矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Deep learningを促進するデザイン

2016-11-20 09:53:45 | 医学教育
私のMaastricht大学のメンターの一人が、以前学会講演されたときに、おっしゃったことです。

成人学習で、deep learningを促進するために効果的だった要素は3つ程度、わかっていると。


1. Information process 情報を処理することを取り入れること
つまり、一方通行の大量の情報提供のみでは不十分。

2. Collaborative learning 共同学習すること
複数の仲間と一緒に学習することは単独での学習よりも効果的。

3. もうひとつ失念。

根底には、"Assessment drives learning." 評価方法で学習行動が規定される。

という"principle”もあります。

現在、大変ながらも看護学1年生のコース2つをデザインし、実施し、評価する、というコースディレクターをさせていただいております。

”看護師国家試験問題”を見ながら内容を吟味すると、”膨大な情報量の伝達”にかられ、”本来、プロフェッショナルとして身につけてほしいこと””社会から要求されること”などが前面に出れなくなるジレンマにかられています。
(国家試験が記憶テストに終始している印象で残念に感じます)


実際のコースでは、大教室で90名近い学生さんに同時にセッションをする、というのは物理的に無理があります。
ご関係者の皆様に助けていただきながら、させていただいております。Teaching assistant が数名いる形が理想に感じます。

私のセッションは、Team-based learning TBL方式で、

Step 1 事前学習(かなりしっかり勉強を要求する内容)
Step 2 グループディスカッション
Step 3 グループ発表
Step 4 まとめショートレクチャ 

という形式で90分。

このデザインもActive learningを促進するtheoryをふんだんに取り入れました。

毎回、学生さんたちのグループ発表では、”驚く”ぐらいよく勉強してきていることがあり、私の予想や想像をはるかに越える成果をだしてくださるグループもあります。

レクチャの割合がすこし長いと、多くの学生に”睡魔”が襲うのが一目瞭然でした。これまで2回経験。

同期の学生が発表している間に”寝ている”学生は皆無。

”学生が寝ている”という時点で、デザイン再考です。

私が大学院生をした大学院(米、英、オランダ)で、高額の学費を支払っていることもありますが、”寝ている”ような学生は見たことがほとんどないですし、ディスカッションが多い、インターアクティブなセッションなので、”参加型”で、”寝る暇はない”のが実情です。
(参加しないと評価の対象にもならない。)

15分程度のショートレクチャでは、しっかり集中して聞いてくれています。

レクチャも前回からは意識して”質問の投げかけ”に終始する形式にしています。
スライドはなくてもよいのですが、take-home messageの明確化と要点整理のため、リクエストもあると予想してつくっております。


カリキュラム全体との整合性、コンピテンシーの確認が必須です。

世界の医学教育の大きな課題は、

”指揮者のいないオーケストラ”から脱すること。

それぞれのパーツはベストをつくしているが、統合されていないため、不協和音になったりリズムが異なったりで、”聴く者”=”学生”に
十分に伝わらない、という状況です。大変難しいことですが、どの学校、医学部もその改善に取り組んでいますね。




 
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