の不振で主力商品の自動車保険の販売が低迷している。08年3月期決算は東京海上など大手5社が正味収入保険料(単独ベース)で減収となった。【辻本貴洋】 【ロイター抜粋】
海外へ攻勢さらに活発化 東京海上の米社買収 ・・・産経ニュース